MORI Hiroshi's Floating Factory
Model Railroad Workshop
<機関車製作部>
日々鋭意開発中

/☆Go Back☆/
おや、見慣れない車両が……、という上の写真。その話はあとで詳しく書きますが、それよりも、上の方で、なんだか赤い実が沢山なっています。秋ですねぇ。
平日は、なんとか時間を見つけて30分、調子が良いときは1時間ほど工作を進めます。週末は、運転する時間は1時間もなくて、やっぱりほとんどの時間は何かを作っています。作っている合間に、機関車を走らせる。塗料や接着剤が乾く間に、ぐるぐる3周ほど回ったり、写真を撮ったりします。ですから、何時間も乗っているわけではありません。今、一番大きなエンドレスは1周が70mほどですが、これを10周も連続して回るなんてことは滅多にありません。乗っていると、何かやらなければならないことを思いついてしまうからです。
今回は、工作はあまり進んでいません。そのかわり、久しぶりに新しい機関車が登場します。新しいかな?という気もしますが。それから、珍しく、お客さんを乗せて走る弁天ヶ丘線の様子をご紹介しましょう。5インチ関係では、写真に最も人間が出てこないサイトではないか、と自覚していますが、人が乗っているシーンというのも、やはり鉄道の本質には違いありません。
<新レールカー?>

だいたい名だたるモデル鉄道では、社長が視察のときに乗るためのレールカーなるものが登場します。クラシックカーのタイヤを鉄道の車輪に交換したもので、オープンカーが多いようです。弁天ヶ丘線の場合、社長は工場長であり工事監督であり運転手であり作業員でもありますので、わざわざ視察をする機会はないわけですけれど、しかし、オープンカーはそもそも大好きで、現にガレージには2台のオープンカーがあるくらい(オープンカーでない車はガレージの外に出される)。
そういうわけで(どういうわけ?)、レールカーを現在試作中です(また試作か?)。普通の視察車とは違い、これは人間は乗れません。その代わり、ccdカメラを搭載して、ラジコンでコントロールしよう、という目論みであります。上の写真は、たまたま以前からあったマガジンラックなのですが、ちょうど良い大きさなので、台車の上にのせて写真を撮ってみました。緑が良いか、赤が良いか、と迷っているところではなく、どっちでも良いのです。

このマガジンラックは木彫りだと思っていましたが、今回少し調べてみてFRP(グラスファイバ)だと判明。実は、この2台の他に、一回り小さい2台のセットも持っていて、そちらは3.5インチサイズですね。リビングでマガジンラックとして長く使われていたのですが、スバル氏が「そろそろこれ捨てない?」と言いだしたので、ガレージに引き上げてきました。ブライスが乗るにもちょうど良い大きさです。幅は約35cm。
<技術研究所報告>

「1日ポイント」などと勝手に命名していましたが、「シングルレールポイント」という呼称が一般的の模様。写真は、イギリスのマン島のエレクトリックトレイン(Snaefell登山鉄道)のもので、当HPのリンクページに紹介してあるサイトにあった写真です(勝手に貼っている)。この鉄道には、4年まえに実際に乗ってきましたけれど、全然気づきませんでした(乗っていたらわからないか)。どこにこんなのがあったかなぁ……。とにかく、もの凄い勾配と急カーブでジェットコースタみたいだったし、あと木造の電車がぎいぎい軋んで、オーバに表現すると、平行四辺形に変形しているくらい揺れたりして、変形時にできるシートの隙間に指でも挟まれたら大変と心配だったくらい。とても面白かった思い出があります。
もう1枚は、乗用トレーラの開発途中で、前回レポートした台車から何も進んでいません。板をのせ、その上に椅子を置いて、ここに座って、レールの上を走って試して(遊んで)います。やはり、足を乗せる位置が難しい。運転する車両にもよりますが、蒸気機関車だとキャビンの中で操作をするため、前屈みになって手を伸ばさなければなりません。この場合は、なるべく低くて、前傾できるトレーラが良いのです。しかし、電気機関車だと、コントローラはコードを長く伸ばせるため、椅子に座って楽な姿勢の方が良いでしょう。前者の使用では、OSのトレーラのプロポーションが最適値であることがよくわかります。
<ガソリンエンジンの消音>

