ミソサザイ

とりたてて珍しい鳥ではない。渓流に出かけると、よくこの鳥のさえずりに出くわす。ご存知の通り、ミソサザイは小さくて地味な色をした小鳥である。目立たぬ姿で陽の射さない林の中、倒木や苔むした岩の上などをちょこまかと動く。しかし、これを探し出すのは、それほど難しいわけではない。何と言っても、この小柄ななりに似合わぬ良く通る美声。「ここにいるのだから、早く探しなよ」と誘ってくる。

都民の森でさえずるミソサザイ
2004/04/21 東京都西多摩郡檜原村
Nikon Fieldscope EDIII + 30xWideMC + Nikon E995
奥日光のミソサザイ
2004/05/02 栃木県日光市
Nikon Fieldscope EDIII + 30xWideMC + Nikon E995

直射日光の強い初夏、木陰に入って渓流の音を聞きながら、さえずりの主が動くのをじっと待つ。あの辺りか、それともあっちか。あっ、そこにいたのか……。ミソサザイの姿を捉える頃には、汗ばんだ体もすっかりと落ち着いてくる。そして心までも。

初夏の渓流の主、それが、ミソサザイだ。


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