日々問答 <最新版>
サイトの運営に関することや、作品の製作に関することを基本に書く「日記」的なコーナーです。
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*76* 2006/4月-3
*人造美*
 先日、コスチューム・ジュエリーでは有名な「ミリアム・ハスケル」の品を多数展示しているお店に行ってきました。実物はネット画像等を見て感じるよりも小振り(日本人に合うサイズ、ボリュームの品を選んでいるのもある)ですが、その中は実に繊細で巧妙な細工がされています。
 天然石は一切使用せずにモダンで新しい美を作り出す、というスタンスは非常に現代的なのですが、徹底した手仕事で手間ひまかけて作られているのはアナログ的だと思います。
 ハスケル製品ではありませんが、やはり手仕事の見事なビクトリア調のリングがありました。ごく薄い金で作られ、直径1〜1,5ミリのシードパールとダイヤモンドを多数並べた優美さは、現代のコスト至上主義では到底許されない手数の掛けかたをしないと出来ません。
アナログ=手仕事が全てに勝るとは言えませんが、少なくとも現代人は大事なものは何かを忘れています。。


*75* 2006/4月-2
 *人間国宝バンザイ* 
 ネット通販ページにイタリアのカメオが詳しく載っていました。 カメオは質もお値段も、技術を持った職人のランクが決め手です。 もう亡くなってしまった超人間国宝級の職人制作のカメオを見ましたが、やっぱり他とは違う視点、技術があります。
 カメオは貝殻の2色の層を彫り分けて造ります。貝殻の平面に人物の横顔などを浮き彫るので、当然裏側は関係ありません。ところが、その職人さんが彫った美女の鼻筋の裏側は、柔肌が存在している感覚で造られています。
 絵を描くさいの注意に「見えない裏側も意識して描くように」ということがあります。裏側も、つまり全体を意識すれば対象を正しく捉えて描けるようになり、デッサンが上達します。
 人間国宝氏は子細な観察眼で対象を捉え、それを卓越した技術で100%カメオ素材の上に創りあげるのです。(細かい彫り残しや研摩不足は無し)
 カメオは自分が使う素材対象のひとつなので、特別にどうこう思うことはありませんでした。ところが、このカメオ職人さん作は文句無しに素晴らしい出来で、自分でも(お¥があったら・・・)ぜひ欲しいと感じました。


*74* 2006/4月-1
 *影を踏む*
 私が是非にも装身具を「勝手にオーダーメイド」して差し上げたい方が2人います。美輪明宏様とビョーク。
 美輪さんにはどのようなモノがお似合いかは判っています。超高級素材を使った正統ビクトリア朝クラシカルデザイン、最高の宝飾技術で造りあげるもの。
できれば最近の金髪の美輪さんではなく、黒髪の黒蜥蜴のイメージの美輪さんに合う黒と銀色のジュエリーをと考えています。 残念ながら、現在の私にはあらゆる意味で作れない品物です。ひたすら今後、精進鍛練あるのみ。
※以前に町中で偶然に美輪さんに御会いした時は、神々しくてとても近寄れませんでした。
 さて、ビョーク。この人は究極の「イタコ」さんなのでオーダーメイドの対象とするのは大変です。。。
実体はあるのでしょうが、まず判らないし見つける手立ても無い。彼女自身のアルバムでも変幻し続けるし、映画や写真の中でもその場のイメージに変身する。これがどれも本物にしか思えないのが凄い。 実体が無い=影が無い、「影踏み」を出来ない人なのです。
※ビョーク主演の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は殺人をミュージカルに出来るかという実験映画だと思いますし、過激で残酷なストーリーには辟易しますが、ビョークの存在の凄まじさに結果として全面降伏です。
 アルバム「メガラ」のジャケット写真で、ビョークは奇妙な帽子とネックレスをしています。その2つを選んで同時に身に着けるというセンスは、とても他人に推し量ることは不可能です。「ビョークだから」としか言い様がありません。
 このような人なので、彼女に似合うものを創るのは「何でも有り、何でも無し」なのです。 しかし、何とかして彼女自身に気に入ってもらえる「他に見ない」「気の効いた」それでいて、「ビョークのイメージ」となりうるモノを創ってみたいと思います。
★美輪さんの影は畏れ多くて踏めません。ビョークの影は見えないので踏めません。

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