もうすっかり忘れられていた予備機です。弁天ヶ丘線では唯一ガソリンエンジンを動力とする車両。これはニイザキ・モデルエンジニアリングの製品で、最近(コッペルのキットを購入したため)、新崎氏とメールをやり取りしたところ、1982年から3年間で約15台製作されたものだそうです。ほとんどジャンクとして中古品を手に入れ、1年まえのレポートをご覧いただくとわかりますが、エンジンは快調に始動できたものの「音が煩すぎる」という結果で、この理由のため、その後ずっと活躍できずにいました。サブマフラで効果的に消音するにはどんな方法が良いのか、とときどき気にはなってはいたのですが、やっぱり2サイクルエンジンでは無理であって、どうしても4サイクルが欲しいなあ、などと他の方へ興味が移っていたのです。
ラジコン飛行機も2サイクルから4サイクルになりましたが、しかし、サブマフラで消音の実験をしたのはもう20年以上まえのこと。やはり2サイクルエンジンでした。飛行機の場合は、プロペラを大きくして回転を下げれば静かになります(空へ上がって遠く離れてしまうので、あまり静かだと聞こえなくなります)。また、とにかく軽量でなくてはならないため、大きなマフラを載せることもできません。機関車は、自分が常にすぐ近くにいるわけですし、庭園鉄道ともなれば、ご近所への配慮からやはり静かに越したことはありません。しかし、重量に関しては、どれだけでもOK(むしろ重い方が良い)といった違いがあります。

まず、ネット上でいろいろ検索・研究し、ヘルムホルツ理論なども参考にした結果、サブマフラまでの配管は細くて長い方が良い、という理屈を導きました。これまでずっと、(パワーロスを気にして)サブマフラまでの配管をなるべく短くしようとしていたので、青天の霹靂です。それならば、もう一度ちゃんと作ってトライしてみよう、と思い立ち、まずはホームセンタへ。もう少しで、胡椒の入れものを500円で買うところでしたが、ペンキのコーナにステンレスの缶が120円で売っていました。大きさはいろいろあります。これに穴を開け、径10mmのステンレスパイプを差し入れてハンダ付けしました。この機関車のエンジンのマフラからは3つの排気口がありますので、それをすべてこのサブマフラへ導きます。うち1本は管が細くて、何のためのものかわかりませんでしたが、どうやら、スケールモデルとして実物と同じ排気口から排ガスを出したい(見せたい)というディテールアップのために付加されたもののようです。
エンジンのサイドにサブマフラを固定し、3本のチューブで排気を導き、それを上方一箇所から出します。この配管には、耐油性の透明チューブを使っていましたが、どうも弱そうなので、途中でガス管に変えました。
さあ、実際に試運転です。こればかりは、室内ではできません。エンジンをかけてみたら、「お!」というほど音が小さいのです。アイドリングしていると、エンジンが回っているとは思えないほどです。これで気を良くして、トレーラを接続し、エンドレスを15周ほど連続運転しました。速度を出すと、エンジンの回転が上がり、多少煩くなります。でも、庭で芝刈りをしている家がこの時期多いですけれど、あれよりはずっと静かです。ちょうど、良い回転というのがあって、それを維持して運転するのがけっこう面白い。やっぱり電動にはない楽しさがあります。ラジコン飛行機のときも、エンジンを回すことに半分以上の興味がいっていたくらいエンジン好きです。

これはもう正式に弁天ヶ丘線の6号機にしてあげよう、と思い、夜はさっそくドレスアップ作業に入りました。まず、サブマフラはエンジンの前、上にのせることにしました。もともとのボディは、標準ゲージを12分の1に縮小したものですので、車体が非常に小さく、弁天ヶ丘線では違和感があります。そこで、ボンネット部だけを残して、キャビンを作り直すことにしました。
その昔、安価なNゲージのディーゼルや蒸気を壊し、キャビンだけをボール紙で作って、HOeの車両を作った思い出が蘇ります。懐かしいですね。今でも忘れませんが、60年代のTMSに掲載された外国人の記事で、ミニトリックスのCタンクにキャビンを新調して次々にナローの機関車を作るというものがありました。あれで、ナローの道に入った森なのです。
<新ガソリン機関車登場>

