東海自然歩道      2012年9月21日 完歩

東海自然歩道を完歩しようと意識しないで自宅近郊の東海自然歩道を何度か歩いているうちに、「完歩を狙うか!」と
いう気持ちが芽生えてきた。しかし、北丹沢や西丹沢は相当な難所で山中泊が一般的である。山小屋を利用したのは富士山だけで
避難小屋やテント泊の経験は全くない。その分、入念な情報収集と細心の計画立案を行い、北丹沢を日帰りで無事に歩くことができた。
これで少し自信がついたので、本気で完歩を目指すことにした。

東海自然歩道の33日の全行程を一覧に整理しました。

2012年9月21日 通算33日目に箕面に到着する。
全行程の軌跡はこちらです。
思い返せばいろいろなことがあった。
登山経験がなく地形図の見方も知らず、見よう見まねの装備で始めた旅である。テント泊の装備を持つだけの体力的な 自信がなかったので、すべて宿の世話になった。当然、歩行距離も延びる。
継歩しながら、数日間の旅を繰り返したわけだが、とにかくアクセスが不便なのと近くに宿が少ないため、計画段階で 苦労した。
しかし、それはぶつぶつ言いながらも結構楽しい時間潰しだった気がする。
東海自然歩道とは名ばかりで、全く海に近づくことはないコースである。東山自然歩道と言いたい。
晴れた日ばかりではない、灼熱の日もあり、土砂降りの日もあった。
炎天下で体力が奪われていた時に、民家の人から、ビニール袋に入れた氷をいただいた時はありがたかった。
ずぶ濡れのまま、宿に着き、温かいお風呂に入った時も格別であった。
足取りの軽い時、息を弾ませながら登る時、膝をかばいながら下る時、みんな楽しい思い出である。
道路標識や通行止めの表示にも多くの思い出がある。自分のミスもある。紛らわしい表示もある。見つけにくい所にある標識もある。間違っている表示もある。標識が欲しい地点にないこともある。
自分が進んでいる道は正しいのだろうかと言う不安は常に付きまとっていた。
そんな時、見慣れた東海自然歩道の標識が視界に入ると、たちまち意気揚々となってくる。
山中で道を間違えて、戻ったこともあった。ヒルにやられたこともあった。熊が出たらどうしようと悩んだ道もあった。罠にかかった小鹿のさびしそうな表情も忘れられない。
素晴らしい渓流の中で、誰も通らないので平気で裸になって水風呂を楽しんだこともあった。
東海自然歩道は人と出会うことが本当に少ない。それだけに人恋しくなり、人と出会うと嬉しくもなる。
キノコ採りの人、近場のハイキングに来ている人、登山のトレーニングコースにしている人、猿投山の登頂回数を競う会の人、百名山をクリアした人、毎年のようにヒマラヤのトレッキングに行く人、野宿で空腹だと食料を乞う人などいろいろである。
ともかく33日間、一つの旅を終えた。旅は多くのことを教えてくれる。
やはり、しめくくりは『良いことは おかげさま。 悪いことは 身から出た錆!』である。

1日目 10年4月8日  自宅〜高尾山〜石老山入り口〜プラスα
 この時は東海自然歩道の完歩を意識せず、関東不動霊場の高尾山を自宅から参拝しようとした時の記録である。高尾山の帰路は東海道自然歩道を利用した。 
2日目 11年6月9日 石老山入り口〜焼山入り口〜プラスα 
この時もまだ東海自然歩道の完歩を意識していなかった。丹沢のハイキングのつもりで石老山から石砂山を歩いた。 
3日目    11年7月2日 焼山〜大滝橋登山口  
初めて東海自然歩道の完歩を意識して、今回の北丹沢と次回の西丹沢をクリアすれば、実現可能性は高まると信じ、計画を立て、北丹沢をクリアした。30年くらい前に焼山から神の川ヒュッテまでは歩いたことがある。今回、改めて難コースを実感した。特に『風巻の尾根』 から『神の川』までの下りは何度か滑りながらの降下であった。
7月3日は北丹沢山岳12時間耐久レースが、この山中で繰り広げられる。こんな所を走って競争するとは信じられない。 
4日目 11年7月16日 大滝橋登山口〜平野 
前日に予約しておいたタクシーで大滝橋登山口に着く。夜明け前の4時である。少し丹念にストレッチをした後、熱い缶コーヒーを飲んで、懐中電灯で照らしながらおもむろに歩きだす。
5:15 一軒屋小屋、6:39 畦ヶ丸小屋、8:09 城ヶ尾 峠に到着。ここまで来ると、緊急時は計画変更して道志道にエスケープできるのでひと安心である。
9:25 菰釣避難小屋、10:00 菰釣山頂に到着。避難小屋から距離にして800m位と思ったが疲れを感じた。霞んでいるが富士山がはっきりと見えた。快晴ならばと天候を嘆く。混雑時にはこの狭い山頂に50人くらいが集まると言われており驚いた。ここ1379mが本日の最高峰だが、ゴールまでにいくつもピークを越えなければならない。
10:39 ブナの丸、11:02 油沢ノ頭、11:18 樅ノ木沢の頭、11:38 西沢ノ頭、12:03 石保土山、12:35 山伏峠分岐を通過。残るは高指山だけだが、疲れた体力には、かなり堪える登りである。
13:36 高指山山頂に到着。ここで山中湖や平野の多くのグランドを眺めながら遅い昼食を摂る。
東海自然歩道は三国峠に向かう道と平野へ向かう道に分岐する。その分岐標識迄は、きわめて順調に不安も感じなかったが、この後は踏み跡のない草原をしばらく歩くうちに、どこが自然歩道かわからなくなる。GPSに入れたルートを頼りに適当に歩くうちに東海自然歩道の標識が見つかり、ほっとする。山中ではないので不安はないが、できれば東海自然歩道のルートを歩きたい思いがあるので、少しいらだった。
14:55 本日のゴールである平野バス停と大平山コースの分岐点に到着。
5日目 11年7月17日 平野〜大田和     
今日はショートコースであるが、前日の疲れもないので朝食を断り、近くのコンビニでカップラーメンを食べた後、5時に歩き始める。予定では宿で朝食用のおにぎりを作ってもらい6:30に出発予定だったから1時間30分の繰り上げスタートである。
5:54 平尾山、6:25 大平山に到着。どちらも見通しがよく、富士山がはっきりと見える。一人で眺めるにはもったいなく、誰かに知らせたくて、思わず自宅に電話をする。(受け取る方は迷惑な話であろう)山頂をつなぐ尾根も樹林のトンネルであったり、日差しを浴びる開放的な所もあったり、素晴らしいコースである。
7:18 山中湖花の都公園に到着。まだ早朝と言えるのに、カメラマンが多数押しかけて撮影をしていた。
何度も歩いているハリモミ純林や忍野八海を過ぎ、富士吉田に向かうが、標識通り進むと東海自然歩道は忍野八海を散策せずに接するように通り過ぎてしまう。
10:17 ビジターセンターに立ち寄り、山梨県内の東海自然歩道コースマップを入手しようとしたが、山梨県では作成していないとのことである。代わりに東海自然歩道を明記したエリアガイドマップを貰った。バスの時刻も親切に調べてもらいありがたかった。
10:47 以前に訪れたことのある河口湖ステラシアターの近くを通り過ぎ、11:43 大田和バス停に到着。
6日目 11年8月12日 大田和〜猪之頭     
今回は初めてマイカーでアクセスした。大田和公民館に駐車して猪之頭まで東海自然歩道を歩き、バスで大田和迄戻る。その後は帰宅するもよし、車中泊もよし、宿に泊まるもよしと、かなり自由度が高い。実際には富士宮市の富嶽温泉 花の湯に部屋が取れたので1時間近く、かけて移動した。
5:47 大田和公民館を出発。足和田山への登山口が見つからない。少し離れた場所で農作業をする人に尋ねると、少し戻ったすぐそこだよを話してくれるが、それがみつからず、同じ場所に戻ってしまう。しつこく気のも迷惑なので、表示は出ていないが、はっきりした道があるので、それを歩くことにした。途中から明らかにハイキング道ではないとわかるが、しっかりした踏み跡があちこちにある。おそらく何人もの人が道を間違えたのであろう。正しい道を探すのをあきらめ、踏み跡を参考に自力で足和田山を目指した。6:49 東海自然歩道とは書いていないが道標に着く。しっかりとした道で、とりあえずひと安心である。さらに大嵐からの道と合流し、7:11に足和田山(五湖台)に到着。
下界はさぞかし暑かろうと思われるが、快適な木陰をどんどん歩き、西湖が望める三湖台に到着。7:50
紅葉台を経て、国道を横切ると青木ヶ原樹海である。鳴沢氷結や風穴を過ぎると人の気配はなくなるが、すぐそばを並行して国道を走っていて、車の騒音や時折、車が見え隠れする。平坦な道なので大変歩きやすいし、道に迷う心配もない。ところが原生林を抜けて車道に出ると、道標は車道を横切って直進で、精進湖となっているが、どう見ても直進できる道はない。やむ得ず右折して並行する国道を5分くらい歩くと、左折できる車道がみつかる。感覚的にはこっちにあるはず、進むの一分もしないで自然歩道の道標が見つかる。本巣城址の標識があるが、だいぶ寄り道になりそうなので、本栖湖を目指す。湖畔や駐車場は多くの人でにぎわっているが、ここでも道がわからなくなる。売店で聞いてもなかなかはっきりしない。キャンプ場を抜けるらしいことはわかったので、そのようにする。キャンプ場の中にあった売店で再び、尋ねると、竜ヶ岳の登山口はそこだけど、自然歩道はわからないと言われる。店の知り合いの人を紹介してくれた。彼に教わり、先に進むことができた。ネットの噂で山梨県の道標の不評は知っていたが、まさしくと一人納得した。
12:35 県境の割石峠を通過。ホッとする。次の通過点目安となるA沢貯水地へ道標が出てきた。静岡県の道標である。距離が表示してあるので山梨県とは違い安心して歩ける。とりわけ、この日は富士急バスで大田和に戻らなければならない。バス便は非常に限られている。猪之頭入口で16:50、それを逃すと最終は18:50である。
13:40 根原のつり橋、15:04 麓のつり橋を通過。どちらのつり橋も良く揺れる。疲れていたためかしれないが、少し気分が悪くなった。
15:41 猪之頭中学に到着。予定よりかなり早く到着したので、田貫湖まで行きたいところだが、バス便や次回のアクセスを考えれば、ここで終了するしかない。
バスが10分以上も遅れたので、思わず時刻表に記載の営業所に電話をする。遅れていますが、ちゃんと運行していると聞き、ひと安心する。
7日目 11年8月29日  猪之頭〜富栄橋    
4:57 前泊した民宿を出発。朝焼けの富士山や陣馬の滝は肉眼ではすばらしいのだが、カメラでは明るさ不足でいまひとつなのが残念である。芝川に流れ込む沢であろう。渡りやすいようにコンクリート製の足場が作られている。静岡県は道標も道もよく整備されていてもありがたい。
6:04 田貫湖そばから急な登山道になる。7:36 長者ヶ岳に到着。本日の最高地点ではあるが、一旦佐野川まで下って再び思親山を越えなければならないので、天子ヶ岳への寄り道は断念した。何せ山梨県の道標はネットでも不評なので、早く下界に下りたい。
9:38 佐野川を横断。10:49 珍しく整備された丸太の土留め階段がいやになるほど続く。自然に鎖を頼って歩く。12:23 思親山の到着。天気がよければ佐野峠も思親山も眺望がすばらしいと麓であったおばあさんが言っていた。雨こそ降っていないが、本日はあいにくである。
14:07 八木沢峠を通過。一安心である。 14:35 身延線の井出駅を通過。15:00 富栄橋を通過。今夜の宿は福士川沿いなので、自然道を離れ、買い物をしながら15:46に宿に到着する。
  
