〈この絵を描いた画材のことなど〉

元来めんどくさいことが苦手なので、えらくシンプルです(笑)。
    
紙は、そこいらへんで買ってきた表紙用の原稿用紙。
たぶんキャンソンでしょう。
主線はB鉛筆です。
下絵はBBケントの細目。 トレース向きの薄手の紙だと、どうしても線の走り方が
荒くなるので、わざと原稿に近い画用紙を使っています。
厚紙二枚重ねのトレースは、それはそれで大変〜なんですが(笑)。
    
主線を鉛筆で入れたら、紙の表面を水でそっと洗います。
余分な鉛筆の粉を流すのと、紙の表面を落ち着かせて、絵の具のノリを良くするため。
ただ、このやり方は私が日本画出身で、麻紙の表面に浮いた余分なドーサ(ミョウバン
と膠の混合液・にじみ止め)を落とすためにやっていたことの名残ですので・・・。
キャンソンやBBケントの細目だと、あんまり必要ないかもしれません。
(膠の強いフランスのアルシュ紙なんかだと、洗いが入るとかなり違うみたいですが。)
    
使用した絵の具は、ペリカン社の透明固形水彩・24色。
18の時に母が入学祝いに買ってくれたモノ。 我ながら物持ちのいいヤツ(笑)。
じっさいに使ったのは10色くらい。
大きな瀬戸の絵皿をパレットに、少しずつ混ぜて欲しい色を作っています。
筆は中位の面相筆。 ぼかしこみのため、水用と2本。
あとは、マリアのスーツの白線用にDr・マーチンのブリードプルーフ・ホワイトと、
花と葉のアクセント付けのためにパステル鉛筆を2〜3本。
以上です。
    
物語の内容が、紅蘭の珍発明のおかげで(またか〜!)
「みんなのそれぞれの記憶の中にある、子供時代の自分のイメージが実像化してしまう」
というものなので、手前の子供時代のふたりはセピアを基調にあっさり塗っています。
ただ、髪もセピアだと誰だか分からないので、それなりに色は入れていますが。
タチアオイの花畑もマリアの子供時代の記憶に出てくるものなので、10ヶ月も前から
写真撮ったり写生したり、えらい手間かけて準備した割には、ど〜でもよく描かれてい
るあたり(笑)。
「本番で咲くモノグサの花」ちゅうヤツですな。
大人のふたりも、あんまりはっきり立たせると浮いちゃうので、濃い色をポイントに置
く以外は全部色をぼかしこんでいます。
    
本当はもっと滲むようなイメージでまとめたかったのですが、それには透明水彩よりも
カラーインクの方が向いていたのかもしれません。
ま、めんどくさいことの苦手な私にはどだい無理なハナシか、と(笑)。

                                        
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