例によって段ボールでモックアップを作って、「感じ」を掴みます。日頃、こうやって感じばかり掴んでいて、本物を掴みきれないことが多いです。写真では、本来のキャビンがまだ付いた状態に被せています。灰色の部分が屋根ですから、ずいぶん小さいでしょう? これくらい、ナローの機関車は大きくなる、ということ。屋根の上にあるのはライトのつもりでしょう。煙突も立っています。キャビンを少し前に持っていって、可愛らしさを出しているのですが、ちょっとバランスが良すぎます。ナローの機関車は、バランスがどことなくずれているところが「味」となり、少々のアクの強さが格好良さにつながるのです。
というわけで、こんなふうになりました。キャビンを後ろへ下げたのは、燃料タンクのハッチを生かすため。また、モックアップほど屋根を高くはできませんでしたが、代わりに幅を目一杯広げて、弁天ヶ丘線の標準の300mmとしました。非常にアンバランスです。もともとキャビンのすぐ前にあった煙突を前部へ移動(ダミィ)。大きなサブマフラは、キャビン内の前部中央にデンと据え置きました。排気は屋根の上に出ます。後方は、操作のためオープン。屋根は、始動時に紐を引っ張るため取り外しができるようにしました。

錆び錆びだったボディですが、ボンネットの部分だけを使います。キャビンの部分は溶接されていましたが、すべて分解しました。錆を丁寧に落としてから、錆止めのグレィを吹き付けました。
新しいキャビンはシナベニアと角材で作りました。非常にシンプルなデザインで、実物は鋼製をイメージしています。オープンデッキに平たい屋根だけがある、という想定なので、窓枠もなし。前部の庇だけはボール紙で作りました。
あっという間に出来上がり。ボディはブルー。屋根だけシルバ。ナローらしい怪しさが出てきました。まだ、ライトやレタリングや、いろいろ取り付けるつもりなので、ちょっと寂しいですが、ここでまた試運転です。
後方のルックスが特に良いです。運転手は後ろからしか機関車を見られないわけですから、後方のデザインは重要ですね。なんとなく、メカがごちゃごちゃしている、というのが良いと思うわけですが、そんなふうに思う人はあまりいないでしょう。

さて、デッキを走り抜けましょう。スピードは相当出ます。逆に、トルクはあまりありません。もっとも車体が軽量なので、簡単にスリップします。一人で走らせる機関車でしょう。ちなみに、ギアチェンジはなくて、遠心クラッチによるオートマティックです。ニュートラルはありますし、バックもできます。
見慣れない乗用トレーラが出てきました。作ったばかりの新車です。まず、座るところは、道具を運ぶために以前に作った黄色の無蓋車。これにベニアの蓋をのせただけのもの(ストッパくらいは付いていますが)。これと機関車の間にある低い車両は、運転手が足をのせるためだけの車両です。つまり、2軸車2両で乗用トレーラになる、というボディなし4軸ボギィ車みたいなもの。足をのせる車両には、必要なときにはバッテリィを載せられますし、蒸気機関車ならば、石炭や水を載せられるでしょう。乗り降りにはコツがいりますが、走っているうちはいたって快適です。

翌日も休みでしたが雨。外に出られません。しかし、どちらかというと、そちらの方が楽しいのです。さっそくディテールアップ作業。写真は、それが一段落したところ。まず、屋根の上にヘッドライトが付きましたね。それから、サイドには「5」のナンバも。隣に、ブルーの蒸気機関車がいますが、これに比べると背が高いです。

