MORI Hiroshi's Floating Factory
Model Railroad Workshop
<機関車製作部>
次期主力機関車

/☆Go Back☆/
2月後半は工作三昧です。がんばって仕事を前倒しで片づけて、少し余裕ができたこと、体調が良かったこと、寒いから来客が少なかったこと、などが原因ではないか、と分析されます。
『ミニチュア庭園鉄道3 欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線の野望』は、中央公論新社より3/10に発行予定です。2月前半で作業はすべて終わって、あとは印刷されるのを待つばかり。これまでに既に100冊以上の本を出しているので、この頃では出来立ての新刊が出版社から送られてきても、ダンボール箱に入ったまま、ということが多いのですが、この『ミニチュア庭園鉄道』のシリーズだけは、ちゃんと開けてにこにこしながら読むのです。
そういえば、サファイアとプリムスのメーカであるイギリスのMaxitrak社からメールが来ました。星野氏経由で情報が渡ったようです。ついでに、いろいろ細かい質問をしてしまいました。
それから、ネットサーフィンをしていて発見したのが、アメリカのここ。リンク集みたいですが、弁天ヶ丘線が「An interesting private 5 gauge railway in Japan.」と紹介されていました。カテゴリィは、「モデル」の中ではなくて、「鉄道」の中の「ミニチュア」でした。
今回のレポートは、なんといっても、新鋭機の電気機関車の製作についてです。上の写真をご覧下さい。ここまでできています。横に立っているのは、スバル氏ではありません。
<欠伸軽便鉄道広報部からのお知らせ>
お待たせいたしました。欠伸軽便鉄道広報部のサイトがオープンしました。『ミニチュア庭園鉄道』シリーズを発行している中央公論新社のサーバにあります。本(別名株券)の宣伝も一応ありますけれど、主目的はもちろん掲示板です。この機関車製作部の「A&Bレポート」や『ミニチュア庭園鉄道』の内容に関して、ご質問、ご意見、ご感想など、なんでもけっこうですので、お気軽に、ご自由に書き込んで下さい。できるだけ社長自ら対応いたします。
ただ、普通の掲示板と少し違うのは、投稿してもすぐに表示されるわけではなく、スタッフが確認をしてからアップする方式です。滅多にないとは思いますが、不適切な投稿をシャットアウトするためです。スピーディとはいえませんが、まあ軽便鉄道らしく、のんびりと運営したいと思います。
この下のバナーからリンクしました。

<新型機関車のデザイン>

AB10に次ぐ強力電機AB20のデザインには2カ月ほどかかりました。会議のときなどに落書きした絵が20枚くらいはあったでしょうか、凸形以外のものも考えましたが、短い車体の割にホイルベースが長い、車輪が踏ん張っているプロポーションが、やはり凸形に似合うということから、後半は凸形に絞り込んで、さらにいろいろなバリエーションを描いてみました。最終的に採用になったのは、1枚目の赤いスケッチのものです。
これを図面に起こしたものが、2枚目の写真。「こんなのが図面か?」とびっくりされることでしょうが、弁天ヶ丘線では、これが正式図面、すなわち最終決定です。定規も使わずに描いている、このアバウトさが伝統なのです。
ボンネットを曲線にしてみました。このあたりは、ボール紙で作ることの利点です(金属でも可能ですが、面倒なだけ)。ヘッドライトはおでこの1燈にするか、下にももう2つ付けるか(図面にあるのはバッファです)作りながら決めようと思います。

こちらは、ダンボールで製作したモックアップ。最終決定のまえの段階で、雰囲気と大きさを見る目的のものです。このときは、凸形か、片側ボンネット形か、まだ迷っていたので、モックアップでは、両方試しました。後ろに切り込みがあって、凸形にもなります。
さて、形が決定したので、あとは作るだけです。作る形が決まれば、工作の半分は終わったようなものです(偉そうに!)。最初は、側板を切り出しました。使用しているのは、いつもと同じ、厚さ2mmのケント紙のボード。東急ハンズで買ったものです。これをカッタナイフで切りますが、けっこう力がいるので、疲れますし、怪我をしないように気をつけましょう。でも、他の材料だったら、もっと大変ですからね。

