(31)2000/03/06



『空飛ぶモンティ・パイソン』2-1
 モンティ・パイソンズ・フライング・サーカス
 日 ポリドール VHS POW 1745 1999
 世界のコメディ史に名を残す、最高のテレビ番組
 『モンティ・パイソンズ・フライング・サーカス』のビデオ再発版。
 アナーキーなスケッチの数々はいまだに影響力大。



■わての精神形成に大きく寄与してくれた名コメディ番組。

 『空飛ぶモンティ・パイソン』・・・この番組のおかげで“円満な精神”に育った青少年は、わてだけではないはず(苦笑)。

 わてが高校生だった1976年、このイギリス製コメディ番組は制作から7年の時を経て日本で放送された。今野雄二や秋川リサら日本人司会者なんぞが出てきて、各スケッチの間でおしゃべりをやらかしていたのが、邪魔で邪魔でしかたなかった記憶がある。たしかタモリを初めて見たのもこの番組だった。

 パイソンズの繰り出すなんともハチャメチャな、アナーキーなスケッチ(こっちで言えばコント)の数々に、笑い、のけぞり、面白くもないお勉強の憂さを晴らしていたもんだ。あの頃は毎週のこの番組だけが“救い神”のような存在だった。

 真面目なことをバカバカしく、バカバカしいことをさらにバカバカしく、かつアブナく探求するお遊びの精神・・・そのお手本を、この番組が見せつけてくれたような気がする。

 アメリカで言えば『サタデー・ナイト・ライブ』である。パイソンズの影響はもちろん入っているし人的交流もあったのだが、やはりパイソンズと比較すると、過激度は弱い。例えばジョン・ベルーシの名演が光る「サムライ・デリカテッセン」やスタートレックのパロディにしても、なぜか“明るい”のら。

 底意地の悪さが、どーーーも足りないのである。そういう意味で、やはりパイソンズ、なのよね、わては。

 ここ20年近く、日本のコントやバラエティ番組なんかを見てもどこが面白いのかサッパリわからないのは、この『モンティ・パイソン』を体験したということが大きいにゃ〜。(っていうか、今の日本のテレビ番組制作者も、もちっと頭使って批判精神ある番組作ってよ( ̄▽ ̄))


■肝心の映像が絶版状態だったパイソンズ。

 パイソンズの歴史と各スケッチの詳細は、労作と言うべき須田泰成氏著の『モンティ・パイソン大全』(洋泉社刊・左画像)に詳しい。この本はまさにパイソン信者待望の書で、パイソンズ誕生30周年の昨年(99年)に発売された。詳しくはこちらを。

 G・チャップマン、J・クリーズ、E・アイドル、T・ジョーンズ、M・ペリン、そしてT・ギリアムによって1969年に結成されたパイソンズ。彼らが送り出した名スケッチの数々は、コメディのあり方を変え多大な影響を世界に及ぼしたのであるが、肝心の映像がその後なかなか見れなかったのである。

 日本でLDが発売されたのが90年代に入ってからだが、わてがLDデッキを買って集め始めたときにはすでに遅く、肝心の第2・第3シリーズが収録されていた『空飛ぶモンティ・パイソン』第1集〜第8集(発売元:ポニー・キャニオン)がすでに品切れ。手にできたのは第9〜14集までだった(T_T)。

 テレビでは、昨年N○Kで第2・第3シリーズの一部分が4回程度再放送されたのを録画した。がしかし・・・・

 そして昨年末、ファンの夢を叶えるべく、めでたく再発されたのがタイトルに掲げたビデオ・シリーズである。買い損なった部分をいま必死に集めているのであるが、本当はDVDのボックスもので一挙再発して欲しいところ。

 画像は最高傑作の誉れ高い「バカな歩き方省」が入っている第2シリーズ最初のものだが、「スペインの異端宗教裁判」などの名作が目白押しのシリーズで、久々に見て感涙した^^;

 (といってもこのビデオ、昨年のクリスマスにわてがにょぼにプレゼントしたもので、「自分が見たくて買ったんやろぉ・・・(-_-)」と疑いの眼を向けられたことを付け加えておきたい。ちなみに、にょぼは先の『モンティ・パイソン大全』を2冊購入、一冊は閲覧用、もう一冊は保存用に収蔵している(御苦労なこっちゃ))


■お国柄の差とはいえ・・・

 先週、岡山に住む24歳のネット友達がわての家に奇襲攻撃で遊びに来たのであるが。わての家に向かう彼の車の中で聴かせてくれたのが、あの日本版パイソンズとも言うべき『ゲバゲバ90分』のBGM集CD(マニアックなヤツじゃ^^;)。同時代で『ゲバゲバ』を見ていたわてとしては、あのテーマ曲を聴きながら、コントの数々を思い出していた。

 お国柄とはいえ、社会変革の嵐に揉まれていたあの60年代末の番組としては、日英の段差が激しいと思わずにはいられなかった。巨泉・前武という当時のテレビ界にあって先端的なスタッフが作っていながら、やはりタブーを破壊するまでの過激さ、アナーキーさは比較にはならないのら。

 パイソンズのLDでさえ、イギリス本国で放送できたものが、なぜか日本発売ではカットされていたりと、不可解なタブーが厳然と生きているのである。

 いまテレビでオンエアーされているバラエティなども、わてから言わせれば言語道断であって、ああいう芸NO人のジャレ合いなど猫も跨ごうというものだ・・・が、なぜか視聴率は高い(爆)。困ったものよのぉ〜( ̄▽ ̄;。

 さて、ここ数年まったくテレビの前に座らなくなったわてをブラウン管の前に引っぱり出してくれたのは、やはりアメリカのアニメ『サウスパーク』。久々にアナーキー&下世話なギャグの応酬を見せてくれた

 さて、日本ではいつ、同じ様な快感を与えてくれる番組が生まれるのだろう・・・。


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