管理釣り場が好きである。 そもそも釣りを始めたのは小学生の頃のウグイ釣りで,ソーセージを餌にしていた。 飛騨古川には当時釣具屋さんが二件あり入り浸っていた。 小学生が入り浸るお店と言えば駄菓子屋かおもちゃ屋である。 本屋は目当ての漫画雑誌を買えば用はないから入り浸らない。 この町には宮川とその支流の荒城川がある。 実家からはそれぞれ徒歩5分と10分で行ける。 その途中に釣具屋がある。 自分はテグスと針と重り位しか買わないのだが、店には自分の知らない 道具が夥しく陳列されていて、それらは奇妙な色形をしており種類も多い。 もう、それだけでも玩具的で楽しいのだが、 それぞれがしっかり機能を持ち、使用目的が明瞭であり、いわゆるアビリティーが内包されているのが分かり 大人が使う甘く危険な香りを放っていた。 それは小学生でもしっかり感じていたのだと思う。 釣りは色形が楽しい道具を操れて、かつその遊びにおいて成果が得られるのである。 こんな遊びは昔の田舎には滅多にない。 昔から一人遊びが好きで誰に教わる訳でなくもっぱら現場の大人の釣りを真似しさらにモディファイし、 釣りの本で確認しながら実戦で覚えていった。 親から観れば危ないことこの上ないわけで、あまり良い顔をしなかったと記憶するがそれがまた良いのだ。 充分危険な思いをし、夕暮れに帰る時に感じるヒリヒリする疲労感は今でも明確に思い出すことが出来る。 正常進化でルアーに移行。マス釣り大会の30cmほどの綺麗な残りマスを釣り、本格的にスイッチが入った。 そうして18歳でフライフィッシングを始めたのだが現在のモードになったのは仕事を始めた頃からある。 さあ、そこで管釣りである。 仕事を始めた今から30数年前には情報は書籍だけで、アングリングやフライフィッシャーはよく読んでいた。 田舎者だが東京の街中でフィールドを夢見てた。 そんな時、表紙の写真に絆されて下記の雑誌を買い加賀フィッシングエリアの記事を見つけた。 事務所に電話して道順を教えてもらい(この時の対応は里見さん)経路を余白に書き込んでいたw |
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仕事を始めた頃は大学出向もあり忙しくてなかなかフィールドに行けなかったが 管釣りならば出かけられた。しかしまあ加賀は本当に釣れなかったなあ。 ここは広大な釣り場で気持ちは良いのだが、独特のノウハウがあって新参者はかなり 手こずると思う。 今は酒川郁子先生に教えて貰い周りの10倍は釣れるようになった。 ありがとうございます。 ここの良い点は、広大なのでツーハンドロッドでも思いっきり振れること。 魚がコバルトブルーで美しいこと。そして時たま巨大マスが釣れることかな。 ただ一般の管釣りマスに見られるような尾鰭がグーとか、鰭欠損とか、カサゴ化とか、白鼻とかは 定番です。コスパが課題なのでしょうが上質な魚体が欲しいのだ。 この点なかなかインプルーブしていかない。 フィッシュオン鹿留、ここもよく行った釣り場。 昔はホリディーロッジ鹿留と呼ばれていましたね。 渓流とポンドで構成されているが、やはりここも魚質の問題が大きいのだ。 魚臭もなかなかだったりする。 河川型なので天候の影響が大きく破壊が繰り返され、また経営本体の移譲等のこともあり 前途多難な釣り場だと思う。 その他、様々な管釣りにお邪魔した。 |
最近は矢板の308clubさんに寄せて頂いている。 何といってもサクラマスが狙える釣り場ということで名を馳せていた。 尺ヤマメと同じファイトが楽しめ、充分綺麗な魚体に会える釣り場である。 。 昨年などは53cmのサクラマスが飛び出してくれるような釣り場。 魚種はサクラマス:ニジマス:その他=4:4:2と言う感じで、けっこう賑やか。 遊び方は、綺麗でデカいサクラマスを狙っての見釣りということになる。 うかうかしてると脇からニジマスが飛びついて来てしまうので、喰わせぬようにピックアップする 技術も要るのだw。 ポンドのサイズも手ごろで水は綺麗、場所は高台の中腹で景色もとても美しい。 