苔不動尊  2010年05月18日

8:42 寄居駅より歩き始める。彩甲斐街道と名づけられた国道は一部で歩道が確保されておらず歩きにくいと感じた。秩父鉄道の波久礼駅を過ぎたあたりから荒川にグッと近づいたあたりを道路が走る。
下郷で日本一大きいという青石塔婆を見る。この辺りは青い石材が採取されるのだろうか。石仏群もあるようだ。
少し進むと樋口駅がある。樋口が樋の口つまり川や水路で水量を制御するところに起因していることを初めて知る。地図で確認すると確かに、この辺りは川幅も狭くなっていて樋の口と言われるのが理解できる。
   
美しい芥子が咲き誇る‘芥子浄土’を眺めながら 10:45 苔不動尊に到着。
御朱印をお願いすると山主から本堂に上がるように勧められ焼香をさせてもらう。御朱印は本尊の前に置き、山主が真言を唱えた後、手渡された。ときどき経験することだが、一層ありがたく感じる。
しばらく話をしたが、萩寺と言われるので、秋が良いのでしょうねと持ちかけると、『いやいや、秋は来ないほうが良い』と諭された。人が混雑して、このようにゆっくりお参りも談義もできないということである。
お暇をしたら、閉めた引き戸をわざわざ開けて顔を出し、『気をつけて行きなさいよ』と声を掛けられた。にこやかな笑顔が印象に残る。
  
本日の目的地は終了したので、あとは黒谷駅まで歩くだけである。折角だから長瀞の石畳に寄ることにした。
11:45 長瀞駅から川岸へ通じる道の両側は土産物屋が並び活気があるようだが、名物のライン下りの舟は川岸に停泊したままで一艘も運航していなかった。岩畳には多数の人出が居るのに不釣り合いな光景である。暑い日差しのせいもあるだろうが不景気なのかもしれない。

岩畳で一休みした後、親鼻橋までは国道を避け、堤防沿いの道を歩く。
親鼻橋で国道と合流するが、やはりこれを避け県道で皆野市街を歩く。
12:46 再び国道と合流する地点が秩父市との市境である。眼前に武甲山が迎えてくれる。
12:58 聖神社を通過。この先に日本最初の銅が採掘された和銅採掘露天掘跡がある。ここの銅が朝廷に献上され‘和同開宝’が鋳造された。
13:03 黒谷駅到着。