森博嗣の定理集1
update:96/08/30
無能の定理
無能な人に仕事を依頼することは、善良な人の時間を取り上げることである。
いきづまりの第一法則
人が仕事でいきづまっているとき、それは、最良の解決策を知らないのではなくて、それを最良だと信じられないか、最良だけどやりたくないかのいずれかである。
上下関係の反作用の原則
よい上司かそうでないかは、部下の問題である。
同様に、よい部下かそうでないかは、上司の問題となりうる。
問題と解決の三大法則
問題から遠ざかるほど、問題は大きく見える。
問題を遠ざけることはできるが、理由は消えない。
解決したと思ったのは、問題が始まったことにすぎない。
(応用:問題だなあと思ったのは、解決の始まりである)
目立ちの定理
自分が目立ちたいと思うほど、他人が羨ましい。
足引き君の定理
有能なグループには一部の無能者が必ず存在する。
チームワークの成功には、チームワークに障害となる一部の人員が不可欠である。
羨ましいの定理
自分の成功は過程に価値を持たせたいのに、他人の成功には結果に価値を見い出す。
ひずみの定理
全体構造に予想外のゆがみが生じるのは、部品がプレスストレスの状態で組まれたからである。
(適用:グループに不和が生じるのは、もともと不満のある人員を加えたことによる)
オブジェクト指向の基本原則
オブジェクト指向を仕様で実現することはイカサマである。
オブジェクト指向をしようと思ったときは、モノを作るときではなく壊すときである。
オブジェクト指向は忍耐の賜である。
オブジェクト指向ができたと思ったとき、走るプログラムはなくなっている。
オブジェクト指向は生まれながらの性質でなくてはならない。
ゲームの達人の教え
スコアが伸びる時期には、何も身についていない。スコアが伸びない時期に学んでいる。
(応用:スコアが伸びているときにそのゲームから身を引くことが最も合理的である)
責任感の教訓
正義感と責任感のある人は、正義感と責任感に溢れた発言に尻込みするものである。
カッとする人の定理
誰も自分以外の原因ではカッとしない。
カッとするときは、一般論が必ず一般論でなく解釈されている。
能率化の基本定理
有効なシステムを構築するためには、無駄な部分を捜し、この存在価値を認めることが必要である。
時間の第一定理
早すぎるということはない。
(解説:美しすぎるということがないのと同じである)
時間の第二定理
遅すぎると、遅いとはあまりかわらない。
会話と思考の三大パターン
「つまりね」と言ってから考える。
「だからね」と言ってからもう一度考える。
「しかしね」と言ってから他の話を考える。
説得の定理
相手を説得しようと躍起になる人ほど、絶対説得されない。
会議の不適性
「世の中にはいろいろな考えの人間がいる」という真実を知っている賢い人間には、会議は向かない。
問題源の法則
あらゆる問題は、問題に気づいた人間を中心に分布している。
(解説:どちらから風がふいても、その人に向かって吹くのと同じである)
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