1999.4.13.
パリでクラシック音楽のコンサートに行く
旅行で、ビジネスでパリを訪れる機会が出来たら、コンサートにいらしてはどうでしょうか?
予約なんか要りません。殆どのコンサートは当日行けば十分です。(もちろん外来オケやオペラ、例えばアバド指揮BPOとか、ブーレーズ指揮VPOなどはまず前売り段階で完売しています。) ガルニエのオペラ座も、例えば舞台が半分しか見られないと言った席ならまず空きはあります。しかもそういう席は大体1500円以下です。ダメもとでもいい、気合いをいれずに、フラっと出かけてみてはいかがですか?
ここでは、なるべく実用的な情報を提供させていただきます。
1.はじめに
2.いろいろなコンサート
3.情報の取り方
4.切符を買う
5.席について
6.ホールについて
7.アクセスの仕方
8.安全対策
9.食事
10.個人的な思い出
1.はじめに
まず、開演時間について。マティネ(これもフランス語ですね)は11時開演、ソワレは20時、20時30分開演というのが一般的です。その他、教会のコンサートでは21時というのも多く、ウィークエンドは16時、17時スタートというものもあります。日本から到着した当日に、いきなりソワレというのはまず時差ボケの餌食となり子守歌にお金を払う贅沢な結果になります。週末ならばマティネを狙うのがいいかも知れません。 シャンゼリゼ劇場やシャトレ劇場の朝のコンサートはお薦めです。
2.いろいろなコンサート
@オーケストラの定期演奏会
パリ管、ラジオ・フランス・フィルハーモニー管、コンセール・ラムルー、パドゥルー管、フランス交響楽団など、パリを根城とするオケの定演。ホールも決まっているし、まず当日行って問題なく切符は買えます。
Aオペラ
定期的なのはバスティーユ・オペラ座、ガルニエ・オペラ座(バレエがメインですが、オペラも上演することがあります)、オペラ・コミック。不定期の外来オペラはシャトレ座やシャンゼリゼ劇場などで。普通のホールでコンサート形式のオペラを上演することもあります。
B外来オケ
シャトレ座、シャンゼリゼ劇場、サル・プレイェル、シテ・ド・ラ・ミュジークなどが会場となります。各会場のシーズンのプログラムを入手すれば先の日程まで分かります。但し、明らかに客の呼べそうな出し物は売り切れている場合もあります。プログラムに既に「売り切れ」と印刷されていることも。
C教会のコンサート
宗教音楽、古楽、バロック音楽が多いのは場所柄から無理もありません。名だたる演奏家の素晴らしい公演もあれば、アマチュアの発表会レベルの演奏(しかもプロ並の金を取ることもある)もあり、玉石混淆。玉に当たると大いに感動できます。また、有名な教会以外は場所を探すのも大変。
Dホールが主催するシリーズ
イ)ラジオ・フランス
シーズン毎にプログラムを発行していて、通常のラジオ・フランス・フィルの定演の他に、テーマを持たせたシリーズがあります。
ロ)グレヴァン劇場
ろう人形館の中にある小劇場で古楽、バロックなどのコンサートがあり、出演者も多彩かつ豪華。
ハ)サル・ガヴォー
器楽、声楽のリサイタルが多い。世界的な歌手、ピアニストなどのコンサートが目白押し。
ニ)シテ・ド・ラ・ミュジーク
パリ・コンセルヴァトワールのホール。古楽から現代音楽まで、どちらかというとアカデミックな企画が多い。
ホ)ベルサイユ
シャペル・ロワイヤルなどあのベルサイユ宮殿の中でコンサートがあります。
E音楽祭
シーズン・オフ(つまり、バカンスのシーズン)には、地方で素晴らしい音楽祭が開かれます。その他に、パリ近郊(いわゆるイル・ド・フランス地方)では年間を通してテーマを持った音楽祭が各地で開かれています。
3.情報の取り方
日本から
オペラ座や、音楽祭などはホームページを持っていることもあるので直接調べられます。
パリ・スコープのホームページでは1週間分の殆ど全てのコンサートの情報がのります。水曜日更新なので、出発日の関係で情報が取れないかも知れません。また、個々の情報は演奏者と演奏曲の作曲者、および価格で、曲目までは分かりません。