側面と前後面が切り終わったところで、仮組みしてみました。仮組みをするのは、間違いがないかのチェック、それと、今後の方針を決定するため。大きいので、机の上にのせると、もういっぱいですね。工作というのは、いくらスペースがあっても広すぎることはないでしょう。
窓の内側には窓枠を。ドアとその窓枠も内側に重ねて貼り付けました。補強の角材を貼りつけて、今度は、側面と前後面を正式に接着します。天井にも、補強材が入りました。紙とはいえ、既にかなり重いです。飛行機とちがって、機関車は重さを気にせずに作れる点が、非常に気が楽です(重い方が有利ですし)。補強したい放題ですからね。
<重連試験>

AB10と連結をして、下回りだけで重連の試運転をしました。2台を連結し、1台のコントロールユニットで、2つのアンプを並列に制御します。2台とも、12Vのバッテリィを直列にして24V、モータ2機も直列です。
メインラインを何周かしましたが、やはり低速が非常に力強くなったのがよくわかります。勾配でも、速度が落ちないし、いい感じです。

日曜日も、重連の最終調整。作りかけのボディを被せました。下回りは同じサイズですが、AB10よりも、ずいぶん小さく見えます。
この日は、お昼頃に、学研の『大人の科学』のN村氏とカメラマン氏が来宅。このため、背景として、プリムスが出動しました。引込み線に停車しています。
<冬の営業>

曇っていると寒々しい雰囲気に見えますが、風がなければ寒くはありません。1時間くらい遊ぶのがちょうど良いでしょう。落ち葉もなく、草も伸びず、虫もいない。線路はこの季節はまったくメンテナンス・フリーです。
撮影のためにサファイアも出てきました。一番後ろに、お客さん用のトレーラを連結しています。ガレージ駅の白いゲートを抜けたところ。信号機と給水タンクが見えます。その奥には、かつて機関庫の横にあった操作盤が……。信号機は、風雨に曝されていますが、今のところダメージを受けることもなく、トラブルなし。
<大人の科学>

その学研の『大人の科学マガジン』に依頼されて作ったのがこれ。前回のレポートでご紹介した状態から、プーリィの径を変えてギア比を調節。それがうまくいったので、風よけを兼ねて、前後にボディらしきものを取り付けました。また、アンテナみたいなものが、上に2本。集電のためのポールか、ブリューゲル(パンタグラフみたいなもの)をイメージしていますが、スチームトラムなんだから本当は不要です。きっと、衛星通信をするためのアンテナでしょう。豆電球のヘッドライトは、今のところ飾りで、配線はしていません。単3電池くらいならば載せるスペースはあります。一番工作が面倒だったのは、アルミを切り出して作ったカウキャッチャですが、どちらにしても、定規を使わないフリーハンドで作った「いびつさ」が信条かと。
オマケにもう1つ。こちらは、1時間もかからない軽工作。ボール紙に絵を描いてから切り出し、関節のところにネジを取り付けただけ。手の位置で両面テープでひっついています。タイヤの回転に併せて足が動くのが特徴。ポップコーン売りのクマさん、という感じ。
『大人の科学マガジン No.7』(3/25刊)に記事を書きましたので、ご関心の向きはご覧下さい。写真のオシレーチング・スチームエンジンがオマケで(1機ですが)ついてきますので、のんた君ポップコーン売りは少なくとも作れます。それだけでも充分な価値があると思います(失礼な!)。
<蒸気エンジン>

