市民のための憲法セミナー FAQ

ここでは、皆様からよく聞かれる質問をまとめてみました。

 

Q 一言でいうと憲法って何ですか。

A 憲法とは一国の基本法です。人間にたとえていえば、憲法とは背骨であり、心臓です。憲法はもともと18世紀のヨーロッパにおいて、人民が為政者に対して「あなたが私たちを統治することを認めますから、その代わりに、これだけは私たちの権利として認めて下さい」と突きつけた規範です。だから、憲法には必ず国民の人権に関する保障規定が置かれているのです。憲法のこの側面をとらえて、憲法はしばしば「自由の基本法」と呼ばれます。

  ところが、憲法の人権の保障規定を無視する横暴な為政者が現れました。そこで、そのような横暴な為政者が幅をきかせないように、権力の濫用を未然に防止し、人権を制度的に守るための三権分立や国民主権のようなシステムが憲法に書き加えられました。このように、一国の政治はすべて憲法に基づいて行われ、一国の統治システムはすべて憲法に規定されていることから、憲法は「国家の基本法」とも呼ばれます。

  そして、憲法に基づいて統治が行われる国家のことを立憲国家と呼ぶのです。

 

Q 憲法を学ぶとどんないいことがあるのですか?

A 憲法とは国の基本法ですから、憲法を学ぶということは国のあるべき姿を学ぶことにつながります。なぜならば、憲法には国民に対して保障されている自由(例えば、表現の自由や信教の自由)や自由を保障するための統治システム(例えば、国民主権や三権分立)が規定されているからです。政治は憲法の具現化である、といっても過言ではありません。我が国では、現在、政治の混乱が指摘されていますが、憲法を学ぶことによって現在の政治が憲法からどのようにかけ離れてしまったのか、何が悪いのか、改善するための方策は何か、そういうことを端的に掴むことが可能となります。

  また、一国際人として日本という国家を世界の人々に語ろうとするときに、自国の憲法を知らないことは恥ずかしいことです。海外にでて、日本特有の制度である天皇制や平和主義について聞かれたときに、憲法的な見地からは何も答えられない。そんな国民では、世界の人々の尊敬を得られるはずがありません。

 

Q 憲法には興味があるのですが、今まで全く法律というものを勉強したことがありません。そんな私でも、セミナーについてこられるでしょうか。

A 「市民のための憲法セミナー」はむしろそういう方々を対象としたセミナーです。多くの人に理解していただくため、憲法に規定された概念をわかりやすく整理し、平易な言葉で、多くの設例や図を用いながら解説します。これまでも30名近くの方々がセミナーに出席いただき、その都度、理解度についてアンケート調査を行っていますが、90%の方から「憲法がほぼわかった」という回答をいただいています。あまり不安を抱かれないで、気軽に参加して下さい。それでもわからなければ、講義の後に、電子メール等の手段によって対応します。

 

Q このホームページを見ていると、随所に「一新塾」というものが登場するのですが、これは何物ですか?「市民のための憲法セミナー」は政治色がない、と聞いていますが、本当は「一新塾」の手先ではないんですか?

A ご安心下さい。「一新塾」は世界的な経営コンサルタントである大前研一さんの主催する政策学校に過ぎません。「一新塾」は、大前さんの意見に同調することも、批判することも自由に許されており、大前さん個人を推薦したり、大前さんの意見や思想を宣伝する塾ではありません。むしろ、「一新塾」では塾生がそれぞれ現在の日本の社会に疑問を持ち、自分たちなりに考えて行動する、ということが重視されています。今回の「市民のための憲法セミナー」もそんな塾生たちが集まって、大前さんや一新塾とは独自に企画したものです。

  「市民のための憲法セミナー」は「一新塾」のお力添えで運営されている部分もありますが、そもそも、「一新塾」自体が、特定の思想・政策を推進していない以上、思想的、政治的に「一新塾」から影響を受ける可能性はありません。

  なお、一新塾の詳しい案内は下記まで。

http://www.iijnet.or.jp/issing/issin/

 

Q 12月14日に第2回「市民のための憲法セミナー」があるそうですが、私は第1回に参加しておりません。そんな私でも、第2回「市民のための憲法セミナー」についていけるでしょうか。

A 第1回と第2回の内容はほぼ同一ですので、全く心配はありません。このセミナーの目的は憲法の詳しい知識を身につけてもらうというものではなく、1回約2時間半のセミナーで最低限の憲法体系や憲法に規定されている理念を学習することによって、憲法的な視点を養うというものです。従って、一回ですべてが完結しますので、毎回のセミナーは同じ内容になるのです。

  なお、第1回に参加された方も、第2回の20:30頃から行われる討論会に出席されると有意義かと思います。

 

Q 第1回の「市民のための憲法セミナー」にでました。憲法の概略はわかったので、特定のテーマを決めて憲法的な視点に基づいた討論会を開催するのがいいと思うのですが。

A ご安心下さい。第1回の後半に行った討論会が非常に盛り上がったので、憲法初級編である「市民のための憲法セミナー」に出席され、ある程度憲法的な視点を会得された方々のために、中級編としての「市民のための憲法セッション」(仮称)を企画しています。この「市民のための憲法セッション」は、毎回特定のテーマを決めて、憲法その他の見地に基づいて参加者に討論してもらい、討論の内容を題材に、随時憲法的な視点から解説を加えるものです。いわば、討論という生きた形で憲法を応用し、学んでいくことを主眼としています。

  ただ、現時点では、「市民のための憲法セミナー」を終えた方がまだ少ないので、100名程度が「市民のための憲法セミナー」を終了した段階で本格的にそのような企画を実行に移すつもりです。時期としては、来年の2月以降になると思います。

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