兵庫県明石:
全日本カレイ偵察釣行
平成12年11月23日
兵庫県淡路島の幸運のニベ:
大阪・兵庫合同納竿釣行
平成12年12月3日
 うじメール氏


11月23日 兵庫県明石:全日本カレイ偵察釣行

 もうすぐ、全日本カレイ選手権大会が始まる。ということで、その下見をすることに。そこで、当日同行をお願いしているK副会長に連絡して、ねらい目のポイントを聞くと、なんと近場の須磨。ちょっと、その波止の東側の外向き方向を調べてみて欲しいとのこと。そのポイントでカレイの居場所を探索するのが今回の任務。
 現地到着が5時30分。まだ暗いが、寒くはなかった。カレイの居場所を可能な限り幅広く探るため竿は7本出すことに。明るくなるまでの短い時間内はスズキを狙う。しかし、不発。日が昇るにつれてタチウオ・ハマチ・スズキ狙いのメタルジグを持ったルアーマンやカワハギ狙いの釣人と、波止は混雑し始めた。カワハギは鍋によさそうなサイズが結構上がっている。釣りたい衝動に駆られウナギバリを…、「いかん、これはエサトリや」と辛抱する。
 早朝、ばんちさんから連絡が入る。伊丹空港だそうだ。今から一本釣り師さんと東北は渡波に向かうとの事。現場に到着すれば、今日でもやるで〜!との言葉を聞き、来年は渡波に行かなあかんなと思う。
 そうこうするうちに日は高くなって、水面を照らし出した。中だるみの感が出てきた。カレイは来ないか?ここはやっぱりダメか?とおぼろげながら感じていたとき、ジュ、ジュ、ジューンとドラグが鳴って、ラインがふけた。コレは大型のカレイか?心臓バクバクの状態。少し待って、巻き始めると、とても重い。
「おい、おい、下見でやっちゃったよ〜」
近くに寄っ来ると、魚が少し変だ。
あれ、白いなぁ?カレイの裏側?でも長いで?何? どかんと海面に現れたのは、63.4センチのスズキだった。エラ洗いを見せるも、道糸6号、フッキング…大丈夫と目で確認し、波止にぶり上げる。
ルアーマンが、「ええの上がりましたやん」、
カワハギ釣師が「スズキの洗いウマイもんなぁ〜、ええなぁ〜」、「それにしても大きいリール(PA6000)やなぁ〜、スズキ狙いなん?」
「ハッ、ハッ、カレイ狙いですねん。」
 会話も楽しい釣り場だ。
そのあと、カレイをとりあえず2匹ほどキープし、先週末に40オーバーが上がったというポイントも発見。任務を完了し、須磨を後にする。
 帰りの車でばんちさんに連絡をすると
「今、やっとるで〜、そっちどうやった?」
「ばんちさん、カレイもハネもキープしました」
「えっ?、何て?…。お、お、おぉ、来た来た来た、後で電話するわ〜ッ」
この電話を最後に、この日ばんちさんの携帯電話は留守電モードになった。東北・渡波への私の夢は膨らむばかりだった。

