(25)2000/01/09



『Sort Of』
 Slapp Happy
 日 VOICEPRINT JAPAN◎VPJ-125
 1999(Original Issued in 1972)
 ついに復刻されたアヴァンギャルド・ポップの最右翼
 スラップ・ハッピー、幻の1stアルバム。
 ファン感涙、待望のCD化初再発。



■やっとCD化・・・繋がったミッシング・リンク(T_T)。

 さて、この『Sort Of』、スラップ・ハッピーの熱心なファンには長年頭痛ものであった。なにせ72年に独ポリドールから発売後廃盤、その後日本では80年前後にLP発売されたが、わては買い逃し、ぐぐぐぐっと涙を飲んで約20年・・・。

 まさにコレクターズ・アイテムの名をほしいままにしていたが、この度めでたくアメリカのBLUEPRINTレーベルより再発。日本ではヴォイスプリントからの輸入+日本語解説付きで発売となった。

 一昨年(98年)に24年ぶりに登場した新作『CAVA』という感涙の贈り物につづいて、ファンは99年の暮れに最大のクリスマス・プレゼントを手に出来たのであった・・・・・・めでたしめでたし^^;。

 ところでスラップ・ハッピーは寡作なバンドである。正規および海賊盤らしきアルバムをひっくるめても下記の通りなのら(再発CD)

  • 『Ultra Rere Trax Of Slapp Happy』(スラップハッピー以前を含む音群集) ?◎?
  • 『Sort Of』(1972) BLUEPRINT◎BLP318CD
  • 『SLAPP HAPPY』(1974) VIRGIN◎CD0VD-441
  • 『DESPERATE STRAIGHT』(1975) with HENRY COW VIRGIN◎CD0VD-441
  • 『ACNALBASAC NOOM』(1980) Recommended◎SHCD
  • 『CAVA』(1998) V2◎VVR1001662
 と、極めて数が少ないのだが、どれもが文字通り珠玉の作品たちなのである。

 以前取り上げた『SLAPP HAPPY』でもそうだったんやけども。やはり、もともとが前衛畑の3人がロック界での受けなど全く考えもせず作ったポップソング、と言うスタンスが奇妙な味わいを醸しているのだな。特にこのファーストアルバムではそれがさらに実感できた。

 今回の再発で、欠けていたスラップ・ハッピー史の最初の1ページがやっと綴じられ、ひとつの輪がしっかりと形を為した気がする。


■1stでもダグマー・クラウゼの透き通ったボーカルに感涙(T_T)

 さて今回の話はやたらと(T_T)が多いのだが、もともとダグマー・クラウゼ(左画像)のなんとも透明感あふれるボーカルにぞっこんになったわてとしては、この1st、やはり(T_T)ものであった。

 その透き通ったダグマーのボーカルは、アルバム冒頭を飾り、また幻の1stシングルでもあった「Just A Conversation」でさっそく堪能できる。ピーター・プレグヴァッドのぶつぶつしたつぶやきボーカルの後のサビに、ダグマーのコーラス部分がくるのだが、これが極めて美しい。いや、美しすぎる

 ・・・名曲名唱である。

 この曲、アメリカでは古くから歌のテーマとなっているトレイン・ソングで、ビートも機関車のガッタンゴットンというテンポ。プレグヴァッドのボーカルもその辺を意識してかつぶやき調なのだが、突如ダグマーの透徹した声が加わると、俄然“別世界”が展開する

 曲作りもワウワウギターバックに漂うブルース風のノリから、ダグマーのボーカルが加わってのサビ部分ではアコースティック・ギターのアルペジオが凛とした風情を添えてアクセントを加える。

 これがなんとも奇妙にねじれたスラップ・ハッピーならではの音空間である。つまりこの“別世界”に感応できるかできないかが、スラップ・ハッピー信者への分かれ道なのだが、彼等ほんとにタダ者ではないなと、このアルバムを聴いて再認識した。

 4曲目の「Little Girl World」でも途中に変拍子パートを挟んで、透明なダグマーと濁ったプレグヴァッドのデュエットが不思議なまどろみを感じさせてくれる。 ダグマー・クラウゼの声は、静謐な透明度99%の声質ながら、不透明度100%の明確な個性を発散している、まさに不思議なヴォーカリストだと言える。

 かつてエリック・サティが唱えていた“家具の音楽”をもじれば、『家具のボーカリスト』とでも言えるかもね(強引じゃぁ〜)


■再結成と初来日・・・なるか(T_T)

 さて、音源もこれでやっとこさ揃ってファンは胸をなで下ろしたのであるが、なんと再結成と日本での初来日が計画されているとのことだ。初めて『SLAPP HAPPY』を手にしてから21年、ダグマー・クラウゼのボーカルが子守歌だった一人のファンとして、なにがあっても駆けつけたいと願っているのだが・・・

 ま、博多なんぞに来るわきゃないよなぁ。九州にスラップ・ハッピーのファンて何人いるんだろ?(苦笑)

 ファンの方、いらしたらメールください(爆)。


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