これから山梨県に入る。       あるだけ良い。ないのが困る。     いやになる階段。
8日目 11年8月30日 富栄橋〜河内  
4:31 宿を出発。4:52 富栄橋に到着。ここから東海自然歩道に入る。真篠からひと山越えて、鯨野へ、さらにひと山越えて徳間へ到着したのが、8:16である。この徳野から寺尾島がモデルコースの興津川コース(440分)なので、時間的には十分に余裕ができた。しかし山梨県を抜ける田代峠までは、道標に不安を抱えているので、ストレスを感じる。
10:35 林道脇に見落としそうな応急的な紙をラミネートした道案内を発見する。田代峠の方向を指示しているだけである。周辺に東海自然歩道の標識はない。道なりに直進すべきか、誰が掲示したかわからないこの道標に従うべきかかなり迷った。東海自然歩道を外れるかもしれないが、田代峠には行けるだろうと、山梨県よりも誰かわからない人を信じることにした。少し歩くうちに東海自然歩道の道標が出てきて、安心する。
11:32 田代峠に到着。峠は静岡県の管轄である。道標が非常に親切である。目的地までの距離や時間が必要に応じて表示されている。
11:55 名前は覚えていないが大岩を前にした公園でひと休みをする。初めて山蛭にやられたので靴を脱いでチェックをする。見つけたのは一匹だがやられたような血が三ヶ所あった。2枚重ね履きしている靴下の上から血を吸ったのであろう。靴下の血痕が一円硬貨ほどにしかも赤黒く浸みていた。
12:49 興津川源流の岩場で素裸になり、水風呂に入る。暑さしのぎと、どこかに蛭がついていないかを確認するためである。
13:17 軍艦岩を通過。 13:50 大岩の上に火の見櫓そばには常夜燈がある珍しい光景に驚く。
14:14 東海自然歩道の標識がある分岐点で、『寺尾島はこちらでいいですか?』と工事中の人に尋ねたら、『寺尾島はその川の向こうだよ』と返ってきた。『すいません。バス停はどっちになりますか?』と聞くと、『バス停ならばまっすぐだよ。東海自然歩道は旧道でバス停はないよ』と教えられた。教えられたとおり歩いていくとバス停はあったが、寺尾島ではなく河内であった。仕方ないので、ここからバスに乗ることにした。標識どおり歩いておれば、旧道と新道が合流した後寺尾島バス停に行けたのである。旧道にはバス停がないので教えてくれた人に間違いはない。私が『寺尾島バス停は?』と聞かなかったのがミスである。
  
  
9日目 11年9月16日 河内〜足久保  
沼津に前泊して、JRで興津駅へ、但沼車庫行きで終点で大平行きに乗り換え、河内に下車する。
大平行きの始発バス7:09に乗り遅れたら次は10:05までないため、前泊を選択した。
7:42歩き始めて8:12寺尾島を通過。前回はここまで歩きたかったが勘違いして河内で終えてしまった。
興津駅で調達予定だった食料品は店がなく、期待してきた西里温泉も開業前で人がいない。
8:30 食事処笑味が開店していたが、弁当はこれから作るので時間がかかるとのこと。諦めてできたての大福餅3個入りを買って出発する。食料品はいろいろ持ち合わせているので不安はないが、やはりご飯が食べたい。
9:25 黒川沿いから竜爪山目指して山道に入る。
10:15 穂積神社に到着。本日の無事をお願いするのが一般的だが、私は基本的には、お願いするよりも、ここまでこれたことの感謝をするようにしている。先に到着していた地元のハイカーと少し話をした後、暖かい大福餅を2個食べながら休憩する。
今年の夏にこのあたりで行方不明になった男性の捜索願にチラシは各所に張ってある。
11:07 本日の最高地点薬師岳を通過。 11:23 文殊岳に到着。頂上では単独行と見えた先ほどのハイカーが仲間3人で昼食を摂っていた。富士山も三保も見えたが、かすんでいるのが残念である。ここでも少し話しをした後、牛妻へ向かう。
13:07安倍川や茶畑が眼下に見える。13:35 曙橋(牛妻)を通過する。山を越えても箕面に近づいている実感はしないが、大きな川を越えるごとに、手応えを感じるとともに次を目指したくなる。やはり山名は日常生活には密着していないのに対し、川名は頻繁に接するので距離感がわかるのだろう。
  
