国境線を越える 2(ネパール → インド)
 Border Crossing 2 ( Nepal - India )




  こんな国境もあるのか。ここはネパール・インド国境の街スノウリ。このひとつの街を分断し、国境線は走っている。

  幅は十メートルほどだろうか、干上がった小川の様な空き地が延々と続いる。ここだけは建物が途絶え、これが国を分けている。道路が横切っているところにはゲートがあり、遮断機もついている。しかし、その遮断機の棒は両国側とも完全に上がりっぱなし。用をなしていない。そして驚いたことに人々が、リキシャが、ネパールからインドへ、あるいはインドからネパールへと自由勝手に行き来しているではないか。出入国管理小屋の役人は、外を見ようともしない。どうなっているのだ。(後で知ったことだが、両国民は,パスポートもビザもなしに、お互いの国を行き来してよい、という取り決めがあるのだそうだ)

  これなら、人々にまぎれての密入国も簡単そうだな。(「俺は本当にやった」という旅行者と、後に出会った。やっぱりいた)

  しかし、これじゃあ、インドに入ったという実感が湧かない。変化がない。違いといえば紙幣くらいだ・・・  いや、他にも変化はあるぞ。バスの荷物係が、おかしなことを言い始めている。「荷物代も渡せ」だと?なんだそれ?そんな料金、ネパールでは払ったことがない。もしかすると、これがあの・・・
 
 



  INDEXページに戻る
 



All rights reserved by Yasuto Oishi.  禁無断転載