地球上には種10,135,亜種21,029の野鳥がいます.言い換えればこれらの種,亜種にはそれぞれ違った名前が付けられています.
正確に言えば,亜種がいる種は必ず種と同じ名前の亜種がいますので26,157の種,亜種に名前が付けられています.
動物の名前の付け方は「国際動物命名規約」で決められていて,ラテン語の名前(学名)が正式名称です.
和名,英名など各国の言葉の名称はこの学名にたいして便宜的に付けられています.
種名は属名と種小名の2つの単語で表します.例えばAnser cygnoidは属名Anser「雁」を種小名cygnoid「白鳥」が修飾して
「白鳥のような雁」となります.この種名に対し和名は「サカツラガン」,英名は「Swan Ggoose」です.種Anser cygnoidには亜種がいません.
亜種がいる種Anser fabalisの名前の意味はfabalis「豆の雁」です.この種には5亜種が含まれています.亜種の名前は種の後ろに亜小名
を付けて3つの単語で表します.最後の単語が種を修飾しています.この種の5つの亜小名はfabalis, johanseni, middendorffi, rossicus, serrirostris
です.同じ種に亜種がいると判断されたときは先に名付けられた種が種名になり他の種は亜種となります.当然種の名前も亜種に含まれます.
従って種Anser fabalisの亜種の1つにfabalisが入りAnser fabalis fabalisとなり亜種名は種名と同じとなります.
英名は種,亜種の範疇がはっきりしていて種Anser fabalisの英名はBean Gooseで亜種を示すときは後ろに亜小名をつけます.
一方日本の鳥学会の鳥類目録第7版ではAnser fabalis fabalis,Anser fablis serrirostrisの2亜種が和名ヒシクイになっています.
ヒシクイ以外も多くの亜種で異亜種同名となっています.従って「野鳥名検索」では種名と違う亜種名の和名が種名と同じ場合は種名を適宜変更するか,
「種の和名がない」との表記をしています.
学名は文献1のリストに基づいています.和名は国際鳥類学会議(IOC)のIOC World Bird Listに記載されている
名称を使っていますが,実状に合わせて一部改訂しています.
文献1:Complete Checklist of the Birds of the World Vol.1,2 4th ed. 2014, E C Dickinson and L Christidis, AVES PRESS.
ISBN: 978-0-9568611-0-8/978-0-9568611-2-2