本日の宿泊地は油山峠を越えた先である。たいした高度ではないがゴールに近づくと精神的な安堵感から疲れが出てくるのが常である。多くのハイカーが油山温泉に宿泊するのを羨ましく思いながら、14:25 油山峠を目指して山道に入る。
途中に木材伐採のため迂回路を進むが、随所に案内があり比較的安心して歩けた。
15:08 油山峠を通過。峠を下る途中にツアーで東海自然歩道を歩いている10数人の一行に追いつく。なぜか箕面から高尾に向かっているのに、今日は曙橋から歩き始めたと言う。私はゴールが近いので追い越さなくても良いつもりでいたが、「先へどうぞ」と言う。メンバーの多くは道は狭いのでもう少し広いところでと口々に言っており、私も当然と思った。しかし、ガイドは強引に私を前に行かせる。しかも「さあー通れ」と言わんばかりに横柄な態度で狭い道に突っ立っていた。
15:39 立派なリゾートホテル鈴桃に到着。すぐに入浴して早めの夕食を6時に依頼した。
和風会席の素晴らしい料理に大感激でした。  
10日目 11年9月17日 足久保〜蔵田・大久保  
4:05 宿を出発する。3:30にはなかったのにフロントにおにぎりの包みが置いてある。これまでの宿は前夜に作って渡してくれるのに、わざわざ当日に早起きして作ってくれたのである。しかも靴を履いて出かけようとしたときお上さんが出てきて気をつけていってくださいと声を掛けてくれた。料理もおいしかったけど暖かい応対にいっそう感激である。雨の中の出立だが元気付けられた。
4:38 谷沢で道標に従って大山に向かって分岐する。しかし歩いていると分岐している感じがせず道なりに進んでいるように思う。そのため私は分岐しているにもかかわらずまだ、分岐点が見つからないと錯覚して1Km進んだところで一旦戻り分岐点を見つけようと慎重に歩きなおして分岐が見つからないので不安なままそのまま進んだ。5:30 自然歩道の標識が出てきて、やっと安心して歩き始める。5:45 雨が激しくなる中、山道へと入って行く。道が狭かったり勾配がきつかったり滑りそうなところがあったり、しながら7:39 大山山頂を通過。雨の中見晴らしはまったくなし。NTTのアンテナ設備の横を通り、早々と先を急ぐ。すぐに林道に出て延々と下る。この途中でカメラが動作不能になり、坂本姫の記念碑を撮影できなかった。寺島、市ノ瀬の集落を過ぎて山道に入る。雨がますます激しくなったので、車道を歩いて藁科川に沿って下り、黒俣川沿いに久能尾へ出ることも考えたが、時間も早いし寺島〜久能尾のコースタイムが105分となっていたので、正規ルートを進んだ。しかし、この区間は標識が十分とは言えない。どっちに進むべきか迷うところが何ヶ所もあった。私も正規ルートから離れてしまった。しかし道ははっきりしているのでなかなかコースアウトに気づかない。しかし眼下が良く見えて茶畑や黒俣川沿いの県道が間近に見えるので、県道を目指して適当に下った。
10:50 県道に合流。100m先に正規の合流点があった。
11:12 久能尾に到着。蔵田地内の土砂崩れで通行止めの表示がある。そばのガソリンスタンドで聞いても、どこが現場かもわからないので、人が通れるかどうかはわからないと言う。静岡県から入手したパンフレット見ていろいろ電話をするが、あいにくの土曜日で役所は電話に出てくれない。今夜宿泊予定のキャンプ場に電話をして尋ねる。断言しないが「人は通れるでしょう」と言う。
この先はずっと車道であり、いざと言うときは清笹峠を通過する車に乗せて貰い戻る作戦を取り、思い切って進むことにした。
12:15 坂野あたりから急に勾配がきつくなる。
13:24 清笹峠を通過。 13:57 車道の分岐点。やはり通行止めの表示。しかし理由は土砂崩れから路肩弱しに変わっていた。さらに宇嶺の滝駐車場までは通行できると表示されている。路肩が弱いくらいならば人の歩行は可能と判断し、先に進む。
15:03 宇嶺の滝に到着。カメラが壊れたので携帯で写真を撮る。
いよいよ通行止めである。バイク、軽車両、歩行者も通行できないと表示されている。強引に先へ進む。段差が60cm、幅が30cm位の大きな亀裂が道路いっぱいに入っている。さすがに車両は通れない。しかし自然歩道を歩くような人ならば、気をつければ確実に歩ける。その先にもう一ヶ所道路の損壊箇所があったが、こちらはもっと軽微なものである。反対側にも通行止めの表示があった。こちらには歩行者も通行できないとは表示されていない。いい加減な標識である。
15:32 蔵田に到着。傍の店で大久保キャンプ場への道を確認する。店のおばさんに「朝から雨だとわかっているのに、よく山から下りてきたな」とあきれ顔で話された。雨水が川のように流れるなかを3Kmほど歩く。
16:16 キャンプ場に到着。手続きの後、早速テント内で着替えである。 
11日目 11年9月18日 大久保・蔵田〜家山   
4:18 キャンプ場を出発。昨日は雨水が川のように流れていた道はすっかり排水されてこことよく歩ける。東海自然歩道までは3Kmだが足慣らしの上りである。
4:56 東海自然歩道に合流。ここから高根白山神社の参堂だが、かなりの勾配である。5:49 神社に到着。これより高根山はさらに勾配がきつくなる。6:21 高根山に到着。頂上の見晴らしは良くないが、尾根の下り道は緩やかで見晴らしもよく快適である。
7:27 西向集落の吊橋を通過。今日は高根山を越えれば下るだけの楽なコースと思っていたが、吊橋のあと笑い仏まで再び勾配がきつくなる。
8:23 笑い仏を通過。笑い仏と言われる石仏、地元中学生の登頂記念がある。地元中学生が登頂記念を残すぐらいだから、地元では厳しい山なのであろう。山道を降り、茶畑を縫い、身成川までは厳しい下り勾配である。途中、気のせいかSLの汽笛が聞こえたような気がする。
9:33 身成川を越え、集落に入る。地元の人と朝の挨拶をしてしばらく話しをする。川根温泉は良いところだから寄って行きなとしきりに勧めてくれる。少し進んだところで手ごろな場所があったので、雨支度を解いてシャツも着替えてさっぱりする。
安部川に向かって延々と車道を歩く。11:00 川根温泉への分岐点に出る。コンビニの看板を見つけ、特に買うものもないのに、なぜか吸い込まれるように店内に入り、トイレを借りた後、アイスキャンデーを買って食べる。
川根温泉には寄らず、駿遠橋を渡り家山駅に向かう。大井川を越え、駿河から遠州に入った。」川を越えるたびに箕面へ近づく。橋を渡り終えたところで、金谷方面行きの列車が見えた。残念だが、諦めるしかない。
11:26 家山駅に到着。SL列車に乗る人、写真を撮る人、孫や子どもを連れた人々が目立つ。 
 