 11月26日 全日本カレイ選手権大会当日、K副会長以下4名は早朝に無事にポイント確保。大物は出なかったが無事にカレイを確保できた。

スズキ 63.4センチ
カレイ30センチ未満 2匹


12月3日 兵庫県淡路島の幸運のニベ:大阪・兵庫合同納竿釣行

 時計は午前1時をまわった。
 冬の静かな夜の海。冷え切った空気が星の輝きを増している。沖合いには無数の漁船の光。波止の先端には、K副会長以下5名が陣取る。ケミホタルをつけた竿が林立し、それを全員が集中して眺めている。ここは兵庫県淡路島、室津の波止の先端部分。当初、激流を想定していたが、それもそんなにきつくなく穏やかな雰囲気だ。と、突然 「無灯火、左から」と、静寂を破る大きな声。
 よく見ると静かなエンジン音の白い船が波止と平行に、白い波を立てながら左からこちらへ向かってくる。小型の船舶で照明もついていない。しかも速い。この距離ならすべての仕掛が引っかかってしまう。道糸沈めを3本の竿にセット、いや1本でも難しい速さだ。全員、竿を下げるか、2本はあきらめ、1本の仕掛を急ぎ巻き上げる。
 しかし、私は大丈夫だろうと、ヴィィィィィと船が目の前を通りすぎるのを息を殺して見守った。
無事に通りすぎて大丈夫か?と思った瞬間、ガッと2本の竿がしなり、ラインがブツッと切れてしまった。船は何事もなく通りすぎていった。
 「あぁ、やってしもうたでぇ〜」
 仕掛を作り直しながら、これで潮が早ければ随分と難しい釣り場やなぁ。いつもより気分を集中しなければと、作り直した仕掛を投入。しばらくして、2本目も投入完了。
 そのとき、先に投げていた仕掛にグングンとアタリが出た。
「来た、来た」と合わせを軽く入れ、リールを巻くと重い。
「えぇ?来たん」とばんちさんがアミを用意し、待機してくれている。
引きはほとんどない。重い重いと巻き上げると、水面に淡い金色の魚体が現れた。
「スズキか?」とK副会長。
「いやいやニベやん」とばんちさん。
サッと掬ってもらい、波止に上げると、53センチもある大きなニベだった。
「エサは?」と一本釣り師さん。
「マムシで行ってください」
「これ、ひょっとしたら優勝できるで」とばんちさん。思うに、最初の仕掛を船が断ち切ってくれたことで、ツキがまわってきたのかもしれない。
 ニベは群れで回遊する。さぁ今がチャンスだ。全員、臨戦体制。一気に群れを掴め!
しかし、残念ながら後続が続かなかった。
 時間が過ぎ、カンダイポイントへの移動時刻になる。
「頑張って、30センチのカレイを釣りやー、じゃ検寸会場でなぁ」とK副会長の激励を受ける。K副会長は南淡に向かう様子。
この大会は、カレイ・アイナメを含む、2尾長寸で競われる。優勝ラインは80センチラインだそうだ。せっかく掴んだ53センチの大きなニベ。80−53=27。残り27センチ。
「釣れますかね〜」と弱気になる私に、「釣らしたるでぇ」と一本釣り師さん。なんとしても、30センチ近くのアイナメとカレイ釣らなくてはいけない。
 午前5時まえ。 第2ポイント江崎に、ばんちさんと一本釣り師さんと向かう。一本釣り師さんが入手した情報で、数日前、カンダイとカレイの大物が上がったそうだ。ばんちさんと一本釣り師さんはカンダイ。私は、アイナメとカレイを狙うので、少し離れた釣り場を選ぶ。
 まだ暗いが、権利獲得優先ということで、カレイ仕掛に温存したマムシをたっぷりつけ、さらに根掛かり覚悟で4本針を投入し、必釣を狙う。投げた仕掛が飛ぶように右へ流れる。ものすごい潮流だ。
 しかし、ほどなく、まだ暗いにもかかわらず20数センチのアイナメがかかる。1センチでも長い魚をと、どんどんキャスト。だが、海底にはエサトリが湧いている様子だ。しかし、次から次へアイナメの小さいのがカレイバリ14号に乗ってくる。明るくなると、ベラとカンダイの子供の応酬だ。潮が引くとタコツボに根掛かりし、仕掛回収率0%に。頑張るが、コレはダメだ。そこで、ばんちさんと一本釣り師さんのそばで竿を出す。
 釣況を聞くと、芳しくない。11時ごろ、「遅れたら大変やから、そろそろ仕舞おうか」とばんちさん。残念そうだ。
 さて、検寸会場。M会長が出迎えてくれた。どうしてよいか分からない私に、わざわざ審査カードとボールペンを持ってきてくれた。とりあえず提出する。周囲の様子が気になる。横の釣り人のクーラーを見ると、私のよりさらに大きいニベが入っていた。
「こりゃだめか」。
りさるあさんやおますさん、お湯さんなど、他クラブの先輩の姿が見える。
「あぁ、やっぱりベスト3は無理かなぁ?」
 さぁ、いよいよ発表。
まぁ、1位は、まぁちゃうやろ。………待つことしばし。どきどき。
「第3位 レインボーキャスターズ うじ…」、
「うわッ、やってもた」。
緊張しながら、つかつか前に進み賞品を受け取る。賞品はビデオと竿、業務ベルト?であった。
 私に幸運を運んで来てくれたニベ。おそらく群れからはぐれ、腹をすかして私の針に乗ったのだろう。何故、私の針に掛かったのかも良く分からない。強いて言うなら、マムシを使っていた事くらいか?それを考えると、まさにラッキーな一尾であった。さらに、ばんちさんや一本釣り師さんや皆さんにアシストいただいたお蔭でもある。
この勢いに乗って、40オーバーのカレイを何とかしたいものである。
 さぁ、次から竿6本出すでぇ〜。

イシモチ(ニベ) 53.5センチ
アイナメ、マコガレイ