(2)1999/08/01



 『Spirits Of Rhythm 1932-34』
 The Spirits Of Rhythm
 蘭Retrieval◎RTR79004 1995

 1930年代から40年代にかけて活躍した、Jive Musicを代 表する米国の黒人グループの初期作品集。
 メンバーの中でも剽軽なキャラクタのレオ・ウォトソン(左 ジャケ写左より3人目)とギターの名手として定評あるテディ ・バン(同左より2人目)が黒人音楽ファンには有名。



■軽妙洒脱の美学・・・ここにあり。

 The Spirits Of Rhythmは大学生の頃から好きなグループの一つ。日本の多くの黒人音楽ファンがお世話になったであろう、中村とうようセンセ編集の名盤『ブラックミュージックの伝統』(1975)でレオ・ウォトソンの「Man With The Mandrin」とナット・キング・コール・トリオの「Hit That Jive Jack」の2曲を聴いて、黒人大衆芸能の一ジャンルであるJive Musicの虜になってしまった。

 なかでもThe Spirits Of Rhythmの軽妙洒脱さは、名のあるJiveミュージシャンの中では群を抜いているのではないだろうか。とにかく軽やかさがいい。Slim Gaillardほどアクが強くなく、かといってLouis JordanほどR&B色はまだまだ匂っていない。(と言ってもわては両者とも大ファンだけど)。古き良き芸能の香りがする

 メンバーの中では、ティプレ(ギターの変種で10弦)とボーカルを担当するレオ・ウォトソンが飛び抜けて存在感がある。写真で見てもとてもヒョウキン。ウォトソンのボーカルは、ジャイブ感覚横溢するスキャットが最大の売りで、「ダ、ダ、ダドゥダダダ、ダ、ダ、ダ・・・」と、文字で書いてはなんのこっちゃさっぱり解らないが、すばらしいノリを声で作り出してくれる。レオは後年Jiveの巨匠・Slim Gaillardと競演もしている。(そのアルバム『Voutest』は今は押入の中(T_T))

 さらに単弦ギター奏法の名手、テディ・バンのギタープレイの素晴らしさが、またこのグループの魅力なのだ。いまでは当たり前の単弦でのソロも、1930年代では極めて先駆的。わてが大好きなナット・キング・コール・トリオのギタリスト、オスカー・ムーアが持つもろジャズ風のモダンさとは違い、テディのはなんとも素朴な味わいが命。で、指でのピッキングならではの柔らかなフレーズが切れ目無く飛び出してくる。(ん〜ん。こんなギターが弾けたらなぁ・・・( ̄▽ ̄))

 このアルバム、もとはたぶん70年代後半に出た同名のスウェーデン盤LPかと思う。そのLPは、大学生の時に輸入盤屋に注文してやっとこさ入手、やれやれフルアルバムで聴る!と喜んだもんだった・・・。それ以来、CDを20年来探し回っていたのだけど、新星堂が80年代に仕入れた上記スウェーデン盤CDは住んでいた九州の近場に新星堂が無く、未入手。このオランダ盤CDは1995年の発売なのに、回りの輸入レコード屋では一度も見かけたことがなかったのだ。・・・やっぱ、田舎じゃのぉ〜(T_T)

 今回は、インターネット通販のamazon.comで手に入れたけど、なんと曲数がちょっと増えていていい買い物だった。「Nobody's Sweetheart」「I've Got The World On The String」「My Old Man」「Dr.Watson And Mr.Holmes」などが、わてのお気に入りなんだけど、ノベルティ色いっぱいのボーカルの掛け合いが楽しい「Dr.Watson And Mr.Holmes」、美しいメロディにテディのギターが冴える「I've Got The World On The String」が一押しというところか。  

自宅でのんびりソファーに座って、酒を片手にくつろぐ・・・という時にお勧め。(・・・なんちゅーて、わてはそげな余裕ぶっこいた聴き方してないけどね(苦笑))

お品書きに戻る   牛耳TOP