川 村 門 下 会 ニ ュ ース  2003年7月1日号

皆さんお元気でしょうね。

川 村  英 司

 

今年は少し早め(3月30日)に日本を出発して今Wienに居ります。結構寒くて驚きました。やっと暖かくなってきましたが、また冷えてきています。オッカー先生からのメールではBremenはとても寒いそうです。

寒さのせいかAmselの鳴き声がとても少なく気になっておりましたら、2,3年前に大量に死んだそうです。原因は分からない様ですが、異変があったのでしょう。今年はイラク戦争のおかげで渡り鳥に異変が起きているとの事です。本当に迷惑な話です。イラクが大量殺戮兵器を隠していると断言して戦争に突入し、未だに見つからず、恥じなければならないのに、今度はシリアに隠していると言いがかり!隠しているのが分かっていたのなら最初にシリアを査察すれば良かったのです。イスラエルは国連の決議に一番拒否している国なのに、また原爆を持っていて、国連の査察も拒否しているのにもかかわらず、アメリカは知らん顔です。ブッシュとブレーアの顔をした2頭立ての馬車に乗って得意顔の御者シャロンと言った漫画を書いてブッシュとブレーアに贈呈したい気持ちです。4頭立てならラムスフェルトとニュー・コンのリーダーを加えたいですね。イスラエル(ユダヤ)の覇権主義の奴隷がブッシュとブレーアと映ってしまいます。イラクで略奪された貴重な品々がいずれはアメリカに渡ってしまうのではないでしょうか。破壊するだけしか能のないブッシュとブレーアに憤りを感じます。ユダヤ人総てが悪いのではなく個々の人は良い人が多く、政府が悪いのです。アメリカも同じだと思います。個人の問題ではなく国家の問題ですが、戦争をして得票を増やせる国は問題です。どんなに卑怯な事をしても勝てば良い国家像は悲しい事です。インディアンを駆逐して作った国家ですからしかたがないのですかね。勝手にパレスティナ人を押しのけてイスラエルと言うユダヤ人国家を2000年前はそうだったと創れるのなら、250年前の姿に北アメリカを戻すと良いのです。しかも二次世界大戦にユダヤ人社会から大量の戦費を捻出させた取引なのですから、全くひどい話で、パレスティナ人が国家独立に闘争するのは当たり前で、イスラエルがシオン主義(Zionisum)を本来の国家再建だけで止めれば良い事なのです。どんどんパレスティナの領土が削られているのです。世界中をイスラエルにしたいのでしょうか?決して僕はAntisemitではありませんが、シャロンやネタニエフの強硬路線には絶対反対です。何時までも解決しないばかりか、混乱が増すだけです。民族自決や自衛手段さえテロと言うブッシュの単細胞とその背後のニュー・コンが事を大きくしていると思います。中東に関する温度差が日本とヨーロッパではかなり違う様に思います。ニュー・コンのメンバーの殆どはユダヤ人でしょう。

 

このままでは混乱に乗じてイスラエルがパレスティナ人を抹殺して中東をユダヤ人国家にさえしようとしているようにしか思えません。その状態を嘆いている真っ当なユダヤ人もいる事でしょう。

 

話は戻りますが、今年は復活祭が非常に遅くOstersonntagが明日(4月20日)です。おかげでKarwocheのfastenを経験できました。僕にとっては一年中fastenすると体調のためには一番良いのでしょうが、どうしても食べ過ぎの傾向です。5,6Kg減量すると体重が66,7Kgで丁度良いのでしょう。努力したいと思いますが!?意志が弱すぎる様です。

 

着いた翌日早速Doblingerの古本部に出掛けましたが、Schubert‐Lexikonが特価で出ていましたが他にめぼしいものがなく、残念でしたが月末に遺産処理の楽譜が纏って来るそうですので、また来月早々にも他の遺産処理の楽譜が来るそうでこの中にも貴重なものがありそうとのことなので、楽しみと言っては申し訳ないのですが、真っ先に僕に見せてくれるとの事なので掘り出し物があればと期待しています。

 

ヴィーンの楽友協会のArchivはKarwocheは閉館でしたが、国立図書館と市立図書館はKarfreitag以外は開館していますので通っています。

 

Fastenの話のついでにこちらの風習を話します。勿論の事知っている人には興味がない事ですが、Gründonnerstagにはすり餌みたいな、どろどろにしたペースト状のほうれん草に目玉焼きと茹でたジャガイモを食べます。Karfreitagには敬虔なクリスチャンはパンを少しかじるだけです。イスラム教のラマダンとは根本的に違いますが、キリストの受難を心から悲しむ習慣は年を取った人ほど確実に実行している様に思います。特にこの期間に教会にも通います。若い年代は宗教に関心を持たなくなっていますし、矛盾も感じている様です。僕の知り合いで教会から脱会した人も居ます。

