虎の子&ズルッ


この魚たちは、同じポイントで釣れたのですが、個体差が非常に大きいですね。
不思議なもんです。
DNAでしょうか。

ま、これはこれでエポックなんですが、強烈なメモリーはその次にやってきました。

別のポイント、ライズの佳境が過ぎ去り、貧果に打ちひしがれ、護岸の上から
諦めきれず、水中、水面をボケーっと眺めていたら、良い型の魚影が一つ出現。

4つの底石が一辺2mほどのひし形を作っていて、その範囲をうろうろしながら何か喰っている。
時折、ライズをする。

場所を確認して水面に降り、見当をつけて眺めるが反射で魚影は確認出来ず、ライズも不明。
しかたなく護岸によじ登り、再び確認。
これを4回やって、水面でのライズも視認できた。

動いているヤマメを推定しながらフライ投入。

ヒットしました。
走りました。
水面でも暴れました。
これで、後は持久戦だな、、、、、ズル!

こういったロストは、もう数え切れないくらいやっていますが、未だにこの凹みは相当な
ものです。
尾を引きます。ボディーブローです。
針掛かりの問題が最大なんだろうけど、内省し、自ら苦しめます。

非常なる不幸感を味わうわけですが、こんな時、私の好きな中島義道さんの文章を
思い出します。


「それから、この世の中ひどいものですよ。差別だらけだし、不平等ですし、
みんなウソばかり言っていますし、高慢だし、虚栄心だらけだし、嫉妬し軽蔑しますよ、
私も。
とはいえ、だからこそ、ゆたかな人生が開かれてくるわけですね。
こうゆう悪がなくなったら、多分人生は退屈でしょうがないでしょう。」


若干、ニュアンスが違っていますがね。
だから、こうゆうことは重要なんです。