神秘の青 ボンベイサファイア
今回はその美しい青のボトルが特徴で人気のある
ボンベイサファイアをご紹介したいと思います。
ボンベイサファイアはもともと1761年に生まれたジンで、第2次大戦後の
1950年にプレミアムジンとして復活したブランドになります。
日本で入って来るようになったのは割と最近で、
1990年代に入ってからになります。
ボンベイサファイアの製法は他のジンとは一線を画しており、
世界中に4基しか存在しないカーターヘッド・スチル蒸留機という
ものを使っています。一般的なジンが風味を生み出す
ボタニカル(植物の種子や実、根)をスピリッツに直接浸しますが
ボンベイサファイアは3度連続蒸留した中性スピリッツを加熱・気化させ、
その蒸気を銅のバスケットに入れたボタニカルに通す事によって
香味を移し取ります。これはヴェーパー・インフュージョンと
呼ばれる方法でボンベイサファイア独自のものであるとの事です。
香味が抽出された原液は英国ウェールズにある
ヴェルヌイ湖の水とブレンドされて出荷されます。
ボンベイサファイアに使われるボタニカルは下記の10個、その使用割合は1761年のレシピに
基づいており、生産地も決まっています。
ザクセン(ドイツ)産 |
アンジェリカ(根の粉末) | 日本名はよろい草・製菓材料としても使われる |
スペイン産 |
アーモンド(オイル) | アーモンドを挽いて絞り、精製したオイルを使用 |
スペイン産 | レモンピール(皮) | 最高品質のレモンピールを使用 |
イタリア産 | オリス(根) | すみれのような香りをもつハーブ |
イタリア産 | ジュニパー・ベリー(実) | 杜松の実・ジンに必須 |
モロッコ産 | コリアンダー(種) | 種を挽いて粉状にしたものを使用する |
西アフリカ産 | グレインズ・オブ・パラダイス(種) | アフリカ西部固有の熱帯多年生植物の種子 |
中国産 | リコリス(根) | 別名甘草・薬としても用いられる |
インドシナ産 | カシア(樹皮) | 別名桂皮・シナモンの香りに近い |
ジャワ産 | クペバ(実) | コショウ科の蔓性植物 |
これらのボタニカルはボトル側面にエッチング加工されています。
また正面ラベルにはヴィクトリア女王の肖像とサファイアがあしらわれ、
美しい青いボトルとあいまって独特な雰囲気をかもし出しています。
デザインを重んじるボンベイサファイアはそのボトルだけにとどまらず
様々な分野の”デザイン”に関してサポートをしています。
その内容はガラスデザインに関する基金の設立、若手デザイナーの
イベント・展覧会の支援、奨学金の設定、他にも
マティーニグラス・デザイン・コンペティションの世界大会を
主催するなど多岐に渡っています。
さらにボンベイサファイアの公式サイトは2002年にウェブ・マーケティング
協会(WMA)主催の第6回ウェブアワード・コンペティションにおいて、
名誉ある「スタンダード・オブ・エクセレンス賞」を受賞するなど
”デザイン”にこだわる活動を今後も進めていく方針です。
※今回ボンベイサファイアを掲載するにあたりネット検索を行なってみたところ
世界中で注目度と人気が高いようで、今まで取り上げた品に無い程
たくさんの興味深いサイトが見つかりました。
その中でも特に面白そうなページをいくつかご紹介させて頂きたいと思います。
このボンベイサファイア、定価は2800円ですが、ディスカウントショップでは
もっと安く入手可能です。大体1500〜1700円くらいで
買えるのではないでしょうか。
(ちなみに1992年当時の定価は5,000円でした!)
味としてはほのかに甘みがあり、ジュニパーベリーの香味が
ソフトかつ他のボタニカルとの調和を持った味のため、
ジンが苦手という女性の方でもスムーズに
味わう事が出来ると思います。
カクテルベースとして使ってももちろん良いのですが、
(公式サイトではカクテルレシピも掲載されています)
よく冷やしてストレートやロックで飲むのが
お勧めであると思います。