ベルを取り付けました。写真の左です。これは、モデラならば必ず、クリスマスのときに各サイズを買い溜めしておくパーツです。たぶん、1つ数十円。ベルはアメリカの機関車に多く装備されています。それから、反対側にはホイッスルのラッパも付けました。これはプラスティックのパーツをヤスリで削って作りました。もとは何だったのか不明。
屋根の上の写真、少しピンぼけですが、ヘッドライトは、缶スプレィのキャップです。内側の反射板は、キッチンで使う計量スプーン(50円くらい)。豆電球が入っています。後ろにあるのは、排気マフラ(これは鉄パイプ製)。
なんというか、こういった工作をしていると、自分はスケールモデラではないな、と自覚してしまいますね。本物のとおり作ろうという欲求はまるでなくて、手近のものをいかに活用するかばかり考えています。子供のときの工作が、多少本格的になっているだけなのです。

一応完成です。爽やかな色をしていますが、下回りのように、もう少し汚れた方がらしいと思います。ボンネットの前のグリルは幾つか歯抜けになっていますが、これもこのまま。そうですね、あとは、前部の連結ブロックとバッファを付けようかな、と考えていますが、いつのことになるやら。
後ろのライトは赤いのです(単に白色の豆電球が手持ちになかっただけ)。見えませんが、ライトの電池は、単2が2本で、屋根の裏(天井)にあります(屋根を取り外すため)。
通常、機関車は、車輪の軸がモータとギアやチェーンで繋がっているため、押したりしても、軽く転がるようには走りません。ところが、エンジン機の場合は、ニュートラルにすることができて、車輪の回転がフリーになります。これは、つまり、後ろから押してもらえば、簡単に(形だけの)重連が可能だということ。以前にそれをやった写真をレポートしました。夜間などは、騒音のため、エンジンをかけることができませんので、トレーラ側に動力を付けて(たとえば、3号機グースみたいに)走らせる手もあります。機関車以外のものに動力を付けることを、鉄道模型用語で「ユーレイ」と言いますが……。もっと進めて、この機関車にモータも装備してしまう、というアイデアはいかがでしょう。いわゆる「ハイブリッド」です。これは、ちょっとやってみたいな、という感じ。しかし、1つ作ると、3つくらい作りたいものが増えるような気がしてなりません。
<営業運転快調>

デキ3も久しぶりに走らせました。ボディのつなぎ目に錆が浮いてきていて、非常に実感的(笑)になりました。たぶん、そこだけ、ハンダ付けのフラックスが残っていたのでしょう。これを利用して、フラックスでナチュラル・ウェザリングの技法を開発したら、凄いですが、やろうと思ってもできないでしょう。
デキ3は、車内にバッテリィが搭載できません。トレーラ側に積まなければならないのです。写真のトレーラは運材車の変身後ですが、前部ポケットに入る小さなバッテリィが寿命のため、新しいものに交換しました。ところが、1800円という安価に目が眩んで買ってきたら、背が高くて、このポケットに入らないのです。しかたなく、足許に載せて走らせました。あまりぎりぎりのデザインをしていると、こういうことになります。

AB10が駅に停車中。外回りエンドレスの本線を、つぎつぎ車両を変えて走らせたいので、このように、方々に待機させて、道を開けることになります。
駅というくらいだから、ここが乗・降車する場所のつもりだったのですが、線路配置がそれに相応しい状況にまだなっていません。つまり、駅からは、エンドレスのどちら回りにも出ていけるようにしたいし、どちらからも進入できるようにしたいのですが、残念ながら、今のところ、良い方策を思いつきません(乗客のことなど真剣に考えていないという噂も)。
もう1枚は、同じ場面を西口から撮影したもの。駅に停まっているAB10の最後尾の赤いカブースがここにきます。本線では、現在デキ3の列車がポイントを通過中。ちょっとわかりにくいですが、新しい乗用トレーラ(上のガソリン機関車のところで紹介した新車)を引いています。その向こうに、紺色のヴァンのボディがあります(白い「AB」のレタリング)。運転手が乗るために取り外されている状態です。
それでは、今回は、デキ3が西本線の小さなエンドレスを回る映像を……。鉄橋の音が、わかるでしょうか?
デキ3で西庭園本線一周(1.1Mb)(面白さ★★★)
<コーヒーブレーク>
普通は呼んでも来ませんが、散歩にいきたくなったり、お腹が空くと、擦り寄ってくる元監督です。人が変わるというか、犬が変わるというか、節操というものがない、現金主義というか、人の目を気にしないというか……。ガレージにもときどき勝手に入ってきて、あちこち歩き回ります。2階へも上がれるので、こうして書斎までやってくることもしばしば。口を開けているのは、外に出してほしい、という顔です。だいたい、接着剤をつけようとしているときとか、ハンダごてが熱いときとか、手が離せないときにやってくる傾向があります。