ディアパゾン誌では1ヶ月分の情報が取れます。但し、全てのコンサートを網羅しているわけではありません。また、価格はのりません。
現地で
@ パリ・スコープを買う。
A ディアパゾンを買う。どのキオスクにも大抵置いてあります。
B 直接ホールに行き、プログラムを入手。 シャトレ劇場、シャンゼリゼ劇場、サル・プレイェルなどは観光のついでに立ち寄れる場所です。
C 情報紙を入手。 Cadenceという情報紙は1ヶ月分のあらゆるクラシックのコンサート情報が、曲目、演奏者、価格と全て網羅してのっています。但し、定期購読の他は、コンサート会場の前で無料で配られているのを入手するしかないので、じゃあそのコンサートはどうして見つけるんだ、ってなことになります。 キオスクで売っていればいいのですが見たことがありません。
4.切符を買う
現地で買う場合を想定しています。
@ 前売り券を直接入手する方法。十分な滞在期間があれば、まずは会場の窓口に出向き先々のコンサートを確認して切符を買ってしまえます。
A FNACやヴァージン・メガストアのプレイガイドで購入できるものもありますがコミッションが加算されます。
B 電話での予約を受け付けている場合もあります。教会のコンサートなどは名前を記録しておき、当日名前を言って買うという感じですが、ホールのコンサートではクレジット・カードの番号などを訊かれることもあります。受け取りは当日、カウンターに特別のセクションがあるのが普通です。当日券売場に並ばないように。わからなければ受付でききましょう。
C 音楽祭などは事務局にコンタクトして予約方法を確認しなければなりません。
D 当日券。オケの定演では飛び込みの当日売り狙いでまず大丈夫。私は殆ど当日券しか買ったことがありません。注意事項として、1.オペラや外来オケでは満席の場合も多い。残っていても桟敷席などで舞台が部分的あるいは全面的に見えないこともある。(1000円ぐらいだが)2.30分前には窓口で購入。劇場によってはサル・プレイェルなどのように1時間前ぐらいから買える。
5.席について
ホールや劇場での分け方
@ カテゴリーA、B、C、D等 日本風に
A 平土間席、地階席、第一バルコニー、第二バルコニー。伝統的なホールでは、ボックス席も
窓口で、場所を指定して買います。同じ場所で複数の価格が設定されている(オルケストルでもベスト席、ベター席など)場合は価格を言えばわかります。ホールによっては発券ディスプレイを見せてくれて、矢印で指しながら空いている席から選ばせてくれるところもあります。
教会での分け方
指定席(Numerote)と自由席という分け方が多い。指定席は当然舞台に近く、後方が自由席になる。
6.ホールについて
7.アクセス
市内のホールはメトロ、タクシーで簡単にアクセス可能です(一部は安全に気を付けて下さい)。問題はイル・ド・フランスの場合です。 郊外の小さな町では終わった頃には電車も無いし、あっても治安の問題がある。 更に一部を除いて会場の協会は駅から徒歩1時間などということもあります。 レンタカーを借りるしか手は無いのでしょうか。
8.安全対策
各ホールの項に、安全度を示しています。もちろん、ホテルの場所にもよります。夜のコンサートが終わる頃なら地下鉄は一部の路線を除いて避けた方がいいでしょう。もちろん、腕に覚えのある方は別です。
なお、スリとか置引きは、個人的な災難ではあっても社会的な災難とは見なされません。しかも、あらゆるところで遭遇する可能性があり、「ここなら大丈夫」といったことはありません。 まあ、すられたらスリ返すぐらいの気迫でいることが肝要です。
9.食事
コンサートが終わると10時半から11時、それから食事という場合はいきおいブラッスリーなどになります。コンサート前に仕込もうとすると、結局8時前に終わらせるために、カフェでサンドイッチかオムレツ、更にはマクドでってなことになります。いずれにせよ、コンサートとレストランでのディナーの両立は困難です。一部のホールでは簡単なレストランがクイック・メニューを用意しています。(サル・プレイェルのダロワイヨとか)
10.個人的な思い出 ここにまとめました