12日目 11年10月15日 家山〜秋葉山  
4:08 雨支度にヘッドライトをつけて、雨中の日の出前ウオークである。宿の玄関先には半紙に毛筆で書かれた達筆のメッセージがお弁当に添えられていた。朝食と昼食の2食分を用意してあった。私は朝食の代わりにお弁当をお願いしただけなのに、ありがたいことである。足元はしっかりしており、ヘッドライトをつけて快調に歩く。野守の池を一周して家山川沿いに歩いた後、川を越えた辺りから登りが急になる感じである。
7:42 金剛院に到着。小降りになったとはいえ、カメラには水滴がつく状態でうまく撮影できない。
8:02 平松峠を通過。鳥居沢山に向かう途中、8:30頃、林道に出たところに大きな案内板や標識がある。ここで林道と山道が平行していてどちらを指標が指しているかわからない。当然山道だと思い、数m進むと木で明らかに進行を阻止するように櫓状に組まれている。引き返して林道を進むことにした。各所に崩落して車は通行不能だが、人は歩行できるようになっているので、どんどん進んだ。そして最後はどうにもこうにも道がなくなった。諦めて引き返す。このミスで往復30分のロスを発生。鳥居沢山山頂の標識は特に気づかなかったが、きつい下り坂の途中に春埜山奥の院を通過したのが、10:15。
10:45 大光寺分岐。春埜山経由で大時公民館へ11:50。少し進んだ所の休憩所で昼食。二食分あるので半食分を残す。おかずも不要と言っておいたが、しっかりとおかずも入っており感謝である。しかも二食で違うおかずになっている。
13:33 新宮池に到着。一組の観光客がいただけである。
14:49 若身橋に到着。今夜の宿はここから約800m上流である。宿へは向かわず犬居城跡を経て秋葉神社下社まで進むことにした。一日歩いて体力を使っており、今日のゴールも近く精神的にも安堵があるためだろうか、標高差150mの犬居城は思いのほかきつかった。15:33に到着。犬居城跡から雨上がりの小学校と気田川が美しかった。
半食を食べながら、駄目元で宿に送迎を依頼したら、快諾され、下社に着いたら連絡することになった。現金なもので足取りは軽くなり下社には16:17に到着した。下社前には予約を断られた旅館がある。しかし、それらしいお客がいるように思えない。後でわかったことだが、東海自然歩道の客は泊めないそうである。そういえば、予約のときに一人と言ったとたんに声音が変わったのが印象に残っている。
 
13日目 11年10月16日 秋葉山〜三河大野 
今日の道中は長いし、継歩点の下社までは一般道だし、その後も秋葉山の参詣道だから、少し長い夜明け前ウオークをすることにした。3:13 まだ雨が降り、真っ暗な中を宿を出発する。3:48 下社に到着。昨日は犬居城跡経由だったので疲れたが、今日は朝一番で、平地なので何の苦痛もない。
6:30 秋葉神社に到着。雨も上がり、実にすがすがしい。それにしても標高差700m以上を一気に登るこの参詣道はきつかった。8:16 秋葉ダムのある西川に到着。下りも標高差700m以上を一気に下った。
次は県境を目指して気合を入れる。市ノ瀬から山に入り、知らないうちに天竜美林の中を歩いている。
9:53 石打休憩所で朝食を摂る。ヒラシロ遺跡を通過して11:55 クンマ水車の里に出る。隣接する中学校の体育祭のにぎやかな音が周囲にこだましていた。緩やかな登りだが、天竜美林が続く。
13:26 ついに静岡・愛知県境に到達。割石峠から静岡に入り、途中山梨県を再度経て、ここまで実に長かった。いろいろなことが思い起こされるが、静岡県に親しみや愛着を感じるようになったのは不思議である。
県境からは緩やかな下りが続く。
15:11 阿寺の七滝に到着。特に案内はなかったが、台風被害で道はかなり荒れている。倒木を乗り越えながら、歩きやすい道に出たら、そこには七滝方面は通行不能の表示があった。
16:55 三河大野駅の直前で。目の前に今宵の宿があった。
14日目 11年10月17日 三河大野〜四谷  
 4:18 女将さんに見送られて宿を出る。宇連川を越え、小さな沢の吊橋を越え、行者越まできつい登りが続く。6:26通過。
6:32 東照宮に到着。はっきりと見やすい東海自然歩道の案内に従って進む。道はしっかりしているが何か変な気がする。鳳来寺から遠ざかっていくのである。しかし、通過する橋には東海自然歩道整備事業のプレートがついているし、東海自然歩道の道標も出てくる。鳳来寺からはますます遠ざかるが案内があるので、そのまま進むと7:57 鳳来寺山頂に出た。歩いてきた道は自然観察路になっていた。改めて愛知県発行のマップを見ると、東海自然歩道が本線と自然観察路の2種類表示されている。なぜかちょっと不快感を感じる。一旦、玖老勢峠へ下った後、棚山高原に向けて登る。結構きつい登りである。
10:22 気味の悪い廃墟となったキャンプ場を通過。
12:07 怪しげで信憑性が疑われる標識をいくつか通過して、宇連山山頂と仏坂峠に分岐に到達。宇連山山頂も東海自然歩道の表示になっているが、仏坂峠へ直行する。一気の下りと思いきや2つほど小さなピークがある。
14:14 仏坂峠を通過。
14:55 四谷集落に到着。民家でかしやげ峠から清崎バス停に出る道を尋ねるが、今は誰も通らないから行けるかどうかわからないと言われた。滝上バス停に出たほうが良いとのことである。とりあえずかしやげ峠まで行ってみますと言ってお礼を言った。
15:26 かしやげ峠に到着。清崎へ下る山道を探すが、かなり不安になったので、滝上に出ることにした。
途中、滝上へ出る道を確認したら、今から行くから乗ってけと軽トラックに便乗させて貰った。
バス停ではすぐ前の民家のおばあさんが出てきて、バスが来るまでたっぷり話しをした。
宇連山から岩古谷山への縦走は難所と聞いているので、2日に分けて田口に連泊する計画にした。
15日目 11年10月18日 四谷〜田口  
6:22 滝上バス停から四谷に向かう。昨日は軽トラックに便乗したが、今日は継歩地点まで歩かねばならない。おかげで四谷の棚田を満喫する朝の清々しい散歩となった。

7:49 かしやげ峠に到着。8:59 鞍掛山頂に到着。11:52 フィールドアスレチックのような橋や階段などをいくつも越えて岩古谷山山頂に到着。山頂は見晴し抜群だが、非常に狭いので安定した場所で昼食を摂る。山頂から300m下って、再び鹿島神社を目指して200m登る。かなりハードである。13:46 鹿島神社に到着。後は小松口から田口の宿に戻る。
15:25 田口の宿に帰る。
今回は連泊したおかげで荷物も軽くできたし、行程も短くでき、快適な山旅であった。
  
16日目 11年10月19日 田口〜足助 
3:40 宿を出発。夜明け前ウオークで真っ暗である。生活圏の道路を歩くのは何の不安もないが、松戸橋を越えると、完全は山道である。道を外さないように谷や沢に落ちないように足元を確かめ、かつ道標も見落とさないように慎重な上にも慎重に進む。
大名倉を過ぎると迂回表示もあるが、車だけなのか、人もなのかはっきりしない。迂回路が表示されていない一本道なので先へ進む。道は荒れてくるが夜が明けたので本線ルートを進む。
7:43 段戸湖のきららの里に到着。管理人といろいろと話をした後、寧比曽岳への道を確認して先に進む。
いろいろな木が植えられている森を快適に歩く。こんな道で山頂に行けるのか思うほど緩やかな道が約2時間続く。その後の30分は一気に100m以上の高度を登らなければならない。
10:14 寧比曽岳山頂に到着。下りは一気である。14:24 平勝寺を通過。今日のコースは30Km以上の長丁場で心配したが、夜明けウオークの甲斐もあり、集落についたのでひと安心である。
15:39 廃校になった小学校を活用した宿に到着。玄関先にはチェックインは4時からとなっていたので、そばのベンチで座って時間を過ごす。
   
17日目 11年10月20日 
4:17 宿を出発。香嵐渓あたりで夜明けを目指して歩き始める。宿のある椿立町から巴川までは300m位の高度差を下る。
5:42 三州足助屋敷に到着。少しペースが早すぎて丁度日の出の時間で、まだ薄暗い。香嵐渓から大国橋まで地元の人が朝の散策をしている。後から来たおばさんと話をしながらしばらく歩く。
地図は宿で見るだけで、道に迷ったり、進路に困ったときにしか見ない習慣になっており、通常は東海自然歩道の標識を頼りに歩いている。しかし、今日はそれがミスを招いた。
大国橋を渡って、標識が川沿いに直進を示しているので、安心して進むが一向に川から離れ峠へ向かう表示が出てこない。15分歩いて則定まで来てしまった。明らかにコースアウトしており大島まで戻るが、なかなか正規ルートが見つからない。大国橋からまもなくにあった直進標識まで戻る。きょろきょろして驚くべきことがあった。
直進表示は足元にあり、そこより6〜8m位のところに右折表示がある。しかも高さ2m位で、自販機と店舗の日よけテントの僅かな隙間からのぞける程度である。これは見落とさないほうが不思議である。あまりに悔しくて思わず2枚の写真を撮ってしまった。自販機の上とひさしの間に緑色の元山中の表示が見える。気を取り直して歩き始める。8:13。
 