ボールドウィンのB1タンクは、本当に何台持っているか、数えていません。同じ形式の機関車をこんなに沢山持っているのは、サドルタンクのポーターの亀の子とこれくらいでしょうか。本レポートにも何度も登場しています。キャビンの後方にある薪を載せる上に張り出した部分が特徴です。
最初に手に入れたのはHOeのエンドウ製のものでした。その次が乗工舎かな。でも、最初に見たのは、このつぼみ模型の機関車です。当時はモータが大きくて、ちょっと長めですが、それでも、実に小さくできています。HOnですので、ゲージは10.5mm。世の中にはHOなのに16.5mmではない機関車や線路があるのか、と驚いた頃ですね。もちろん、当時は、名古屋ではナローの製品を見ることはできませんでした(子供なので、模型店を知らなかった)。どこでどうやって買えば良いのかわからない夢の製品だったのです。

引き込み線の奥にある車庫の横に、錆びた焼却炉が置かれました。これは、エコーモデルのキットではありません。本物です。庭に落ちていた(草むらの中で横倒しになっていた)ものを持ってきました。小型で可愛らしいです。もう何かを燃やすことはないと思いますが。
<弁天ヶ丘線全員集合>

秋晴れの週末到来。満を持して(充分にバッテリィをチャージして、という意味です)、弁天ヶ丘線の列車が朝から出動します。まずは、AB10が率いる混合列車です。屋根の上にコントローラをのせているときは、3両目の客車にお客さんを乗せるモード。青いボックスカーのボディは既に庭先に出ているのが遠くに見えます。
何周か回ったあと、西庭園本線に入ってデルタ線付近で待機中のショット。ローアングルで撮ると、草もちょうど良い感じに。実際には、この客車が乗用トレーラですから、このボディを外してお客さんが乗るわけですが、その後ろに3両続く貨車たちの発する音がとても良い、ということが乗るとわかります。列車というくらいですので、できれば数両連結して走りたいところです(ただし、脱線の確率は高くなります)。

ガレージの南口から駅へ出ようとしているデキ3。こちらは、2両分割型の新乗用トレーラを牽引しています。バッテリとコントローラが足置き車に。
同じトレーラを従えて、今度はガソリン機関車が出てきました。紐を引いてエンジンを始動。アイドリング音も快調です。ただし力はありません。この機関車は非常に軽量です。こうしてみると、バッテリィが不要。つまり充電もいらない。ガソリンさえ入れたらすぐに走る。この手軽さは、機関車を持ってどこかへ行くような場合は大きなメリットといえます。

久しぶりにグースも出動しました。北のデッキへ上がってきました。ショートカブースを牽引しています。グースは1モータの1軸駆動ですが、駆動軸の上に人間が乗るため、付着は充分。勾配も大丈夫です。
デッキで機関車の音がすると、元監督が「出せ出せ」と吼えます。しかたなく、誰かが出してくれます。この車両がここへ上がってくるのは珍しいことなので、今日は何かあるな、と気づき始めた元監督です。そのとおり、午後からのパーティの準備でした。
<アニバーサリィ>

欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線が開通して2周年になります。これを記念して、パーティが行われました。ちょうど20人のお客様が招待されました。リビングで乾杯・立食のあと、気候が良いので、デッキに出て歓談中。
弁天ヶ丘線は、開業以来、大勢の乗客を運びました。だいたい、週末には平均2組は来客がありますので、のべ人数は何百人という数になるでしょう(把握していません)。何度も乗っている人もいますが、そうした重複を入れず、乗ったことがある人の数は、というと、たぶん100人くらいだと思います。しかし、森以外に運転をしたことがある、という人は、スバル氏、長男S氏、長女M氏の他には、『ミニチュア庭園鉄道』の編集者のN氏くらいだったのです。今回、整備に整備を重ね、安全確保にある程度の確信が持てましたので、一部車両、一部路線に限って、体験運転会を行う運びとなりました。
交替交替でグースにまたがって運転を体験。乗っている人は楽しいし、それを見ているのも和みます。デッキ上は、勾配がないフラットな条件なので、直線では速く、曲線で遅くなることにさえ慣れれば、運転は非常に簡単ですし、危険もほとんどありません。一人だけならば、足を広げればすぐに止められます。万が一脱線しても、転倒する危険はありません。

やっぱり、乗せてもらうよりは、自分で運転した方が楽しいでしょうね。人がやっているのを見ている分には、どうってことはないのですが、いざ乗ってみると、どんなに低速でも、加速感があって、線路の状態も躰によく伝わります。それがまた楽しいのです。子供のときに、これに似た体験があって、それは、ずっと長時間できるものではなかったはずです。

デッキで運転の練習をしたので、今度はガレージ線でワークディーゼルに挑戦です。こちらのエンドレスも、比較的フラット(といってもかなり勾配がありますが)で、急カーブもなく、安全なコンディションです。
ワークディーゼルは、コントローラが抵抗切換方式ですので、ちょっと難しいかも。しかし、エンドレスですから、オーバランしても大丈夫。のんびり運転が可能です。走りながらの撮影をする余裕も……。

こちらは、世界一小さい5インチレイアウト。ガレージ内の半径1mのエンドレス。ビッグワークでここをぐるぐる回りますが、乗れる人は、体格的に制限されます。躰の硬い人も無理です。ビッグワークは弁天ヶ丘線の車両の中でも、2番目に力が強く、つまり、半径1mというのはそれほど過酷な条件ともいえます。やはり、ボギィの電車形式が最適でしょう。
中に座って、足がフックにかけられれば、あとは運転は非常に簡単です。これも傍から見ていると可笑しいだけですが、乗ってみると、癒されますよ。何周でも回っていたくなります。

皆さん、だいぶ慣れてきました。グラスを片手に運転です。酒気帯び運転は、ここだけにしましょう。自動車の運転に比べれば、ハンドルがないだけ簡単で、手放し運転も楽々です。しかし、スイッチがどうしてこんな操作しにくい位置にあるのか、という人間工学的な問題点はあるかも。
このデッキには、かつてバーベキューのコンロがあったのですが、老朽化したため廃棄。その蓋が、上で写真をご覧に入れた車庫の屋根になり、耐熱レンガが、新線の土木工事に使われました。以来、バーベキューパーティは行われていません。

なんとなく、カメラを向けると、ピースサインをしたくなるみたいです。不思議ですね。とても有名な方が写っていましたが、おわかりになった人は、黙っていましょう。
このあとは、表の本線に出て、混合列車の客車に一人ずつ乗ってもらいました。このコースの運転はまだ人にはさせられません。ちょっと危険な箇所があるためです。したがって、森が運転し、カメラマンがいないため、その模様は撮影できないのです。でも、風景が流れ、橋を渡り、高架を走り、森の中を抜けていくシーンは、やはり西庭園本線にしかない醍醐味です。
玄関前で停車するAB10の混合列車。玄関のレンガの上には、リボンのついた花の鉢植えが置かれています。これもパーティのためのプレゼントでした。どうもいろいろありがとうございました。

というわけで、実はこれ、弁天ヶ丘線のためのパーティではありませんでした。もの凄く大きくて美味しいケーキをいただきました。お疲れさまです。お越しいただいた皆様には、A&B特製記念バッジをもれなくさし上げました。またのお越しを……。
/☆Go Back☆/