淡路島仮屋のカレイ・スズキ

平成13年11月10日  ばんち


次週18日は全日本カレイ。ここ最近は秋の五目釣りを楽しんでいたが、そろそろ本格的なカレイシーズン到来、ということで全カレ下見のお供を兼ねて日本海方面への釣行を計画していた。同行メンバーは伝説の釣り師ことN氏と福井会場にエントリーしているF氏である。
金曜日の夜、支度をしていたところに携帯電話が鳴った。伝説氏からである。
「日本海あかんなあ、波高いでえ」
電話を切って天気予報を見ると、確かに北風が強く、この分ではもう既に海が荒れている気配である。そこで伝説氏と協議の末、淡路島へと行き先を変更することになった。須磨の集合場所を日付が変わる頃に出発、伝説氏の車で明石海峡大橋を渡った。
淡路島。思えばここで竿を出すのは実に1年ぶりである。四国方面への釣行時にいつも通ってはいるのだが、立ち寄るのはサービスエリアぐらいでいつも素通りである。夏場はコロダイ・タマミ狙いが中心のため、もともとほとんど来ることはなかったが、大震災以来、冬場のカレイ狙いでさえ、来る機会がすっかり減ってしまった。
予報では北および北西の風強し、ということで東浦にある仮屋の波止に3人で入ることにした。到着時は風がやや西よりで、海はベタ凪状態である。
まださほど寒くはないので、未明から竿を出すことにした。まずはスズキ狙いである。
1本針仕掛けにユムシを付けて、シモリ(海草)際のポイントへ順次投入。竿先ライトを装着してアタリを待つ。
ほどなくブルブルという小さなアタリ。いや〜な予感がするが・・・。巻いてくると案の定、フグが付いている。針はビッグサーフ17号、これをくわえて上がってきたのは、40cmを超える大型のヒガンフグであった。針を外していると他の竿にも同様のアタリ。順次回収するが、フグが付いているか針がないかのどちらかである。伝説氏も「フグばっかりやあーっ」と嘆いている。こんな時はいくらやっても無駄であると判断し、仕掛けを全て上げて夜が明けるのを待った。

辺りが白んできたが、空は厚い雲で覆われている。さすがに夜明けは寒い。
仕掛けをカレイ狙いのものに変更し、虫餌を付けてやはりシモリ際へ、できるだけ正確に投入する。本日は長潮で干潮は午前9時頃、時合はその直後と夕方か・・・。風がだんだん強くなってきた、時折横殴りの雨も。餌取りがいなくなったのがせめてもの救いだが。

9時半、餌を付け替えていたところ、「ガシャーン」という音とともに三脚がひっくり返った。急いで、テトラから落ちそうになっている竿を手に取るとグイグイと引き込む大型魚の手応え。大きくアワセて巻きにかかると、かなり重い引きが伝わってくる。横走りすることから、恐らくスズキだろう。竿を寝かせて巻いてくると、80cmは軽く超えていそうなスズキが頭を振りながら寄ってきた。しかし、あろうことか(よくあることだが・・・)針が口の外にかかっている!タモを取ろうとしたスキにテトラに突っ込まれ、その拍子に道糸が緩んで、案の定針が外れてしまった。

スズキは帰っていったが、ようやく食い気が出てきた気配。餌を全て付け替えて、ポイントに投入しなおす。

その直後、1本の竿に異変が。竿先が引き込まれては糸フケが出るという動作を3回程繰り返したあと、ピタッと静止した。
「しめしめ・・・」。しばらく待って糸フケを取り、ゆっくり大きくアワセるとグーンというカレイ独特の重量感が伝わってきた。ゆっくりと巻いてくると潜行したまま寄ってくる。この瞬間を味わうために寒い中がんばっているのよねー、と考える間もなく、足元にマコガレイが姿を現した。
テトラに突っ込みそうになるのを慎重にタモ入れ。メジャーを当てると38.3cm、なかなかの肉厚。刺身で食するために用意したブクブクとバッカンで生かしておく。

15分後にまた同じようなアタリで、これはイシガレイの35.5cm。その後はハネクラスのスズキが回ってきて退屈しない程度に釣れる。50cm以下はリリース。昼頃からさらに北風が強くなり、海面一帯に白波が立つようになった。

満潮近くなったころ、沖で大きな魚がバシャーンと跳ねた。「もしや・・・」。竿先を注視すると、一本の竿が大きく引き込まれた。スズキがかかってエラ洗いをしたのである。すぐに竿を取って巻き取りにかかると、やはり潮上へと横走りする。程なく寄ってきたスズキを片手でタモ入れ。70cm強のよく肥えたきれいなスズキだった。
最後に本日の締めということで、35cmのイシガレイが登場。(なんと、このイシガレイを巻いてきた時に、大型のスズキがそのあとを追って泳いできた。)
午後4時納竿。F氏はイシガレイ、伝説氏もマコガレイをそれぞれGET。昼間の大荒れが嘘のように凪始めた海をあとにした。


釣果:

マコガレイ 39cm
イシガレイ 35、36cm
スズキ 72〜52cm 4匹
(拓寸)