高貴なる薬草酒・シャルトリューズ
ヨーロッパでは昔から秘伝の極秘処方でリキュールを作っている
僧院がありました。この僧院で作ったリキュールを総称して
モンク・リキュールと呼びます。今回はこのモンク・リキュールの代表、
シャルトリューズを紹介したいと思います。
シャルトリューズはフランス・グルノーブル山中のラ・グランド・シャルトリューズ
修道院で作られていました。処方や考案者は不明ですが、その歴史は
古く、1605年、アンリ4世の式部官であるマレシャレ・デストレの
もとに不老不死の霊薬として奉げられた酒がシャルトリューズ教団
に渡ったものがその原型となります。この原型に神父ジェローム・モベック
が注釈をつけた処方がシャルトリューズ・ヴェール(グリーン)です。
(ちなみに、10年程前の世界名酒辞典にはカルト教団によって作られたと書いてありました。)
また、シャルトリューズ・ジョーヌ(イエロー)はヴェールに遅れる事74年、1838年に
神父プルーノ・ジャケの処方によって誕生しました。
シャルトリューズ・ヴェール(グリーン) シャルトリューズ・ジョーヌ(イエロー)
1970年以降は、シャルトリューズ・リキュールは民間企業で生産されるようになっていますが
ヴェール、ジョーヌとも原料、製造法は今も非公開になっています。
ブランデーをベースに130種類の薬草を使用し
5回の浸漬と、4回の蒸留を行うという事ぐらいしか知られていません。
なんだか、歴史の教科書のようになってしまいましたね(^^ゞ
味は、ヴェールがハーブの風味を強調した感じの味になっています。
ジョーヌは、ハーブに加えて蜂蜜のようなとろりとした甘さを持ったものになっています。
カクテルにもこちらのジョーヌのほうが良く用いられるようです。
アルコール度数は、高めでヴェールは55度、ジョーヌは40度とちょっとした
ウィスキー並みの高さを持っています。
このシャルトリューズが日本に入ってきた歴史は古く、明治時代にさかのぼるそうです。
当時は、薬酒として薬問屋が輸入していたそうです。
ヴェールの定価が4,800円、ジョーヌの定価が4,500円です。
(ディスカウントショップでしたら、2,000円台で購入いただけるかもしれません。)
ショートカクテルなどにも使われますが、通常はストレートがおすすめです。
最近、STOLASのシェフ(兼妻)はこのシャルトリューズ(ヴェール)を
ブランデー代わりにフランベに使うのを気に入っているようです。
ですので、お試しに購入頂いて、あまりお好みに合いませんでしたら、
料理に使っていただくとよろしいのではないでしょうか?