野鳥の観察と撮影のメモ

野鳥の撮影は難しいけど楽しいもの。野鳥撮影をしたいという方にこのメモが役に立てば幸いです。(2001.3.28 更新)

テクニック以前にまともな機材を

なによりも高性能なレンズ

MC RUBINAR 500mm 1:5.6

野鳥の撮影においてはレンズ自体の性能が、写真の出来を大きく左右します。 特に望遠レンズは性能差の大きい分野です。 現在は中古で購入したぼろぼろの Canon FD 300mm F2.8L に x1.4 または x2 のエクステンダを組み合わせたりして使っていますが、 それ以前に使っていた他社の 300mm F4.5 や 400mm F5.6 などとの違いは圧倒的です。 最初に使ってポジを見たときに、これまでの苦労はなんだったんだと思いました。 これ以外に Canon の 400mm F5.6 なども使っています。

手始めとして 300mm F4 クラスの単焦点レンズがお薦めできます。 三脚も中型クラスで間に合い、使用範囲も広く、それなりに明るいので使いやすいと思います。 中古品を選ぶ場合でもなるべく新しい高級品にしておきましょう。 ズームレンズは確かに便利ですが一般に描写性能で劣り、特にピントの外れた箇所(つまりボケ)が汚くなる傾向があります。

高価なレンズには手がでないという方には反射望遠レンズがあります。 これはロシア製の MC RUBINAR 500mm F5.6 ですが、新品が 2 万円台で購入できます。 反射式の常としてボケが汚いのは仕方無いとして、解像度などの性能は一級品です。 ズームレンズを使うくらいならこちらにしましょう。F5.6 の明るさも魅力です。 国内でも KING-2 (http://www.king-2.co.jp/)や笠井トレーディングなどが扱っていて、ロシア製品は品質のばらつきが大きく心配というのであれば、調整された品物も用意されています。 なお、アイピースを付けて眼視用としても使えなくもありませんが、中央遮蔽が大きいためか昼間の使用には適さないようです。 あるいは暗めの F8 クラスのほうが眼視用に向いているのかも知れません。

高倍率は必要?

あまり近付けない野鳥を大きく撮影したいとなると高倍率(長焦点距離)のレンズが欲しくなるかもしれません。 しかしながら長焦点距離のレンズは高価で撮影も困難になります。 おまけに期待するほどは大きく撮影できないものです。 例えば 400mm と 600mm で像の大きさの違いは 1.5 倍です。 アップの写真は図鑑に任せて「野鳥の居る風景」として捉えてみるのはどうでしょうか。

AF は役に立つか

最近の AF カメラを持っていない私は、これについて論評できる立場にはありません。 ただ、樹上の小さな野鳥に AF で合焦するのは困難であることは容易に想像できます。 ですからやはり MF も必須ということで AF 機でも MF での使い勝手がよいものを選びましょう。

そして丈夫な三脚

300mm/F4 くらいまでのレンズなら スリック(http://www.slik.com/)の製品でいうと、GrandMaster クラスで間に合います。 PRO-II に切り替えて、カメラブレによる失敗の頻度が少し減りました。 ただし担いで歩き回るのは結構大変。 クイックセット(http://www.tripods.com/)の Husky シリーズは信頼性が高く、雲台固定時のブレが少ないとの評判です。 ジッツォ (Gitzo http://www.gitzo.com/)も人気が高いのですが、個人的には割高のように感じます。 最近ではカーボンなどを使用した軽量の製品もありますので¥に余裕があればどうぞ。 600mm を越えるような場合は一脚などを追加してカメラ側でも固定しないと苦しくなります。また、場所によっては三脚の代わりにビーンバッグと呼ばれる豆入り枕のようなものが有効です。

でもってレリーズなど

レリーズなしでシャッターを押すと丈夫な三脚を使用していてもカメラぶれが起きやすくなります。 これはシャッター自体の振動よりもシャッターボタンを押す操作でぶれることが多いためだと思われます。 特に機械シャッターのカメラは要注意。 三脚のパン棒にリモートスイッチを付けると便利です。

モータードライブ(ワインダー)も必須。というのは、これがないと巻き上げ時にカメラが動いてしまうから。 高速連写自体は案外無駄なもので、最初の1コマ以外は使い物にならないか、変わりないものかになってしまうことがほとんどです。

無理に鳥を追うべからず

野鳥の写真を取りたいという方は多いかも知れませんが、 まず双眼鏡を持ってのウォッチングから始めましょう。 いきなりの撮影はまず無理ですし、多少慣れたところで図鑑や写真集に出ているような出来は到底望めません。

野鳥はこちらがじっとしていればあまり逃げませんが、追うと必ず逃げられます。 また、営巣期(初夏が多い)にあまり追いかけると、巣を放棄してしまうこともありますので厳に控えてください。 撮影場所を確保したり構図を整えるために木を折ったりすることもタブーです。


| HOME | Photograph | Birding |

(C) Copyright 1999 M's Factory. All Rights Reserved.
email:masato@bird.email.ne.jp