 

明日は復活祭の日曜です。3月21日以降の最初の満月後の第1日曜日がイースターです。年によって早かったり遅かったりするのはそのせいです。明日(イースター日曜日)は友人宅に招待されています。ケーキ作り名人の夫人が居ますので、どんなNachspeiseが出てくるかとても楽しみです。玄人はだしのすごいケーキを作ります。

 

来週はArchivその他で仕事をして27日にHamburgに飛びます。オッカー先生がBremenから出て来て下さり、LübeckとKielのBrahms研究所でBrahmsの歌曲に関する資料を見せてもらう事になっています。5月2日から4日までは例年のBDG(Bundesverband Deutscher Gesangspädagogen)に出席してきます。BDGの年次総会も今年は例年より遅いです。予定としてはDresdenでする計画で進めていたそうですが、ホテルの関係で不可能になりKarlsruheで行われます。BDGの内容に付いてはまた書く事にします。(4月上旬より下旬にかけて)

 

Hamburgに出掛けて以来、目の廻るような忙しさ、その第一原因は、早起きのOcker先生と一週間ご一緒した事です。朝6時、6時半に起きて準備をしなければ先生のペースについてゆかれません。しかも遅寝、遅起きの僕ですから、天変地異が起きたも同様で、早寝をするのに大変でペースが狂いました。その結果、今朝(5月19日)4時半に起きて続きを書いています。早寝、早起き三文の得と申しますから、さぞ得をしている事でしょう。今夜は東京ドイツ・リート研究所の勉強会の日で18時半から三上かーりん先生をお迎えして勉強会をしますので、寝ないように昼寝でもしなければと思っております。Ocker先生は必ずと言って良いほどお昼寝をします。またお昼寝をする習慣を持った欧米人は多い様にも思います。15分から30分の昼食後のお昼寝は健康にも良いのかもしれません。特に年を取ると見習っても良い習慣だと思いますが、僕の場合は昼寝がどうしても長くなり、遅寝に繋がりますので考えてしまうのです。昨夜は22時には寝てしまいました。しかもぐっすりと。

 

先ずHamburgに飛んだのが、Wien発7時35分のオーストリア航空で6時10分にタクシーを予約して出掛けました。9時10分にハンブルグに着きましたが、当日は「ハンブルグ・シティー・マラソン」で午前中は市内は交通規制で身動きが取れず、遠回りをして、Lübeckに向かいました。先生の娘さんご夫婦がLübeckに住んでおられ昼食はご招待されました。「子供は皆可愛いけれど、娘は格別だよ!」と羨ましがらされました。そうだろうな−!と思える雰囲気で、お孫さん二人(男)を相手に、とても良いお祖父さん振りを発揮していましたし、義理の息子さんとも大変良い間柄に見えました。

Lübeckへの途中回り道をしたついでにと、かつての先生の伴奏者宅を突然訪問し、数分歓談しました。ピアノの大場俊一さんと一緒にDetmoldで勉強されたそうです。

 

昼食後にLübeck市内見物を娘さん夫婦がしてくれました。戦争中に先生もLübeckで軍隊生活をされ大空襲の3日前に転属になったと聞きましたが、先ず焼夷弾で焼けるものは焼き、その油性の物質をかぶった一般市民が焼け爛れケロイド状の被害者ですごい惨状だったそうです。一般市民を攻撃することは国際ジュネーヴ条約で禁止されていたはずですが、チャーチル曰く「ドイツ人は罰せられるべきだ!」の一言で、無責任になったようです。戦争は人間を悪魔に変えるのです。何処の戦争でも、誰でも、その可能性があるのです。しかも文化、伝統をめちゃめちゃに破壊するのです。

 

バーミヤンの仏像を破壊したと世界中がタリバンを非難しましたが、今回のメソポタミヤ遺跡など、今回破壊された人類の遺跡とどちらがより重要でしょう。当然ブッシュ大統領に非難ごうごうであってしかるべきです。

 

ドイツの各都市は破壊され尽くしました。1958年夏休みにドイツを旅行しケルンの町の瓦礫の山に愕然としたことが思い出されました。

Lübeckの街も瓦礫の山だったそうで、国際的な援助も無く良くここまで復興したものと驚きました。破壊されたドームの大きな釣鐘が鐘楼から落ちたままで保存されているのが、すごい米英に対する皮肉に見えました。

 

ドイツの一般市民が戦争には反対の姿勢を持っている事は過去の経験から “No War“ と言うのは当たり前で、原爆を2発も落とされた日本(小泉)が真っ先にアメリカに支持表明するのは許されない事です。アジア諸国を刺激してまで靖国神社を参拝する鷹派の小泉ならではの事でしょうが、北朝鮮には弱腰、アメリカには追従、では日本の主権は何処に行ってしまうのでしょう。ブッシュのポチと言われても仕方ないのでしょう。

 

改革は何も出来ず、掛け声だけの小泉首相、何も出来ずと言うより総てを悪い方にしかもってゆけないで、構造改革!構造改革!と叫んでいれば良いと思っている単細胞首相とそれに何時までも騙されている一般市民。また彼以下でしかない陣笠ども。単なる税金泥棒に政治を任せて良いのでしょうか?もっと怒るべきでしょう!年金も然り!政治家だけは特別な年金制度です。

公明党しかり!創価学会の化身でしかないのが自民党に擦り寄っているのですから始末に終えない!

