無為の時間


春も盛りの桜のピーク。
先日はこんなヤマメに会えました。

ヤマメにはぴったりの季節なんですが、天候が安定せず、
よい地合にあえず、つまりよいハッチにめぐり合えず、釣りもぱっとしません。

こうゆう時は歩き回るのが良いのですが、あまり無理をしたくなくなってます。
自分の体がすこーし信頼できなくなってまいりました。
50を過ぎたらクラシックカーをうまーく乗るような、そんな気持ちで
体をコントロールしていくのが良いのかもしれません。
でも、現場ではやっちゃうんですね。
こんなヤマメに会うとね。
ここんところ所用でまる一日釣りをすることがなかったのですが、今日はイブまでまいります。

4:00、誰もいない川で、ボーっと川を見ていると、
無為に経過していく時間をも見つめてしまいますが
これは実に良いものだと思います。

人生の時間が少しずつ消えていくのをヒシヒシと感じます。
人生を削って行く。生きていく本質が見えて来ます。
遊びも仕事も、そういうことであります。

などとガラにもないことを考えたりしていますと、ホンの目の前の沈み石の前でライズがありまして、
しかもピロピロ浮上する八寸ヤマメの魚体も丸見えで、その挙動をずっと見て楽しんでいたのですが、
 やっぱり、いろんなフライを流してみることにしました。

ヤマメの反応はフライの種類によって、微妙に違って来ます。
ぜんぜん無視レベルから、ちょっと動く、半分くらいまで浮上する、寸前まで見に来る、反転する、咥える。等など

フラットな流れのサイトの釣りでは良く見るシーンなのですが、このポイントは結構流れが速く、
普通のイメージならそこそこのフライならアタックしてくるような、
ワリと速い瀬の中での魚でもこんな風に見切っているのかと驚きました。

ドリフトはかなり自然に流せる状況なのでフライの差と言わざるをえません。

ふむ〜、勉強になった。
と、その上流でヘッドアンドテイルのライズを発見。
釣れたのは上の図の、この魚。フライは先ほどので確定してましたからね。楽ですね。

しかし、それにしてもハッチが少ない。
他にライズもないなあ、と見渡していたら下流奥の早い筋の中で
コークスクリュー、シュワッチと背中を水面にかすめ出しながらのライズが目に飛び込んできた。
あ、はああ!!。
5Xに#12ではさすがに無視され、さっそくティペットはそのままでフライを交換。
太いティペットに小さなフライはコントロールが凄く楽。

上手いこと筋に投入出来、あとはデッドドリフトだ!と思う間もなくシュワッとヒット。
きりもみ、突進のファイトでランディング。
小雨が降ってきた。さあ、もう帰ろう。
ヘッドライト、テールライトの中、フロントグラスに雨粒の散らばる
帰りのドライブは、なかなか良いもんです。