「クリスマスのニケ」 解説・・・・のよーもの!?


さてさて、とんでもなく読みづらい「絵コンテ集」な〜んてシロモノを、
手にとってくださったスキモノ・・・あ、いやさ、奇特なみなさまへ。
どうもありがとうございました。
「絵もセリフもきったなくて、ここんとこ分らんぞい、どう読むんじゃっ!」
・・・・・ごもっとも。  メールください、ご説明申し上げますので(笑)。
      
     
「シークレット・シグナル解説」の前に、ワン・エピソードなぞを・・・
     
「クリスマスのニケ」の絵コンテは、実は「江戸桜」が初おろしではありません。
何人かに見て頂きました。 その中のお一人から、メールを頂戴しました。
         
「『スケバン刑事 if 』、お読みになりましたか?」
                    
いんにゃ。 んでもって、走りましたよ、「三省堂・町田店」へ!(笑)
いやいや、わたしゃ東京五輪のちょい前生まれのオバチャンでございます。
ゆえに、「花とゆめ」の創刊は小学校5年生のとき。 表紙は「こやのかずこ」さん。
ビンボなわたしにゃ買うすべもなく、当然教室で廻し読み。
みんな、みんな、ビンボーだったですもん、私たちの世代は。
「アラベスク」(山岸凉子さん)でしょ、「白百合の騎士」(美内すずえさん)でしょ、
・・・・あ、「ガラスの仮面」の前にあったのよ、全2巻「ジャンヌ・ダルク物語」が。
あと、看板作家はホームコメディーの名手、こやのかずこさん。
「アイラブ湯」と「おでんグツグツ」、どっちが先の連載だったかしらん?
     
第一回目の「アテナ大賞」も、はっきり覚えてるんだな〜、これが!
「金のバラ賞」がキョーフのギャグ・コメ作家 泉 左京さん(石川県出身)。
「銀のゆり賞」は、おかしずか さん(静岡県出身)。
「特別賞」のふたりは、ゆき ひろ さん(京都府出身)と
(この方の作品、大好きでした!)
  
神坂智子さん。 ・・・・・今思うだに、とんでもない顔ぶれ・・・・(笑)
            
そして、そして、一番「のめりこんだ!」のが和田慎二さんの「スケバン刑事(デカ)」。
別冊マーガレットに発表された「大逃亡」(奇しくも主人公の名前が「マリア」)の
「続」として、連載が始まりました。
「教師刑事(デカ)」の沼先生、顔の左にアザがありますね。
マリアが硫酸ぶっかけたんです、少女少年院を
(ヘンな日本語・・・)脱走するときに。
沼さん、オニの保護司役(でも、趣味はお耽美・ドライフラワー造り! 笑)
    
「大逃亡」は全1巻、マリアが大地震の際、追ってきた沼さんをとっさにかばって
  命を終えて、エンドです。
(そこいらへん、ちょこっと拙作「てなもんや」で描きました)
    オニの保護司だった沼さんの、「オニの心」が溶けます。
    
そして始まったのが「第2のマリア・麻宮サキ」を主人公とした「スケバン刑事」でした。
       
これは余談になりますが、「サクラ大戦」の制作者、当時の「花とゆめ」読んでいます。
 
絶対!
マリアが「ウクライナ・キエフ出身の、ロシア人と日本人のダブル」なのは「アラベスク」。
主人公の、普通より背が高すぎるせいで才能を認めてもらえないバレリーナ
「ノンナ・ペトロワ」がキャラ造りの要素のひとつになっています。
ウクライナって、本当はロシアよりもポーランドに近い文化圏、ゆえにロシアから政治的、
文化的にかなりひどい迫害を受けていた土地ですから・・・・。
(極北の国・ロシア帝国は「海軍の不凍港」をキープするために、
          黒海に面したウクライナを手放さないのです。)
「ロシア」から逆算したら、「キエフ出身・マリア」はありえません。
ウクライナは革命混乱期にドイツと手を組んで「スコロパツキー政権」を立ち上げ、
ロシアから「独立」しているのですから・・・・。(短命に終りましたが)
「隊長」の名前が「ユーリ」なのも、「アラベスク」の「ユーリ・ミロノフ先生」。
当時ありえないレイバンのサングラス(ありゃ第二次世界大戦のときに、アメリカが
空軍パイロット用に開発したモンですもん。)は「スケバン刑事」の「神 恭一郎」です。
      
さぁて、余談はこの辺で・・・(笑)
     
「スケバン刑事 
if 」、これは本編発表からさらに四半世紀を経て描かれた、もうひとつの
「スケバン刑事」の物語です。(出版:メディア・ファクトリー 790円・税別)
本編で激しく闘ったサキと麗巳、このふたりが、もしかして違う「邂逅(めぐりあい)」を
していたら・・・・? 主人公の名前は、「天宮祐希(ユキ)」と「氷室麗華」。
    
ここからは、ある漫画家さんから聞いた話。
     
和田慎二先生は、商業誌の第一線で活躍される漫画家。 そして、アシスタントさん(以下
「アシさん」と)たちにも、とても優しいことで有名です。 なにしろ少女マンガ界のアシ
さんといったら、みんな十代後半〜二十代の若い女の子、
「漫画家になりたい! 自分の描きたい世界を、沢山の人に読んでほしい!」
の一心で上京して、築20年木造モルタル四畳半のアパートに住んでいたりもするわけです。
(ま、そじゃないヒトもおりますが・笑。
 雨漏りのする団地の、押入のない二畳半、本の山に埋もれて、ふとんをタテに二つ折りし
 て寝起きしてたヤツなんかも・・・・・・・・・大・大・大・昔・の・私・だ・・・・笑)
そして和田先生は、たいへんな「愛妻家」としても知られていました。
       
一時期、和田先生はペンを置いて「原作者」になります。
最愛の奥様を亡くされたからです。
そのときに和田先生を支えたのが、アシさんたちでした。
忙しいスケジュールを調整して(なにしろアシスタントや駆け出しの漫画家はビンボーで当
たり前、みんな必死になって稼ぐわけで・・・)和田先生のお宅に全員集合!
「先生! ケーキ焼きたいのでキッチン使わせて下さーい!」
と、毎週「お菓子教室」&「お茶会」です、明るく、楽しく、賑やかに、和田先生を囲んで。
     
私が聞いたのはここまで。
if 」の巻末「初出」一覧・・・・おそらく和田先生は、そうやって再びペンを取られたの
でしょう。
第一章と第二章のエンディングは、「祐希」と「麗華」がふたりベッドで、裸で寄り添って
眠るシーンでした。
・・・・・・和田先生、もしかして、この抜刀質店めの 
夢枕に立たれましたか!?
いやはや、まったくの偶然とはいえ、ナンバリング44・左カットと、一緒でした(笑)。
     
さーてさて、長い長い「前フリ」はこの辺で。
      
最初は、まず私からみなさんに質問させていただきます。
     
「あなたは、セクシャリティー(マイノリティーを含む)
                     に理解がおありですか?」
        
・はい。    (
もしくは、 ええ、たぶん・・・)        
   
んなモン、関心ね〜よ。 なんだそりゃ? どこの国の「冷やし中華」じゃ?