 

元に戻ります。翌28日9時にInstitutを訪ねる事をOcker先生が約束して下さっていましたので6時半起き、7時半から朝食で8時半に出発しましたので9時前につきましたが、先方は準備して待っていてくださいました。 

 

Brahms Institutには、ある篤志家が収集していたBrahmsの初版と再版の他、自筆楽譜や清書楽譜なども集めており、戦火を逃れていたものを全部寄付して作られたものでした。ある時期にはHamburg音大に置いてあったやにも聞き及んでいましたが、独立した研究所として素晴らしい独立した建物を持っており、文化国家とはドイツの政治家は言わないが文化のあるお国振りを見せられた感じです。

 

色々参考になるものを見せてもらい、比較したりで1日が終わりました。Ocker先生も色々比べる事がお好きな様で色々見ておられ、違いを見つけると Eishi!メ とお呼びになり違いを検討しました。夜は娘さんがHannoverに仕事で出掛けられたので男ばかり5人で1400年代に出来た倉庫のようなアメリカの歴史よりずーっと古い建物のレストランで食事をしてから眠りにつきました。

 

翌日はKiel大学のMusikwissenschaftliches Institut der Universitaet KielのBrahms Ausgabeで話をして貴重な本などを見てきました。僕の疑問点については何時でも相談に乗ってくださるそうなので心強く感じました。Ocker先生の人脈の一端を垣間見た感じでした。

 

所長さんがぜひHamburgのStaats‐ UniversitaetsBibliothekのHandschriftを訪ねると良いとの事で、電話でアポイントメントを取ってくださり、見たい資料は晩にメールを送ってくださいとの事でした。原調版と低声用で伴奏形が違うのはBrahmsが手紙でSimrockに色々最終的な指示を出しており、それらを勘案しなければ正確で無い旨教えてもらいました。

 

夕方Kielを発ちHamburg経由でBremenの先生宅に落ち着き、早速翌日見たい Hamburugの資料から特に見たいものを選り出してメールを送りました。予定外のHamburg訪問は30日の8時24分発の急行でBremenを発ち10時半から丸一日自筆楽譜、清書楽譜、校正刷りなどを比較して19時32分にBremenに戻りました。

 

5月1日はKarlsruheで行われるドイツ連邦声楽教師連盟(BDG)の年次総会に出席するために11時に出発する事とし、その前に児玉君を一時間だけ訪問しました。2月に生まれた赤ちゃんがとても可愛く、彼の今後の活躍を祈ってきました。夏休みには戻って来て7月18日に千葉県柏市の「さわやかちば県民プラザホール」でリサイタルをするとの事です。(柏駅よりバスで約20分)

 

BDGの内容など続きは「友の会ニュース」でお読み頂けると幸いです。

 

2002年度川村門下会会計報告

2002年4月1日から2003年3月31日までの会計報告を下記の通り報告します。

収入 2001年度分繰越金  \198,617-

利息  \141- 

支出  コピー代  \5,365-

連絡費(振込手数料を除く) \67,870-

送料    \13,580-

花束代   \22,575-

文房具   \1,774-

繰越金   \223,334-

収入合計 \266,628-  

支出合計  \266,628-

川村先生の演奏会に“川村門下一同”として花束をお贈りいたしました。

2003年度分の川村門下会連絡費(本年度分1,000円)を集めますので、下記の方法のいずれかにてお支払い下さるようお願いします。複数年度分まとめても歓迎します。

1.直接手渡し(清田真理子)

2.郵便振込 口座番号00120−7−661511 加入者名:川村門下会

3.銀行振込 東京三菱銀行八幡支店 普通預金口座番号0764558 川村門下会 清田真理子

郵便振込の用紙を同封致しましたのでご利用ください。既に今年度以降分をお支払い下さった方には、同封致しませんでした。なお連絡費をお支払いいただけない場合、他の会員の方々に負担がかかることになります。

長年にわたりお支払いいただけない場合、『川村門下会ニュース』の発送を控えさせていただいております。

上記の会計報告、及び連絡費に関するお問い合わせは、清田真理子までお願いします。