世界一売れている酒 バカルディ

 

今回は世界最大の出荷量を誇るスピリッツ、バカルディのラムを

取り上げたいと思います。「バカルディ・カクテル」をはじめとするラムベース

のカクテルを作るためのベースとして、ほぼ全てのBarに

用意されているといっても過言ではないでしょう。

 

バカルディ・カクテル・・・バカルディ社が禁酒法が廃止されたアメリカに

自社のラムを売り出すために作られたショート・カクテル。

同じレシピでも他社のラムを使用するとピンク・ダイキリになります。

1936年、「バカルディ・カクテル」に使うラムは「バカルディ・ラム」でなければ

ならないというニューヨーク高裁の判決が出たことはよく知られたエピソードです。

 

 

バカルディの歴史は創始者であるドン・ファクンド・バカルディが1830年にスペインの

カタロニアから当時スペインの植民地だったキューバのサンティアゴに兄弟と

共に移住した所から始まります。 数年後にドン・ファクンドはワイン商人・輸入業者

としての事業を興しました。この時に、当時地元で飲まれていた

ラムの蒸留実験をし始めました。当時のラムは荒削りで激しい、火のような

飲み物という表現がぴったりなスピリッツでした。

ドン・ファクンドは原料となるサトウキビの選別や発酵の過程、蒸留の方法と

あらゆる部分においての実験を行い、不純物を取り除くために炭でろ過し、

さらに古いオーク樽を使うなど様々な工夫を凝らしました。努力の結果、

彼は今までのラムとは全く違った、軽く、まろやかで洗練されたラムの作成に成功します。

このライトで新しいタイプのラムは地元で人気を博しました。

ドン・ファクンドはこのラムを生産するために、小さな蒸留所を購入しました。

1862年2月4日の事です。そして、この日がバカルディ社の創立された日とされています。

この蒸留所の近くに大コウモリの集落があり、またこのコウモリが幸運のサインとして

考えられていたため、以降この「バット・デビス」はバカルディ社の商標として

コウモリのマークが使われる事となりました。

 

 

バカルディ・ラムは海外でも高い評価を受けました。1877年にスペイン・マドリード

の博覧会でメダルを受賞したのを初めとして、シカゴ・バルセロナ・パリ・ボルドーと

各地で行われた博覧会でメダルを受賞していきました。

また、スペインかぜ(インフルエンザ)に悩んでいたスペイン国王・アルフォンソ13世

が、バカルディのラムを飲んで回復したため、バカルディはスペイン王室の

御用商人として任命され、同時にスペイン王室の紋章を表示する権利を与えられました。

これらのメダルや紋章は、現在販売されているバカルディラムのラベルに全て表示されています。

 

1902年、スペインとの独立戦争の末、キューバ共和国が独立・誕生しました。

独立戦争を支援したアメリカからコーラが持ち込まれ、有名なカクテルの

キューバ・リブレ(キューバ・リブレ)が生まれ、同時にカクテルベースとしてアメリカ、

そしてヨーロッパに広がりました。輸出量も増大し、バハマ・プエルトリコ・メキシコと

海外に次々と蒸留所を建設、規模をどんどん拡大していきました。

 

順調に拡大を続けていたバカルディ社に転機が訪れたのは1960年でした。

カストロの社会主義革命により、キューバ国内の資産が全て国有化されてしまったのです。

工場も国有化されたため、バカルディは拠点を海外に移さざるを得なくなりました。

バカルディ社は苦難の末、再建を成功させます。1990年代に入り、本社を

バミューダ・トライアングルで知られる英領バミューダに移して現在に至ります。

 

 

バカルディ・ホワイトラムの定価は1460円となっていますが、

ディスカウントストアなどではそれよりももう少しお安く入手できると思います。

また、定番銘柄ですので、購入もしていただきやすいです。

 

 

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