双眼鏡とフィールドスコープ

私が使用したことのあるものを紹介します。2001.08.13 更新。

双眼鏡

双眼鏡については「双眼鏡愛好会」のページ(http://www.dab.hi-ho.ne.jp/mkikuchi/)に詳しい解説がありますので、併せて参照されることをお薦めします。

DOCTER OPTIC / Standard roof 8x32 aspherical

DOCTER 8x32 binocular Docter Optic Logo

ドイツの DOCTER OPTIC 社は非球面レンズの製造で知られ(Leica や Angenieux 社に供給している)、旧東ドイツ Zeiss Jena の双眼鏡部門を継承しています。 これは非球面レンズを採用したタイプで、Zeiss や Leica のものに対抗しうる実力があるとされています。 鳥見用の光学機器のレビューをしている better view desired (http://betterviewdesired.com/)によると唯一明るさの面で Leica 8x32 に劣るという評価(http://betterviewdesired.com/Doct.html)でした。 確かに周辺部の像の乱れは非常に小さく、これが非球面レンズの効果なのでしょう。 写真用のレンズと違って双眼鏡、望遠鏡は中央部を重視しますが、周辺まで高画質であるほうが嬉しいの当然です。 オランダの ROSKAM OPTICS (http://www.roskamoptics.nl/)などで扱っています。 日本国内での DOCTER 製品の入手は難しいかも知れません。 スターベースやレモン社で一部の製品を扱っているので注文できるかも。

「roof(ルーフ)」というのはプリズム形式のことでダハプリズムとも呼ばれます。 ポロプリズムに比べて小型にできますが、加工精度が求められるために性能面では 不利になります。8x32 というのは倍率(8倍)と対物レンズの口径(32mm)を示しています。 手持ち(防振機構無し)では 8倍前後が手頃です。 大きな倍率のものは視界が狭く、ブレるために実用には不適です。 口径は大きなもの程明るい画像が得られるのですが、昼間の使用にはあまり大きくても意味がありません。 この 32mm というのは鳥見に手頃なサイズだと思っていますが、メーカーとしては 40mm クラスに比べてあまりサイズやコストの面で有利ではないようです。 これは多くのメーカーで 40mm クラスと鏡胴を共用していることからも推察されます。

[注] 写真は 10x40 ? のものです。

DOCTER OPTIC / Compact 8x22 CSP

DOCTER 8x22 CSP

8x32 が素晴らしかったものでコンパクトな 8x22 にも手を出して見ました。 高橋製作所のスターベースで扱っていました。

コーティングの違い(8x32 は赤紫系、8x22 は緑系)からか、視野の着色(8x32 のほうが多少黄色っぽい)に多少違いがあるようですが、その他の見え方の傾向はそっくりです。 Aspherical (非球面レンズ)を採用したタイプではないのですが、ほとんど不満は感じられません。 夜間使用では口径が小さいため、特に周辺の明るさの落ち込みがありますが像の乱れも少なめです。 日本ではあまり知られていない DOCTER 社ですが、取扱店が増えることを期待したいですね。 これが一万円台で販売されるとなると、これは他社製品にとっても脅威でしょう。

JENOPTIK / JB 22 RP (8x32)

JENOPTIK JB 22 RP JENOPTIK logo

JENOPTIK (http://www.jenoptik-camera.com/english/products/binocular/)は Carl Zeiss の流れを汲むもうひとつの光学機器企業です。

スマートなデザインで比較的軽量な双眼鏡です。 ショルダー型のケースの他に巾着型の収納袋が付属しています。

ちょっと使ってみたところ、好感の持てるすっきりした見え方のするこの双眼鏡ですが二三残念な点もあります。 まずひとつ、マルチコーティングをうたっているものの、紫がかったコーティングが施されいるのは最外面のみのようです。 このため、夜間に街灯などを見るとゴーストが現れます。 また、射出瞳が綺麗な円形でなく、一部欠けています。明るさでちょっと損をするかも知れません。 これは小型化、あるいはコストダウンのためかと思われます。 それから、仕様では上の DOCTER と同じく 8 倍なのですが、それよりも多少倍率が低いように見えます。 見かけ視野が狭いのかも。 このためか、視野角がわずかに広い筈ななのにそのようには感じられません。 まぁ、それは欠点とはいえませんが、周辺部は結構流れて見えるのは×。 DOCTER 8x32 RP が素晴らしいため、評価が厳しくなってしまったかも知れません。