9:52 千鳥寺を通過。10:37 勘八牧場に到着。売店があったり、飲食ができると思っていたが、そのようなものはなく、弁当を広げる気にもならず先に進む。
11:41 三河広瀬駅に到着。実在の駅と思いきや廃線になった元駅である。ちょっとした広場あり、レールやホームもあり、矢作川河畔であり、ここで弁当を広げゆっくりとする。
広瀬城址を経て、昭和の森に入る。各種のハイキングコースがあり、それらの標識と東海自然歩道の標識が混在して、歩きつらい。この辺りから迂回路が始まるはずだが、わからない。昭和の森の案内所で尋ねても、わからないとの回答である。困っていると東海自然歩道愛知県コースの地図を持ってきてくれた。しかも私が持っているものよりも古い版であった。やむなく自力で判断するしかない。 通行止めを示唆しているかのような車止めがあったが、強引に進んでいくと、いつしか結果的に迂回ルートを歩いてふかみ台団地に出る。14:56。

15:17 猿投神社に到着。参拝後、明日のルートを確認して、宿まで歩くが、これが結構長い。途中スーパーに寄り道して17:07 宿に着く。
18日目 11年10月21日 猿投神社〜定光寺  
昨日の継歩地点である猿投神社へ夜明けまでに着きたいので、4:30 宿を出発。道がわかっているのでペースは速く、5:28に神社に到着する。
今日のコースは海抜は低いがいくつものピークがある。最初で最大のピークが猿投山である。高度差は450m位で地元では人気の山のようである。
6時前だというのに前を歩いている二人組(夫婦)がいる。追いついて話しながらしばらく歩く。二人とも大きなリュックを背負っているので、もしかして同好の人かと思ったが、猿投山登頂の愛好家であった。定光寺までの情報を仕入れて、先に進む。今度は後ろから身軽ないでたちで追い越してくる人がいた。少し話をした後、今度はおいて行かれた。その後もひとり追いついてきて話をしながら歩いたが、おいて行かれた。山頂間近で最初に追い抜いて行った人が下りてきた。この人は用のない日は毎日、猿投山に登っているようで、山頂の看板の裏に登頂日を書けるようになっているので、ぜひ記録していってという。彼(遠藤さん?)が愛好家の幹事役のようである。
7:19 山頂に到着。天気も良く、素晴らしい見晴しである。後から追い抜いて行った人がベンチで食事をしていたので、私も一緒して朝食を摂る。
遠藤さんに言われた記帳場所を見つけたが、多数の人が記入していて割り込むスペースがない。欄外に小さく記帳する。

9:16 雲興寺に到着。標識がないのでお寺の人に確認して本堂の横から自然歩道に入る。『通行止め 東海自然歩道』と表記された看板が出る。これまで通行止めの表示はあっても誰が表示しているのか、人も通れないのか、はっきりしないので無謀にも無視してくることが多かった。しかし、今回は明確なので迂回することにした。
9:46 東海環状自動車道を通過。
10:34 岩屋堂に到着。
 
11:37 岩巣山分岐を通過。山ガールの恰好をして、キノコ採りをしている同年齢の人に会う。百名山を踏破したそうである。話が合ったのか、『もっと話をしたいが、急いでいるんですよね』言われ、『ええ』と答えて先を行く。
12:34 白岩の里を過ぎ、上半田川町に到着。のどかな田園風景の続く、道路傍の低い擁壁で昼食を摂る。
13:31 稚児橋を通過。
今回の旅のゴールが見えたせいか、ちょっと疲れが出た。定光寺まで小さなピークをいくつも越え14:58 中小企業大学校の敷地に入る。居合わせた職員らしき人に道を確認して定光寺へ向かう。
お寺には寄らず、定光寺川に沿って、駅へ向かう。
15:45 定光寺駅に到着。予定より2時間も早い。東海自然歩道の旅ではアクセスに新幹線を使わないことにしている。計画では名古屋から高速バスで帰宅予定だったが、この時間だと在来線で厚木まで帰れる。
19日目 11年12月12日 定光寺〜犬山公園  
6:30 定光寺駅前を出発する。かなりきつい急こう配を繰り返し、道樹山に8:46、弥勒山に9:21到着。
内津トンネルの近くにダムサイトに取り付けたような急階段を下る。愛知と岐阜の県境をしばらく歩いた後、春日井、小牧、犬山と緩やかに下り、入鹿池に到着。12:34。
14:52 善師野駅近くを通過。本日の計画ではここまでであったが、時間が早いので犬山遊園まで進むことにした。これが思いのほか時間がかかることとなった。
15:10 本コースト恵那コースの合流点を通過。16:03 寂光院を通過。盛りは過ぎたが紅葉の名所の面影を残していた。
16:48 犬山遊園駅に到着。犬山城は未達だが、事実上愛知県まで踏破した。
来春は箕面を目指して頑張りたい。
  
20日目 12年5月7日 犬山公園〜三田洞 20日〜22日(美濃1)のトラック再生や高低図、GPSログ解析結果
6:39 犬山遊園駅を出発。木曽川沿いに犬山城に向かう。7:12 ライン大橋から見る犬山城は美しい。

日乃出不動を経て各務原公園に向かうが、7:38 中山道を横断して徐々に高度を上げていく。
寒洞池、福祉の里を経て9:46に上須衛に着くが、この先の進路に悩む。岐阜県発行のコース地図では、東海自然歩道本線とモデルコース以外の東海自然歩道の進路を拡大図で表示しているが、両コースが入れ替わっているように思う。モデルコース以外の東海自然歩道を選択すると、権現山を眺めながら老洞峠を経て芥見へ出る。
R156を越えてから道は分りにくいが、11:32 千鳥橋を通過。千鳥橋から見る長良川は美しい。
橋を越えると間もなく、トンネル工事のため通行止看板があり、東海自然歩道は「ふれあいの森」経由を利用するように大看板がある。迂回路(茶色矢印で道は色なし)は道は歩きやすいが、道標もなく行き交う人もなく、非常に長いので不安になる。私道となっているが看板で水色表示のルート採るべきだった。
12:35 白山展望台で正規ルートと合流する。白山は見えているのか、見えていてもどれが白山やらわからない。

さらに100mほど高度を上げたら、一気に三田洞弘法まで急降下である。
13:57 三田洞バス停に到着。岐阜駅方面には頻繁にバスが出ていて、便利である。  
21日目 12年5月8日 三田洞〜華厳寺
7:37 三田洞バス停を出発。椿洞を越えて8:49 石谷集落に降りる。朝の散歩中と思われる老女に挨拶をしたら、「山から下りてきたのか?」、「これからどこへ行くの?」、「どこを通って行くの?」といろいろと質問された。行程表を見せると、しっかりと見て、雛倉や伊洞など山間部を通過することに驚いた後、「岐阜刑務所はあの山の向こうだよ」と親切に教えてもらう。
9:48 岐阜刑務所そばを通過。何やら威勢の良い掛け声が聞こえるが、何を言っているのかは聞き取れなかった。
10:37 奥の集落だろうか。立派な和風のお屋敷前を通過する。
11:28 鹿穴峠を通過して本巣市に入る。11:49 湯ノ古公園を通過する。明谷渓谷沿いに下り、12:27 R157を横断。道路脇の用水路に小電力発電装置があり、興味深く観察する。12:38 神海集落を通過。
根尾川に沿って北上し、岐礼から妙法ヶ岳を目指し西進する。
14:11 妙法ヶ岳と華厳寺の分岐点を通過。西国観音霊場も徒歩巡礼しているので、華厳寺へ向かう。
華厳寺を参拝後、門前を散策したのち、15:21 山門に近い宿に入る。
 昨日、今日と白山神社の多いことにびっくりである。 
 
22日目 12年5月9日 華厳寺〜東津汲&関ヶ原周辺  
4:53 宿を出発。華厳寺の満願堂を通り、西国33ヶ所の祠を巡りながら、5:39 奥ノ院を通過。
6:14 本日の最高地点である妙法ヶ岳に到着。この後、小さなのアップダウンを何度も繰り返しながら7:50 横蔵
寺旧蹟を通過。すぐと思っていた横蔵寺は意外と遠く、8:31 の到着である。拝観したかったが、10時からなの
で諦めて先に進む。

