『闘え!ドラゴン』
(1974)


さぁ、とうとう来るべき時がやって来たぞ。この作品の再放映だ。全部、録画するぞ。絶対するぞ。全部観るぞ。
こんなに気合入るのも久しぶりかもしれない。
はっきり言って私は倉田さんを尊敬しています。その生き方、人生、人となりを。彼のキャリアの集大成がこの日本でお子様向けに作られたTV番組である、というのも寂しい限りではあるが。しかし、巷の空手映画ブームを反映したこの実にタイムリーなプログラムは放映開始直後は物凄い盛り上がりだった。特に、当時、最も好きな空手映画は倉田さんと梁小龍(ブルース・リャン)共演の『帰って来たドラゴン』であった私はなおさらだ。もう気も狂わんばかりの絶叫で放映開始日を待った。
で、これ?これは......当時の子供向けヒーロー物とまったく同じレベルなのである。それよりなお悪いのは、主人公は生身の人間なので特撮ヒーローのような兵器も無いし巨大ロボットも出てこない。言うなれば、戦隊ヒーローがいつまでたっても戦闘員と戦っている、これを延々全編見せられるのだ。はっきり言って、面白くない。最初は楊斯(ヤン・スエ)とか梁小龍が出ているからそれなりに興奮してみていたのだが、そのうちおかしくなってきた。香港のスターは出なくなり、出てく
る悪役は安岡力也とか沢村忠とかだんだんおかしくなってきたのだ。そもそも退屈なドラマである事にこの頃からみんな気がつき始めていたのではないか。私は早くも飽きていたためこの番組は早々に見切っていた。翌年から『Gメン75』で同じような陣容で同じような芝居を繰り返していた倉田さんと楊斯だが、そのうちブームがそーっと日本から消えていくにしたがって倉田さんも活躍の場を香港やら台湾に戻していった。
先日、久しぶりにこの作品を観直して見たのだが、やっぱりこれはヒドイわ。歌とかいろんな事で笑えはするけど、空手映画であの頃燃えた、あの興奮はやはりどこにも無いな。

なお、この作品は、同年、香港で倉田さんも知らない間に90分に再編集され『神拳飛龍 The Fighting Dragon』という劇場映画となって公開されていたという。


今回気がついたのだが、当時流行りのああいうパンツを履く為にか二人ともやたらと高いヒールのブーツを履いているのである。危ない!と思わず叫んでしまった。あれで、格闘シーンのスタントやっているのである。恐ろしい事ではないか。ひやひやしながら観る事になる。うーん、こういうのを危険を顧みない撮影、と言うのだな、と。
以下、倉田さんの靴と梁小龍の靴を良く見て欲しい!
でも、やっぱり全盛期の倉田さんを観れるのは嬉しいし資料としても貴重なものだからして今日も私はこれを観るのである!

そして、こういうレコードも聴くのである。主題歌は子門正人が名調子で唸り唄う名曲である。そして、予告編が終わった後にさらにしつこく流れる倉田さん自らの『ロンリー・ドラゴン』。これは凄いぞ。歌詞も悶絶ものなのだが(意味が良く判らない)、このド外れたヘタぶり!いいなぁ、気は優しくて力持ちで歌が下手だなんて...!やっぱりこの人は良い人だ!