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魚眼マニア - MC PELENG 3.5/8


peleng with konica FC-1

MC PELENG 3.5/8 with Konica FC-1


一眼レフカメラの醍醐味は望遠と超広角レンズだ、と言い切ってしまおう。 非日常的な景色を見せるファインダーを覗いているだけで血沸き肉踊る、というものだ。 望遠ズーム付のコンパクトカメラは大人気だし、お買得一眼レフのセットには 28〜200とか300 といった とんでもないズーム比のレンズが組み合わされている。我々一般人はかように望遠レンズという響きに弱いのだ。

しかしながら望遠(長焦点)レンズを使いこなすのは非常に難しい。 なんといってもピンボケやブレの無い写真を撮るということ自体が困難なのだ。 暗い望遠ズームではシャッター速度も稼げないし、焦点距離が 300mm 以上ともなれば三脚もそれなりのものが求められる。 苦労して撮影したあげくの結果は「あまり大きく写らないのね」という冷たい答えだったりする。 そりゃそうだ。500mm レンズを使っても野鳥をそれなりの大きさで写すには 10m 程度まで寄らなきゃならない。 かくして望遠レンズが役に立たないということを悟った愚か者は広角に走ってしまうのだった。

さて、広角レンズというのもファインダーを覗いている分には、ぞくぞくするような視界を与えてくれるものの、 いざプリントしてみると意外と平板な結果にがっかりすることになる。 これは歪みがないという撮影用レンズの特性によるものでもあるが、 広角となると欲張ってあれもこれもと画面に納めようとするビンボー性も影響している。 あげくに一体ナニを見せたいのか判らないような写真の山となる。

そんな貴方の強い味方が魚眼レンズだ。これならばナニを写そうが珍しい非日常的な絵を得られるのだ。 その昔には同じような事を考える者が多かったのか、魚眼レンズによる写真が流行ったことがあるらしいが 心配無用。今はそんなに流行っていない。 大体、カメラメーカーでは魚眼レンズをラインアップに加えていなかったり、あっても気軽に買えるような価格ではない。

となると頼みは旧ソ連圏製品である。 MC PELENG 3.5/8 はベラルーシ製の円周魚眼レンズだ。マウントは交換式で、購入したものは ニコンFと M42 マウントが付属している。プリセット絞りで、後部にネジこんで装着するフィルターも 4 枚付いている。個人輸入で購入したが、国内では笠井トレーディングや KING-2 などで扱っているようだ。

Sappro Station Sappro PASEO Dr. Clark Sappro PASEO
MC PELENG 3.5 with Fujica AX-3 (click sambnail to see bigger image)

例によって、昼休みに勤務先の近所を散歩しての試写結果。周辺部には盛大なフレアがある。 これは絞り込んでもあまり改善されない。 内面反射などの影響があるらしく、ファインダー像でもはっきり判る。 フィルムスキャンで画面上下が切れているが、フィルム上では上部の少しだけが切れる。 画角は 180度以上あるので、円形に切ってしまうのが正しい使い方かもしれない。

MC PELENG 3.5/8 「円周」にならないのが見苦しいのでトリミング。
しかし、ここまで切ってしまうと折角の 180 度超の画角が勿体無い。
MC PELENG 3.5/8 over 180 の証。この写真では判りにくいが、真横から入射瞳が見える。



魚眼と望遠の「地底基地2002」
http://www.os.rim.or.jp/~rey_k/index.html

ここで紹介するのは魚眼マニアの秘密?結社。Auto110 用の魚眼レンズを自作したり、 35mm カメラ用対角魚眼レンズを使って中判円周魚眼カメラを仕立てたりしている。その道の師匠。

1st Jul. 2000


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