8:57 道路脇にこの先東海自然歩道通行止めの看板に出会う。期間も連絡先も書いてなく、道路は車も通れる状態
になっているので、無視して進む。
9:04 本格的な通行止めの看板が行く手を阻む。しばらく悩んだが、時間も早いし、天候も良いので、だめなら引
き返すつもりで進む。
9:47 下辻峠まで、何の異常もな見られず、無事に到着する。ここにも通行止めの看板がある。やはりしばらく悩
んだ末に先に進む。少し道は荒れていて、迷いやすい状態のところが時々ある。下辻谷砂防ダム直前の11:10〜11
:18は往復200mのルートミスをした。明るくて天候もよく視界がいいので、ルートミスにも気づきやすいし、正し
いルートの発見もしやすい。砂防ダムを過ぎるとすぐに車が通れる林道である。

10:44 小津集落を通過。11:00 小津トンネルの手前から旧道に入る。この道の方が通行止め区間より荒れていて
落石も多く不安を感じる。
11:27 久瀬ダムからつながる巨大な導水管の下を通過。直径3m位はあるようだ。
11:37 東津汲バス待合所に到着。揖斐駅に出るバスは13時過ぎまでない。宿で作ってもらったおにぎりをゆっくり味わって食べても、退屈である。農協の女性部がやっていると思われる観光土産店でコーヒーを飲んで時間を過ごす。  
22日目















































関ヶ原
12年5月9日 華厳寺〜東津汲&関ヶ原周辺  
4:53 宿を出発。華厳寺の満願堂を通り、西国33ヶ所の祠を巡りながら、5:39 奥ノ院を通過。
6:14 本日の最高地点である妙法ヶ岳に到着。

この後、小さなのアップダウンを何度も繰り返しながら7:50 横蔵寺旧蹟を通過。
すぐと思っていた横蔵寺は意外と遠く、8:31 の到着である。拝観したかったが、10時からなので諦めて先に進む。
8:57 道路脇にこの先東海自然歩道通行止めの看板に出会う。期間も連絡先も書いてなく、道路は車も通れる状態 になっているので、無視して進む。
9:04 本格的な通行止めの看板が行く手を阻む。しばらく悩んだが、時間も早いし、天候も良いので、だめなら引 き返すつもりで進む。
9:47 下辻峠まで、何の異常もな見られず、無事に到着する。ここにも通行止めの看板がある。やはりしばらく悩 んだ末に先に進む。少し道は荒れていて、迷いやすい状態のところが時々ある。下辻谷砂防ダム直前の11:10〜11:18は往復200mのルートミスをした。明るくて天候もよく視界がいいので、ルートミスにも気づきやすいし、正し
いルートの発見もしやすい。砂防ダムを過ぎるとすぐに車が通れる林道である。

10:44 小津集落を通過。11:00 小津トンネルの手前から旧道に入る。この道の方が通行止め区間より荒れていて 落石も多く不安を感じる。
11:27 久瀬ダムからつながる巨大な導水管の下を通過。直径3m位はあるようだ。

11:37 東津汲バス待合所に到着。揖斐駅に出るバスは13時過ぎまでない。宿で作ってもらったおにぎりをゆっくり味わって食べても、退屈である。農協の女性部がやっていると思われる観光土産店でコーヒーを飲んで時間を過ごす。

半日あるが、この先の鍋倉山コースは三大難所と言われる長丁場であり、しかも通行止めなので、一時スキップして関ヶ原に向かう。揖斐駅、大垣駅経由で関ヶ原駅に到着する。
14:26 関ヶ原駅前を出発。
岡山烽火場、最後の決戦地。三成の陣地を経て城山の山中を過ぎると、旧中仙道と合流する。見覚えのあるR21の歩道橋や藤古川、不破の関跡を過ぎるとすぐに松尾山への分岐点となる。16:35 今回の東海自然歩道歩きはここまでとして、関ヶ原駅に向かう。  
23日目 12年6月9日 東津汲〜関ヶ原     
4:10 宿を出発。橋を渡ってすぐ自然歩道の標識がある。日坂は右折でその先は鍋倉山である。
最新のWEB情報では鍋倉山は通行禁止になっている。いつもならば強行突破であるが、今回は雨が降っていることもあり、揖斐川の右岸を下って新丁バス停付近で合流する独自の迂回ルートを歩く。途中、通行止めで左岸に移動したが、渓谷美や歴史の里 白樫などを経由して自然歩道らしさを満喫できた。
7;19 瑞厳寺を示す標識で東海自然歩道に合流する。 
7;19 瑞厳寺を示す標識で東海自然歩道に合流する。瑞厳寺に寄った後、正規の自然歩道で養老を目指す。
8:46 霞間ヶ渓を通過。9:21 円興寺トンネルの手前から山道に入る。最初だけ急坂だが、9:49に円興寺に到着。
宿に入るまで気づかなかったが、この30分足らずの間に、山ビルにやられた。
10:17 国分寺に到着。資料館に併設の屋根のある大きな休憩所で早めの昼食を摂る。丁度山林作業者の10時の休憩と一緒になり、雑談をしながらの食事である。ほどなく観光バスの団体が休憩所に来て雨支度をする。聞いてみると中山道を歩くツアーで、体操の後、東に向かって歩いて行った。こんな遅い出発だと、今日のゴールは加納宿あたりだろう。私が反対の西に向かって進むと、私もツアーの仲間と思ったのか、こっちこっちと手招きをする人がいた。
13:00 竹中半兵衛陣屋を通過。13:37 伊富岐神社を通過。
14:26 烽火台近くの関ヶ原周回コースに合流。このコースは先日、歩いているので左折してふれあいセンターに向かう。14:38 ふれあいセンターに到着。雨支度を解いてゆっくりと館内見学をした後、最後陣地、東首塚経由で関ヶ原駅前の宿に到着。16:01。 とりあえずヒルにやられた両足の手当てをして、夕食まで一休みである。
24日目 12年6月10日 関ヶ原〜美濃津屋
3:53 宿を出発。4:24 関ヶ原周回コースと松尾山コースの分岐点に到着。5:07 松尾山山頂に到着。
6:02 平井集落を通過。今回の旅ではお寺がないのに鐘楼だけが残っているところを数か所出くわした。
今須川そして藤古川沿いの道を淡々と歩く。前方に車が土手から落ちているのが見える。放置車と思いきや、近づくに従ってエンジン音が聞こえてくる。自力脱出しようと頑張っていたのである。いくら四駆といっても無理な状態である。手助けに入るがとても二人では無理である。聞くところによると今朝、納車で引き取ってきたばかりだという。新車ではなさそうだが立派な外車である。しばらく付き合った後、先を急ぐ。
7;27 広瀬橋を渡って、間もなく養老町で山道に入る。集落に近い山なので、獣害防止の柵が多数あり、その開け閉めに閉口する。日本武尊ゆかりの桜井白鳥神社を過ぎて、龍泉寺跡、柏尾寺跡、養老の滝と小さなピークが続く。柏尾寺跡近くの千体仏にはびっくりする。自然歩道からは離れているが、養老の滝による。11:27 滝壺のすぐ近くでマイナスイオンを浴びながら昼食を食べる。