オーナーさんも大変気持ちの良い方で料理も美味しいそうで、東京からはちょっと遠いけど お気に入りの釣り場なのだ。 遠来(たとえば名古屋)からのリピーターさんも居るくらい魅力的な所です(^^♪ こちら周辺には矢板道の駅や、まことの湯、羽生上りサービスエリアの忠八という行き掛けの駄賃があり のんびり一日ドライブにはもってこいなのである。 2022年はちょっと魚質が凹傾向になっちゃって寂しく思う。 ニジマスは超別嬪なんだがサクラは下記のレベルのが10匹に1尾という状況。 いろいろご事情はあるかと思うけれどラブコールということであえてエールを送りたい。 |
そんな今年のコンディションにやや気持ちが萎えていたところにFBに懐かしい管釣りが アップされた(MKさん)。 栃木の上永野フィッシングリゾート。 昔は極ありふれた鱒が釣れる、難しくも簡単でもないごく普通の釣り場だった。 景色は良いけれど釣りそのものの趣向を重んじていたためだんだん行かなくなっていた。 しかしFBアップによると魚体が極めて美しく水質も透明度高く良好の由。 距離にすると308clubの2/3位でぐっと近い。 こりゃ行くしかない。ということでさっそく次の休日に出向いてみた。 到着すると駐車場は満車に近く、広いポンドの周囲には5〜6m間隔で釣り人がいる。 人気の高さを示しているのだ。 平日とは思えぬ。 |
それでもなんとか疎な区間に入り込み釣り始めてみる。 308では爆釣システムを打ち立てていたが、それが全く効かない。 どの魚も、フライに突進してきても直前で見切る。 うっかり咥えるのも居そうなものだが全員見切ってくれる。 痺れますな。 MKさんは「簡単に釣れるところは辛い」とおっしゃっていた。然り。 ここではツーハンドロッドを使っている釣り人もいる。常連さん達のようだ。 私は結局ハッチの始まった瞬間にちょこちょこっと釣ったのだが サイズもよく、綺麗なサクラ(下図)が多かった。オーナーさんの志が偲ばれる。 むかし結構ボロ鱒だらけだった上永野がこんなに綺麗な渓魚をストックするようになって ちょっと驚いた。 コテージもクラブハウスもポンドまわりの整備(芝生とか)も綺麗にリファインされていて 管釣りの理想形かもしれない。 管釣り文化(様式と嗜好)の熟成といえるかも。 それで平日でも激混みになっているのだなあ。 目先の売り上げを考えるよりこうした経営姿勢、いや経済というより釣りに対するポリシーを 大切にした方が結局、結果的には潤って来るものだということを目の当たりにした次第です。 いかに多くの成熟した釣り人は魚質を重視しているのがよく分かるというものです。 気の毒な魚たちを釣るとだんだん具合が悪くなって来ますもんね。 そんな釣り場、リピートしないでしょ。 どうしてそこんとこ気が付かないのか全く不思議なわけだ。 |
この周辺は蕎麦の産地で、良いお店が多くある。 釣りに飽きたら一休みして車で管釣りを飛び出し、何件かの調査をする。 すでにお気に入りを見つけたのである。 管釣りの一番良いところはお気楽ということ。 天気の良い風の穏やかな日和に武装解除(ウエーダーやら防寒やら)で 軽快に竿を振れるという点だ。 正直言うと寄る歳なみで疲労を避けたいということで頻度が上がっているのだ。 さらに言えば、シーズン中には割けない他の遊びを楽しめることも挙げられる。 ツーハンドだって自然河川では相当大変だし、マーカーピコピコも、シンクラインでの引っ張り だってやりたいのだ。 くりかえすが釣りにおける魚質は重要です。 管理釣り場は天然釣り場のバーチャル的な存在であるのならば、良い景色で綺麗な水で キビキビしたファイトを楽しみ、そして綺麗な魚を見れることが目標のはずだ。 管釣りでも最重要項目であり、いわんや、天然河川をやである。 各河川の漁協の御大方々、サイズ、数で遊漁者を釣ろうったってそうは行かないよ。 どうぞ綺麗な魚を養ってください。 釣りの文化の高さってのはそこんところに有ると信じます。 管釣りの方が余程先に行ってるな。 |
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