ライブスチームのように機関車になっているのではなく、エンジンそのものだけ、というスチームエンジンが市販されています。「卓上エンジン」とか、ステーショナリィ・エンジンなんて言います。ガレージの中だけでも6〜7機、そんなエンジンが飾ってあって、ときどき、コンプレッサで空気を送って回して遊びます。写真の小さな1気筒エンジンは、SAITO製。小型ですが、オシレーチングではなく、横にバルブがあります。左に一部写っているのがボイラ。これくらいで、50cmほどの船を走らせることができますが、なんとかGゲージの機関車に使いたい、と思って温存しています。機関車だったら、クライマックス(後述)くらいでしょうか。
もう1枚は、最近入手した1気筒のオシレーチングエンジン。首振りにしては、大型です。ストロークも長く、非常に珍しい感じ。あまり高速に回すと危ないかもしれません。これは手作りです。
<ブリキのおもちゃ>

上の写真で、奥の方にいるクマが気になったかもしれません。またまたクマですね。これはゼンマイで動きます。ミルクをボトルからコップに注いでは、口へ運んで一気飲み。表情が可愛いです。体長は10cmくらいかな。
70年以上まえのホーンビィの古い貨車。手前のものは、上部が90度回転して横を向いて、傾いて中身をダンプします。
<HOゲージ>

HOゲージのメンテナンス・カー。つまり、線路の工事をするための車両。バックマンの製品です。しかし、どうしてHOゲージなんか買ったのか、というと、この車両が欲しかったわけではなく、この走り装置だけを使いたかったからです。したがって、ボディは取り外してしまって、車輪とモータだけを使う予定。もちろん、On30の車両を作ることが目的です。
この黒くて車輪だけがあるのは、台車の中にモータやギアを組み入れたもの。鉄道模型をやっている人にとっては、もの凄く一般的な部品で、パワートラックと呼ばれていますが、普通の人には、想像もできないパーツでしょう。これだけで走るんですよ。天賞堂製で3000円もしません。これさえ買ってくれば、あとはボディを紙で作って、ちゃんと動く鉄道模型が簡単に作れます。こんな便利なものがあるのです、はい。

はい、これが、クライマックスです。シェイと同じように、蒸気機関車なのに、前後に(電車みたいな)台車があって、ギアで動力を伝えます。このクライマックスは、写真のようにシリンダがサイドに斜めに取り付けられ、そこで回した軸が、さらに車両の下にあるプロペラシャフトへ回転を伝え、前後の台車の車輪をすべて駆動する仕組み。このクライマックスもバックマン製。ついこのまえ、On30のクライマックスが2万円くらいで発売になり、即購入しましたが、今回のこれはHOスケール。どうして、これを買ったのかというと、実は、On30のクライマックスが少し大振りで気に入らなかったためです。もう少しコンパクトなクライマックスが欲しい、と考えていたので、HO(スケールはOの半分)のこの車両を改造して、Oスケールにしよう、という魂胆です。
<シェイとトーマ人形>

こちらは、ポーチの前で、ライブスチームのシェイ。45mmの線路をどこに敷こうか、と思案中。地面に線路があった方が情景的にはグッドですが、機関車を操作したりするには不便です。少し高い方が良いわけですね。どちらを取るか……。
久しぶりのトーマ人形。グース(レールトラック、Gゲージ)の荷台に2匹乗っています。フクロウではありません。
<紙で作る>

毎日こつこつと工作が進みます。前後のボンネットにボール紙を貼りました。この部分は、工作用方眼ボール紙。もう一度、名称をよく見てみると、「学校芸能工作用紙」っていうみたいですね。厚さは0.5mmくらいです。
紙は曲げやすい方向と、曲げにくい方向があるので、いつもその方向を意識して切り出します。曲面部だからといって、曲がりやすい方向を使えば良い、というものではありません。カーブが緩やかなときは、逆に、強い方向へ曲げた方が綺麗に曲がります。今回は、ボンネットも屋根も、0.5mmの工作用方眼ボール紙を2枚重ねるので、まず、曲げやすい方向で貼り、そのうえに、曲げにくい方向で貼りました。1枚目では、骨組みなどの影響で、僅かに凸凹しますが、2枚目で綺麗なカーブになります。

