チェリーブランデーの名品 チェリー・ヒーリング
桜の花も見頃になり、いよいよ春の気配も濃くなって参りました。
そこで、今回はチェリーを原料にするリキュール、
チェリーブランデーを取り上げたいと思います。
チェリーを使ったリキュールとしては、赤い色のチェリーブランデーと無色透明の
マラスキーノに大別されます。チェリーブランデーはスピリッツにチェリーを漬け込んで、
色と香味を移し取る浸漬法で、マラスキーノは蒸留法によって作られます。
なお、「チェリーブランデー」という名前ではありますが、分類は「リキュール」で、
実際にさくらんぼを原料にして作ったブランデーは「キルシュ」と呼ばれます。
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チェリーブランデーの銘品としてよく知られているのが、今回紹介する
チェリー・ヒーリングです。デンマークのコペンハーゲンにある
食料品店の副支配人だったピーター・フレデリック・ヒーリングが、
永年勤続の褒賞として主人から授かったもの(代々伝わる
リキュール製法)がこのチェリー・ヒーリングの原型となりました。

原型となったレシピに独自の改良を加えて、1818年に独立と同時にリキュールの
販売を開始、以降チェリーブランデーの名品として名をはせる事となりました。
発売以降、数々の栄誉を受賞し、正面ラベルにも受賞したメダルが
プリントされています。一時期、その人気に乗じた類似品が出回ったため、
「ピーター・ヒーリング」と改称していた事もありましたが、現在は
なじみの深い「チェリー・ヒーリング」に戻しています。
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現在もデンマーク・コペンハーゲン郊外にあるダブリンの自家果樹園
では、13万本の桜の木があり、そこから取れる大粒のチェリー
のみを主原料にして生産が続けられています。
たいていのBarでチェリーブランデーといえばこの銘柄が置いてある
だけあり、その上品な香り、コクのある甘味、アルコールとの絶妙な調和と
とても味わい深い逸品となっています。
飲み方としては食後酒や寝酒として、ストレートでもロックでも良いですし、
シンガポールスリングを始めとするカクテルとしても楽しめるでしょう。
定価は3190円ですが、定番とも言うべきリキュールですので、
入手もしやすく、また定価よりも安く買えるケースが多いと思います。
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春の夜風を肴に、ナイトキャップにいかがでしょうか?