第1回「市民のための憲法セミナー」開催報告
鮫
島 正 洋
1 日時・場所
1998年11月2日(月) 18:30〜21:40
一新塾地下セミナールームにて
2 参加者
19名(アンケート回収数)
3 アンケート結果
以下、代表的な質問に対する参加者の回答を抜粋する。
質問0:憲法のセミナーに出席して日本国憲法の概要がわかりましたか。
a)よくわかったように思う 7名
b)だいたいわかった 8名
c)ピンとこない 2名
- スタートとしてはこの程度でも仕方ないが、もう少しテーマを絞り込んでディスカッションをさせて欲しかった
- 会の方向性が見えない
d)わからない 0
質問1:「市民」という言葉に対するあなたのイメージを教えて下さい。
(肯定的な意見)
精神的・経済的に自立していて、自分で考え選択できる人
非公務員、非権利享受者
責任という言葉と一体となっているべき人
社会活動を行うために自分が行動すべき範囲が見えている人
自立した一個人
政治的な意識をもつ人民
政治に関わっていない国民
国境の枠にとらわれない人
(やや否定的な意見)
区民・町村民にはピンとこない言葉である
正確な意味で考えたことはない
意識を持っていない人もまた市民である
市民という言葉は本来「都市の住民」という程度の意味しか持っていないはずなのに、何か特別な雰囲気を持って語られているのはおかしい
質問2:憲法を学ぶことはあなたが一人の市民として行動するために必要だと思いますか。
a) 必要不可欠である 6名
b) 必要である 12名
c) あまり関係ない 1名
d) 不要である 0
質問3:質問2のように考える理由を教えて下さい。
(「a)必要不可欠である」と答えた人の中から)
現状を知らずして行動できないので、現状を知る上で憲法を理解することは基本的な事柄である
基本法たる憲法の法的性格を考えれば憲法を深く理解することは当然
国民としてのグランドルールの理解が成熟した市民となっていくために不可欠
憲法が市民と政府の契約だから
国の基本を実質的に理解する必要があるから
(「(b)必要である」と答えた人の中から)
何にコントロールされ、誰に従っているかが一番気になることだから
私にとってはこれ以上は必要であるとは思わない
ルールがあるならば知っていた方がよいというだけ
国民として憲法を学ぶことは必要であるとしても、憲法以外にも学ぶべきことはたくさんあるのでは
知らないままでいると政治・社会のことに無関心のままでいることになる
憲法から抽出される大原則が意思決定していく上で方針になるから
一人一人の国民が現状と憲法を少しでも理解すべき
それぞれの行動において必ず憲法を学んでいなければいけないとは思えない
(「(c)あまり関係ない」と答えた人)
関係ないとは書いたものの、少し考える必要や意義がありそうだ
質問4:選挙に対する意識調査
(憲法セミナーを受講した前後で変化があったか?)
これまで選挙に毎回参加しており、これからも毎回参加する、と答えた人 6名
これまで選挙にほぼ参加しており、これからは毎回参加すると答えた人 7名
これまで選挙にほぼ参加しており、これからも変わらないと答えた人 6名
★ その他、アンケートに現れた意見・感想など
・ 大変勉強になった、有意義だった 4名
・ ここに来る人たちが意識のある人で、国民一般はバカである、というような議論をすることは反対
・ オウムの権利を議論すること自体信じられない
二次会などで現れた議論など
二次会(市ヶ谷・てんぐ 22:00〜23:30)
休日の前だったせいか、異例の13名程度の参加があった。
- 情報公開制度の制定に際して国民の間で政策を要求することはできないか。
- 憲法と現実との遊離という意味での問題点・・派閥政治、自衛隊の問題
- 憲法セミナーについての運営協力者の募集
- 憲法を学ぶことの意義について
ただ漠然と議論するのではなく、問題点を憲法体系に載せて議論することが可能となるので非常に有意義であると感じた、自国の憲法を知ることは一人の日本人として国際社会に出たときに不可欠である、というような好意的な意見がでた。
この言葉は人によってはアレルギーがあり、好ましくないのではないか。
(アンケートの結果にもそれは現れている)
(語り手となれる人の要請、企業への資金呼びかけ、PR方法の工夫、
中野区、江東区で憲法セミナーのために人を集める、上級者コースの設立)
4 課題・改善点・反省点など
18:30の開始では、早すぎて多くの方が定刻に来れない。とはいえ、現在の内容で行う限り、講義に最低2時間は必要なので、開始時間を大幅に遅らせることもできない。=>講義内容をやや少なくして19:00開始を厳守すべきか?
サリン事件を題材にするのはやや危険?(被害者の方が聴講しに来る可能性も否定できない)
「市民のための憲法セミナー」という名称をどうするか。特に、「市民」という言葉に対する一部の人のアレルギーとの関係。
- 講演会のPRについて=>引き続き一新塾OBなどにも声をかけていただく他、今回の参加者に呼びかけてもらう
- 特定のテーマに絞って討論形式で行いたい、という根強い意見がある。=>個人的には、討論形式でのセミナーは憲法の体系を知った上で行うことが望ましいと感じるが、いかがなものか。
- セミナー出席者を組織し、より積極的に関与したいと思う方には、この活動を担っていただくための受け皿や情報提供手段が必要ではないか。=>現時点では、鮫島のホームページがあるが、十分といえるだろうか?メーリングリストの開設の必要性如何?
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