Stair to Seven
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トーマはボートのオールを口にくわえて砂浜を走った。
ケリーが彼を見つけて走り寄ってくる。
「トーマ遅いぞ!」ケリーは物干し棹を振り回す。
「ケリー、破れたり!」トーマは叫んだ。「そんなもの持ってきて、叱られるぞ!」
「大丈夫、洗濯物はちゃんと仕舞ってきたのだ」
二人の足もとに波が打ち寄せる。じりじりと、間合いが詰まった。
「ふうん、ケリーちゃんも血統書つきなのね」ママが隣の奥さんと話している。
道子は、トーマを抱きながら、隣のケリーを睨んでやった。
「大丈夫、トーマ」道子はトーマに囁く。彼の鼓動が道子の腕に伝わっている。
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