純度100%のテキーラ エラドゥーラ
今回はテキーラの中でも特に高級銘柄として名を馳せている一品、
エラドゥーラを紹介させて頂きたいと思います。
竜舌蘭(リュウゼツラン)を原料とする蒸留酒は一般には
メスカルと呼ばれています。このうち、メキシコのハリスコ州テキーラ町の
周辺で生産されるアガベ・アスール・テキラーナという品種の
竜舌蘭を原料にしたものだけがテキーラを名乗る事を許されています。
(これはシャンパンとスパークリングワイン、コニャックと
フレンチブランデーの名称関係と同様といえるでしょう。)
テキーラは原料、産地その他もろもろが法律で決められています。
例えばハリスコ州、ナヤリト州などの法定産地以外の所で製品化されたものは
原料がアガベ・アスール・テキラーナであってもテキーラを名乗れず、
ピノス(PINOS)という名称で販売される事になります。
※ピノスは現在日本にはほとんど入ってきていないようです。
また、原料に関してはアガベ・アスール・テキラーナで作ったアルコールが
51%以上含まれていればよい事になっています。
残り49%は副原料を使用しても良く、砂糖(が原料のアルコール)等が
使われている事が多いようです。
「エラドゥーラ」とは馬の脚に打ち付ける”蹄鉄”の意味です。
ラベルには蹄鉄のデザインとアガペの収穫風景が描かれています。
メキシコでは蹄鉄を運ぶものには幸運が訪れるという言い伝えから由来が来ているようです。
今回紹介するエラドゥーラの大きな特徴はアガベ・アスール・テキラーナを
100%使用している所にあります。副原料や発酵用の酵母も使用しない
製造方法で高級テキーラとしてよく知られています。
エラドゥーラはテキーラ生産の中心地であるハリスコ州テキーラ町の
東に位置するアマティタンのサン・ホセ・デル・レフーヒオで生まれました。
1861年、創始者のフェリシアノ・ロモが自家用に醸造したのが最初です。
1870年には同所に工場を設立、本格的に操業を開始しました。
その後5代に渡り引き継がれ、現在もロモ家が事業を行っています。
その生産量は2300万リットル(2000年)にのぼり、
メキシコでも3番目の生産量をほこっています。
エラドゥーラには10年もののアガベ・アスール・テキラーナが使われています。
アマティタンはかつての火山の麓にあるため、その土壌が
アガベの栽培に向いており、また水も良いものが取れるそうです。
この土地で10年間大切に育てられ、手作業で収穫された
アガベ・アスール・テキラーナは24時間高温の蒸気で蒸されます。
蒸されたアガベを搾り、酵母を加えずに自然発酵させた液体を
蒸留するとエラドゥーラテキーラが完成します。
このエラドゥーラ、現在ディスカウントショップで
1500〜2000円くらいの価格で販売されています(定価2910円)。
テキーラ固有の風味がしっかりとしていてそれでいて
口当たりが柔らかく香りも上品なこのテキーラ、
ストレートでもカクテルでも美味しく頂けると思います。
テキーラはあの独特な風味が・・・と思われている人も
一度試して頂くとよろしいのではないでしょうか?