Pentax / タンクロー 10x24 UCF

Pentax logo

小型軽量で、そこそこの性能、安価ということで、ちょいと試してみようという方にもお薦めできます。 8 倍のほうが使いやすいでしょう。私のものは随分前の型で本格的に鳥見を始めようとしたときに薦められたものです。

旭光学工業株式会社の製品紹介の WWW ページ(http://www.pentax.co.jp/japan/product/index.html)の情報は少なめ。

Nikon / MIKRON 6x15 CF

NIKON MIKRON 6x15 CF NIKON logo

デザインに負けて購入してしまいました。サイズの割に良く見えます。 最短距離 2m というのもグッド。 とは言えここまで小さいと多少使いにくくもあります。 野鳥の観察というよりもコンサートやスポーツ観戦に向いているでしょうか。

株式会社ニコンの双眼鏡とフィールドスコープの WWW ページ(http://nikon.topica.ne.jp/bi_j/index.htm)にはためになる情報が満載。

ロシア製 / HC-Bino 10x50

光軸がずれているジャンク品を購入したもの。 プリズム傾き調整ネジがあるので三脚に固定して星像をみながら調整。 自分一人で使用する分には眼幅が一定だから、素人調整で使えないこともない。 10x50 ともなると手持ちにはちょっと辛いところ。三脚に据えて天体観測に適しているのかも。 周辺が乱れるのは仕方のないけど中央部は素晴らしく良く見えます。7.8度と視野が広く、アイレリーフが長いのも嬉しい点。

ロシア製 / Wide-Bino 2.3x40

天文マニアの間で評判の低倍率、広角双眼鏡。 広角であるという以外には長所がないというような代物で、もちろん野鳥観察にも向かないのですが、ゴール裏の安い席からのサッカー観戦には最適でした。アイレリーフが短いので眼鏡着用者には向きません。

フィールドスコープ

元々フィールドスコープは射撃やアーチェリー競技などで弾着を確認するために用いられていたのが自然観察用に流用されるようになったものです。 天体望遠鏡に対して地上望遠鏡とも呼ばれ、天体望遠鏡が上下逆さの像になるのに対して正像が得られるのが特徴です。

KOWA / TSN-2

KOWA TSN-2 field scope KOWA logo

「プロミナー」で有名な KOWA(興和 http://www.kowa-prominar.ne.jp/) の定番フィールドスコープ。対物レンズ径 77mm。 鳥見をする人間の間でフィールドスコープの代名詞として使われている「プロミナー」ですが、これは同社のフローライトレンズを採用した高級品に付けられた名称です。 これはプロミナーではないほうです。

フィールドスコープの使用には三脚が必須ですが、専用品とされているものは一般に弱過ぎます。 スリック(http://www.slik.com/)の エイブル 300 DX シリーズが比較的軽量ながら丈夫で、 あまり大きくない望遠レンズ付きのカメラでの写真撮影にも十分間に合います。

KOWA / TS-611

KOWA TS-611 field scope

同じく KOWA の廉価版フィールドスコープ。TSN シリーズとアイピース(接眼レンズ)を共用できます。これは接眼部が傾斜したタイプで、長時間の観察には楽ですが対象の導入には慣れないと手間取るかもしれません。

フィールドスコープには写真撮影用にカメラに取り付けるためのアダプタが用意されており長焦点レンズとして使用できまますが、大口径ののものでも F 値が 8 にも満たないので動きの遅いものを明るい場所で撮影する目的以外には役に立たないと思ったほうがよいでしょう。 この TS-610 シリーズ用には合成焦点距離および口径比が 800mm F13.3 のものと 1200mm F20.0 の二種類があり、これは上記の TSN-2 では口径比が F10.4、F15.6 になります。


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