養老神社の前にある菊水泉に立ち寄った後、養老公園を経て、12:35 赤岩神社を通過。13:45 美濃津屋駅に到着。
ここから養老駅まで電車で移動してホテルに向かう。本日も山ヒルにやられた。
25日目 12年6月11日 美濃津屋〜湯の山     
三重県に入った途端に、道もよくなり標識も適正で歩いていて気持ちが良い。川原越が本日の最高地点と思ってい
たが、一旦少し下って200m近く登った地点が最高点であった。
9:49 北勢町川原集落を通過。10:27 巨大な変電所を通過。近くで作業をしていた人と挨拶をして、しばらく立ち 話をする。懐かしい三重弁である。良く工夫された三重県の東海自然歩道の標識を頼りに黙々と歩く。
13:00機関車の形をした駅舎の西藤原駅を通過。野尻、東藤原駅と順調に進むが、多志田川を越え、標識が紛らわ
しい。これまでの緑地に白抜きの標識ではなく、古いタイプの標識で、それに従うと同じ地点に戻ってしまうので
ある。GPSで確かめて進むと、みなれた標識が出てきてひと安心である。 
このあと、石槫北山地区でもコースを少し外れたが、近くにいた人に確認して、すぐに正規の道に復帰できた。
15:45 石部神社を過ぎて、自然歩道はR421を進むのだが、菰野町内の全コースが通行止めになっているので、独
自迂回ルートで進む。すなわちR306に並行する旧道で朝明川まで行き、その後はR306から離れて、千草、三重カ
ントリー、湯の山へと続く道を進んだ。
16:26 福王神社の一の鳥居と思われる地点を通過。大きな常夜燈がいくつか目立つ。菰野町は石の里だと初めて知
った。
17:56 陸軍廠舎跡を通過。四日市に3年住んでいたが、近くにこんな地点があるとは知らなかった。
 
18:36 見慣れた湯の山駅に到着。今日は大丈夫と思ったが、やはり山ヒルにやられた。靴下を濃い塩水で洗って乾かしたものを履いていたが、しっかり血を吸っていた。
26日目 12年7月19日 湯の山〜関ロッジ
ウオーカーにとって夜行バスは何とも重宝する。四日市に降り立ち、始発電車で湯の山駅に着いて5:53には歩き始めている。
湯の山駅からもみじ谷のコースも通行止めである。迂回コースも設定されていない不親切である。今回も自分なりに迂回コースを設定した。茶屋の上を経て金渓川に沿うような県道を歩き、大門池、三重県浄水場、スポーツレクレーションセンターを通過してもみじ谷で本コースに合流した。
自然が多くあり、地道もあり、十分自然を満喫できる。三重県はどうして迂回路として設定しないのだろうか?
災害や予算を口実に長期間、通行禁止のまま放置しているのは、三重県出身の者として恥ずかしい限りである。
7:23 久しぶりに見る東海自然歩道の標識に出会い、正規ルートに合流である。
8:29 椿大神社に到着。門前の店で腹ごしらえを考えていたが、まだ開店していない。
9:15 小岐須集落を通過するが、鈴峰鉱山であろう。石灰の切り出しで山はそのうちなくなりそうである。
11:10 坂本集落を通過。ここも食事はおろか、自販機もない。
新名神高速の下から石水渓に沿って県境になっている安楽峠を目指す。
渓谷美も美しいが、川原でバーベキューをやっているのが何とも羨ましい。予備で持ち合わせているパンやソーセージを食べながら歩く。
13:29 県境を通過。これまでいくつもの県境をクリアしてきたが、いつもそれなりの満足感か達成感を味わった。
しかし、今回はそんな感慨がない。それは一旦、滋賀県に入って、再び鈴鹿峠を越えて三重県に戻るコース設計のためであろう。
14:47 山女原集落の老婆に近くに自販機がないか尋ねると、「この辺は何にもないよ!」と返ってきた。
水は余裕があるが、とにかく何か違うものを飲みたかったのである。たっぷり汗をかいた風貌に見かねたのか、老婆は「氷をあげようか?」と言われる。好意に甘えることにしたら、老婆は家の奥に消えて、ご主人と何か話しているようだ。「昨日の人と同じ…」くらいまでしか聞き取れなかったが、同じようにお世話になっている人がいることが想像された。
ビニール袋にたっぷり入れてくれた氷を首筋に当てると忽ちに生き返った心地になった。冷えた血液が全身を巡るのであろう。弱っている腰もしゃんとした。
16:42 旧東海道と合流する。これより先、楢ノ木バス停まではすでに歩いた旧東海道とかぶっている。寄り道もなく急いで宿のある関まで急ごうとするが、疲労のためピッチは上がらない。
17:22 坂下宿で小さな店があり、ようやく自販機を見つけた。ところが500円硬貨も千円札も受け付けない。
両替をしてもらい、2本の飲料を一気に飲み干した。関ロッジまでは1時間弱と言われたが、実際には7Kmあって2時間弱かかり、チェックインしたのは19:16だった。
27日目 12年7月20日 関ロッジ〜紫香楽宮址
宿が遠かったので、3:46 歩き始め、4:30東海自然歩道に到達。
5:55 名前は不明だが今日最初のピークを通過する。かなり上り下りが急である。
雨が激しくなり、雨具を装着する。
蛇谷川に沿って下った後、出雲谷川に沿って二つ目のピークを目指す。こちらも急である。7:57通過。
不動滝を目指して、急勾配を下る。8:44 不動滝の案内板がある地点に到着。
不動の滝を過ぎて、手頃な水浴び所がいくつも出てくる。雨も上がり、青空が出てきたので、タイムスケジュールも順調なので、汗や雨に濡れた体を天然風呂で癒す。下着も着替えてさっぱりとして出発である。
10:32 ゾロ峠を通過。もう大丈夫と思われた雨に再び見舞われる。雨具を着けずに濡れるに任せる。
11:42 余野公園を通過。12:46 天神社を通過。13:52 伊勢廻寺を通過。
14:36 罠にかかったばかりと思われる鹿が逃げようとしきりに暴れている。時折、こちらに視線を向けるが、なんともやり切れない面持である。
上磯尾から岩尾池、新田、隼人橋、紫香楽宮跡のコースは100〜150m程度のピークが3つあり、予定以上に時間がかかった。
隼人橋からは新名神高速沿いの一般道と思っていた穴太衆積みの石垣を見た後、僅か100mだが相当に急な山越えに辟易とした。
18:38 紫香楽宮跡駅を通過。今夜の宿はコースからかなり離れているので到着遅れを連絡する。

18:56 東海自然歩道から離れて、2駅離れた勅旨の宿に向かう。途中からヘッドライトを付けての歩きである。
宿の近くまで来て、きょろきょろしていたら、私の灯りを見つけて、宿のご主人が迎えに来てくれた。
ありがたいことである。19:51 宿に到着。
山道込みの51.5Km、所要時間16:05、しかも天候は一時、雨で足は水膨れになる。
明日からは間違いなくペースダウンになる。
28日目 12年7月21日 紫香楽宮址〜石山駅    
3:12 宿が離れているので、いつもより早く歩き始める。
4:09 東海自然歩道に合流。田代集落を経て三筋の滝へは一部に地道はあるが、ライトさえあれば、ナイトウオークも可能な快適な道である。しかし、天候はいつ雨が降ってもおかしくない状況である。
6:09 三筋の滝を通過。ここから太神山の不動寺を目指して上りである。
7:31 不動寺到着。迎不動の標識が出てくるが、寄り道せずに直進する。
450mを一気に下る厳しいコースである。逆コースは想像しただけでウンザリする。
7:53 泣不動を通過。
9:15 枝の集落に入り、平坦な道で足の負担が楽になる。
10:06 瀬田川洗堰を通過。今にも雨が降りそうである。計画では大谷(逢坂山)まで歩いて、そこから浜大津に出て、宿を探すことになっている。
11:11 石山寺山門前で雨が激しくなる。躊躇せず本日はここまでとし、宿探しのため、石山駅の交番まで歩く。12:03到着。
各種浴場のある健康センターが瀬田駅の近くにあることを教えてもらい、電車で移動する。
ホテルも隣接しており、ホテルの宿泊者は温泉センターを無料で利用できるのである。
宿泊手続きだけしてチェックインができるまでは温泉でのんびり過ごす。
29日目 12年7月22日 瀬田駅〜大原
今日は音羽山、比叡山、仰木峠を越えなければならない。始発電車を待っている余裕はないので、2:53 ホテルから直接歩き出す。
4:05 東海自然歩道に合流。
6:34 濃霧の中を痛い足をかばいながら、黙々と歩き音羽山に到着。雲海を見るような景色にがっかり。
7:35 逢坂山の大谷陸橋を通過。この下は何度も車で通過したし、旧東海道でも歩いた地点である。
8:32 長等神社、8:41 三井寺通過。9:44 近江神宮通過。10:19 志賀の大仏通過。

