『もののけ姫』
(1997-日本)
なんとまぁ壮大な長い映画であることよ。この満腹感はちょっとしたものである。
こういうメッセージに満ち溢れた一作は観終わった後に一生懸
命何かを考えなければならない、という使命感がつきものなのだが、まぁ、いいよね。今回は難しい事考えないで素直に凄かった、と思っておこう。
さて、なぜこの作品を観たくなっていたかと言うと、先々週くらいだったか光が丘公園へわんこと車でお散歩にお出かけしたところ、その一角で犬のコミュニティ(正確には犬とそ
の飼い主のコミュニティ)に出くわした。当然その場で一緒に遊ばせてもらっているうちにうちのわんこに向かって定番の質問が出る。
「なんていう種類ですか?」
よく判らない雑種なんですよぉ、と答えつつ「でも父親が不明なのでどういう血統を持つのか判らないんです」と言うと、いつもその場でいろんな人がいろいろ推察してくれる。コーギー
?ゴールデン・レトリーバー?スピッツ?パピヨン?とかいろいろ言われるのだがこの日一番面白かった発言が女の子の言ったこれだった。
「なんか『もののけ姫』の犬みたい」
そうか。これだったのだ。私自身もどこかで見た顔かたちだなぁ、と思いながらも気が付かなかった。まさにその通りのような気がしてきたのである。これは、早速調査せねば、とそんな理由でこの作品を観るに至った。






全編に自然に挑戦するかのような生き様を持つキャラクターと自然そのものの代表とが絡み合う。ひとつひとつに歴史的な講釈でも付けなければ気が済まないよ
うなその風格が圧倒的な重厚さを醸し出す。ほんと世界に通用するようなアニメーションというレベルをとっくに通り過ぎているな、と思わす。この長さ(150分)をいっきに見せてしまう。すべてのキャラクタ
ーが古代日本の実際の姿である、なんて事を訊いた海外の観客はさらにこの作品を尊敬する事だろう。
お子様をまったく意識しないようなアニメーションは基本的に尊敬はしている。私が嫌いなのはアニメ・ファンを意識したようなアニメーションなのだ
。その偏見が高じてたまにしか観る事は無いが、この作品の力量はたいしたものだと思う。全米公開に当たっては暴力描写から「PG-13」にレイティングされたのがその品格を物語る。
ラストの絵が実に秀逸である。新しい森がまた幾千もの木霊を生むのかどうか....遠慮がちに一人佇む木霊は行く末を考えているかのような......
けどなぁ、愛着は湧くのだが、それではあなたもう一度観るか、と言われるとねぇ....