少しアップで撮影。コーナの部分には、ヒノキの角材を貼りました。これは補強というよりは、飾りです。プラ板でも良いのですが、接着剤の相性で木材を使用。ボンネットも、キャビンと当たる部分には、5mm幅のボール紙を重ねていて、実際にもアングル材などを使うだろう、などと想像をしながら、作ると楽しいです。
今も、接着剤は、セメダインCを使っていて、この頃、なかなか手に入りにくいので見つけたら大量に購入しています。このボディも、ここまでで既に大きいチューブが3本、小さいチューブが2本なくなりました。ものが大きいので大量に必要です。使用の注意としては、接着面の両側に塗ること、くらいでしょうか。ちなみに、木工用ボンドは、水性のため紙がふやけるので、滅多に使いません。自分が慣れている接着剤を使うことが大事でしょう。銘柄を決めた方が良いと思います。

あまり見せない裏側です。ボンネットの内側のエッジの部分。やっつけ仕事のように、補強がされています。ところで、角材って、よく捩れていたり、曲がっていたりしますから、買うときによく確かめましょう。それから、外装として使うときは、必ずヤスリで仕上げをしてから使います。
もう1枚は、屋根の骨組みのアップ。この頃、ほとんどこの構造です。三日月形のボール紙に切り込みを入れて、そこに角材を渡していますが、実は、少しだけ角材の方にも切り込みが入っています。コーナには、三角形の補強を入れます。

ヘッドライトはいつものとおり、懐中電灯を使って作ります。今回は少し大きめで390円のものを2つ買ってきました(写真の赤い方)。これの先だけを利用し、あとはボール紙で形を作ります。なるべく安くて、形の良い懐中電灯を探すために、方々のホームセンタへ足を運びました。手前に4枚並んでいるのは、サイドに付けるディテールのハッチ。1mm厚のボール紙で製作。

また、2週間ほど経ちました。屋根ができています。ボンネットも屋根も、ボール紙を曲げて貼って、乾いたら、もう1枚を貼って、という具合に別々に接着して強度を出します。ボンネットには、変なハッチが2つ取り付けられました。
だいぶ形になってきたので、シャーシに被せてみました。いい感じですね。腰が低くてナローっぽいです。屋根の一番高いところはAB10よりも少しだけ高くなりますが、見た目は非常にコンパクトな感じになります。なにより、凸形だと、ボディのぎりぎりに車輪がある(ホイールベースが長い)プロポーションがよく似合いますよね。その理由で、運転席が中央にあるわけです。ヘッドライトは仮止めの状態。
<駅長の周辺>

駅長のベッドも最近新しくなりました。手前にいるのは、駅長の秘書で、赤いちゃんちゃんこを着ていますが、これは、星野氏の奥様が作られたという由緒あるものです。
<レイアウトのその後>

On30のレイアウトは、あまり進んでいません。一応いつでも運転できる状態にはなっているので、主に、このオレンジのガソリン機関車が貨車2両を引いて周回しています。車両の整備や増強も予定はありますが、停滞中。
このレイアウトには森の妖精がいます。
<工作室周辺>

そのレイアウトは、工作室のここに置かれたまま(椅子の上にのっています)。各種材料が棚に入っているところの前ですから、非常に邪魔です。そろそろガレージの2階へ移動しようか、と考えています。
さらに、もう少しバックすると、透明シートのカーテンがあって、その外側には、ガレージ本線が通っています。現在、AB10と製作中のAB20がのっている線路がそれです。その手前で、グースとレールモータがのっているのは、引込み線。

反対側から撮ると、ビッグワークが正面にいます。オレンジのショートカブースが左の奥に見えますね。もう少し片づけた方が良いのではないでしょうか。
/☆Go Back☆/