覚悟の上とはいえ、痛んだ足には歩きにくい山道である。数日来の雨が流れる溝を歩くのである。
11:45 急勾配の丸太階段が続く。しかし、一段の高さと幅が丁度歩きやすくできており、負担を和らげてくれる。
千日回峰で有名な無道寺谷をたった一日でめげるわけにはいかないと言い聞かせながら一歩一歩進む。
13:39 視界が開け、ようやく琵琶湖を眺められる。13:43 延暦寺に到着。境内の食堂で昼食を摂り、売店で非常用のパンを2個購入して先を急ぐ。東海自然歩道のウオーカーは拝観や施設を利用しないことを前提で、無料で通行させてもらっている。奥比叡ドライブウェイに並行し、時折地下道で交差しながら横川中堂に向かう。15:54横川を通過。16:53 仰木峠を通過。後は大原の里に下るだけである。しかし、道は雨水の流れ道で決して歩きやすくはない。
18:09 大原の一つ手前のバス停梅の宮前で本日の終了とする。バスと地下鉄で京都市中のホテルへ向かう。
30日目 12年7月23日 大原〜二ノ瀬     
バスの始発が遅く、待ち時間が長かったので三条大橋のバス停で今日の計画変更を検討する。昨日、ホテルの救急用品で水膨れの手当てをしたが、今日は無理をせずに、早めに切り上げる予定を具体化した。
鞍馬か貴船か玄琢で終了することにした。バス停の近くに駅伝発祥の碑があり、ここがそのスタート地点だったそうだ。
梅の宮前に着いて歩き始めたのは7:31である。大原に宿を取りたかったが、民宿でもあまりに高額(2万円では泊まれない)だったので仕方ない。
しば漬けの産地だけに紫蘇畑が目立つ。のどかな大原の里を後に江文峠に向かう。住宅地の坂程度である。
静原の里を抜けて、鞍馬に向かう薬王坂は150mほどの高度差だが、痛んだ足には堪えた。
11:10 鞍馬寺を通過。大原や鞍馬の寺社は以前に参拝しており、今回は素通りである。
11:34貴船口駅に到着。東海自然歩道は貴船神社には寄らないコースだが、初めてなので参拝することにした。
神社までシャトルバスも出ているが、歩き旅に徹する。往復1時間20分を要した。
 

東海自然歩道は二ノ瀬駅近くから叡山電鉄線を離れ夜泣峠に向かう。
今回は二ノ瀬駅で終了することにした。
二ノ瀬駅の看板は頭上高くに見えているが、どこを通って行くのかわからない。近くにいた人に聞いたが地元の人ではなく、不確かである。道沿いに進むと駅からどんどん遠ざかる。引き返して民家の呼び鈴を押して、尋ねた。
親切に駅への登り口まで案内してくれた。それはハイキング道と思えるほどの細い階段であった。
列車の近づく音がするが足が痛いので走れず、あきらめながら登る。
13:25 幸なことに対向列車待ちで列車は停車中で間に合った。
京都タワーの浴場で旅の汗を流し、さっぱりして帰宅する。
31日目 12年9月19日 二ノ瀬〜沓掛
6:58 二ノ瀬駅を歩き始める。7:35 夜泣峠を通過。
8:32 上賀茂神社への分岐点を通過。ここからはしばらく市街地で常照寺、源光庵、光悦寺を経て、急勾配の長坂を下
り、すぐに200mを登り返す。おそらくここが釈迦谷であろう。

10:26 ピークを通過。11:03 清滝川に出る。この辺りは杉が美しい杉の里である。
12:00 紅葉の時期に訪ねたことのある神護寺の参道入口前を通過。
13:33 保津峡の遊覧船や鉄橋が見える。 13:50 愛宕神社を通過。

念仏寺、二尊院など観光客が多い道を歩きながら、14:40 渡月橋を通過。
15:16 松尾大社を通過。鳥居には勧請掛がある。
16:57 桓武天皇御母堂陵参道前を通過。
17:07 山陰街道沓掛近くで投宿。
 
32日目 12年9月20日 沓掛〜忍頂寺
3:14 夜明け前にも拘らず、おかみさんが見送ってくれた。
幹線道路沿いは勿論、住宅地もヘッドライトをつけて歩けば、安全である。
4:04 花の寺、4:15 大原野神社を通過。この辺りまではまばらだが人家がある。
金蔵寺に向かって進むうちに人家が途絶え、山中に入る気配である。用心して進もうとしたところ、新聞配達の人が『山に入るのかね』とバイクに乗ったまま話しかけてきた。『はい』と答えると、『山は何が出るかわからんぞ』と脅かされる。『イノシシもマムシも出るぞ』と続く。忠告をありがたく聞きながら、山賊は出ないだろうと慎重に山道を進む。
5:10 金蔵寺を通過。5:53 善峰寺への分岐点である杉谷集落に到着。自然歩道だけならばポンポン山に向かうのだが、西国霊場も巡っているので善峰寺に向かって山を下る。
6:24 善峰寺に到着。観光寺だけに時間外は山門が閉じていて境内には入れない。当初はゆっくり朝飯を食べながら開門まで待つつもりであったが、1時間半も休むと歩くのが嫌になりそうだったので、御朱印は後日にして杉谷集落に戻り、先を急ぐことにした。
6:52 杉谷集落を通過。7:43 ポンポン山に到着。市街地を望めるが霞んでいて視界は今一つであった。
本山寺へ向かう途中、逆行する人と会い、しばらく会話を楽しんだ後、別れる。
8:54 本山寺の勧請掛を眺めていると、先ほどの人がポンポン山からUターンして来て、追いつかれた。70歳と言うが先日百名山をクリアしただけに元気に駆けるような速さである。駐車してある神峯山寺まで会話をしながら私のペースで歩いてくれた。9:35 神峯山寺を通過。
  
10:31 摂津峡白滝茶屋を通過。
11:13 荻谷集落から健脚コースを選択する。12:00 竜仙滝を通過。少し期待外れ。
12:42 車作集落を通過。豊かな山村で和風の民家ばかりで素晴らしい光景である。
地名が特産の欅で御所車を作っていたことに由来するので、今でも林業を生業にしているのだろうか。
13:58 竜王山のピークを通過。
  
14:27 忍頂寺バス停に到着。
33日目 12年9月21日 忍頂寺〜箕面
いよいよ最終日である。茨木駅から始発バスに乗り、忍頂寺バス停に到着。7:16 歩行開始。
快晴の恵まれ田園地帯を快調に歩くが、前方にバスで通過してきた千提寺の福祉施設が近づいてくる。一本道で間違え
ようのない地域だが、道を間違えたらしい。とりあえず最後に通過した自然歩道の標識まで戻った。
写真ではわかりにくいが、私ははっきりとした道が続く赤い経路を迷わず直進した。
地図上では後方の鉄塔の方向が進路である。改めて周囲を確かめると。青い矢印の先端方向に道があるように見える。
道跡はないが雑草を踏みながら青い経路を進む。黄色い円部で雑草に隠れていた用水路に片足を落とす。幸い水もなく
被害はなかった。すぐに安心できる道になる。
8:29 素戔嗚神社を通過。8:50 棚田が美しい。
  
9:26 『至 政の茶屋』の標識に元気が溢れる。しかし距離は10Km近く残っている。
10:18 勝尾寺園地への分岐を通過。ヒマラヤの魅力に取りつかれたWさんに出会い、しばらく会話を楽しむ。
10:32 開成皇子墓を通過。この近くに勝尾寺に下る道があるはずだが、はっきりしないのでゴール後に一般道で参詣
することにして、直進する。すぐに最勝ヶ峰の表示がある。ゴールはもうすぐなので、少し休憩をして昨夜残しておい
た丹波屋のおはぎを食べる。
11:39 政の茶屋に到着。ビジターセンターの人と起点の石碑まで戻り、記念撮影をする。
  
ビジターセンターでいただいた麦茶がとても冷えていておいしかったのが忘れられない。
ここでリュックを預かってもらい、勝尾寺をお詣りに行った。
12:48 ビジターセンターを出発して、何度も訪れている箕面大滝を見て箕面駅に到着。13:46。