今年の全キスは2年ぶりに境港会場にエントリーした。6月9日の午後9時に自宅を出発、途中今回の同行者であるうじメール氏を拾って一路境港へ。受付会場には深夜0時に到着した。
前回、キスポイントで最後まで粘り、検寸台に載せる釣果もないままトボトボと引き返すという悔しい思いを味わった。そこで、その時の反省を生かして今回の作戦を立てた。それは、夜明けまで島根半島の外海側でキスを狙い、夜明けからは境水道側に移動してスズキ・マゴチを狙う、というものである。
当会場では大勢のキャスターがエントリーすることと、公平を期すために出発順はクラブ単位の抽選となっている。我がクラブが引いたクジは22番、かなり後方からのスタートとなった。
午前1時半、先頭のクラブから順番にスタート。そして私達の車が前半の目的地に到着した頃には、既に2時を過ぎていた。
ここではフグの猛攻を受けながらも、27.1aを頭にポツポツとキスが釣れ、まずはひと安心。
夜が明けてからはすっかりアタリのなくなった釣り場を6時頃あとにして、境水道に戻った。
後半の釣り場もいくつか候補を挙げていたが、そのうちのひとつである森山岸壁の両端が幸運にも空いていたので、ここに分かれて入ることにした。
潮はゆっくりと中海方向へ流れており、水の色もササ濁りと条件としては申し分ない。
やや小ぶりのユムシを刺して、3本の竿で水道筋の中心付近めがけて順次フルスイング。日中、スズキは本流にのって回遊するようで、時合いになると出てくるスズキ釣りの小船もそのあたりに集中する。
竿出ししてすぐ、40a級のセイゴが釣れる。これはリリース。8時過ぎ、「ジーーッ」と長くドラグを鳴らすアタリでマゴチの53aが登場。
そして迎えた9時半。今度は「ジーッ、ジーッ、ジーッ」とドラグを鳴らしたあと一気に走り始めた。リールのベールを起こしてドラグを締め、大アワセ。巻き始めると沖で魚がジャンプ!スズキである。1度、2度とかわしたが、手前の3度目のジャンプで痛恨の針はずれ。
80a級かと思われただけに・・・残念。
気を取り直して再度投入し、携帯電話でクラブの会長に状況を報告。
すると、電話の最中に先程より強烈なアタリ!早速、アタリが出ている事を告げて電話を切り、今度は十分に走らせてから大アワセ。またも沖でスズキが豪快なエラ洗い!
今度は逃がしてなるものかと、竿を寝かせてゆっくりとリーリングを始める。しかし、相当な重量感でほとんど動かない。
それでも強い引きに耐えながら、時間をかけて力糸をリールに巻き込むところまできた。潜ったまま正体を見せないが、スズキが足元近くまで寄ってきていることは確かである。
そろそろ姿を見せろ、と強引に浮かせにかかる。そして、今まで見たこともない巨大なスズキがついにその姿を現した。
「で、でかい・・・」
それからが大変。隣の自分の道糸に絡まり、なかなか足元まで寄せられない。それでも側で釣っていた竿釣り師の方の協力を得て、なんとかタモに収めることができた。
岸壁に上げて、あらためてその迫力に言葉を失った。我に返って恐る恐るメジャーを当てると、1mを超えている。ああ、これでキスかマゴチのどちらを申請するか迷わずに済む、というのが正直なところ、最初の感想だった。
ちょうど納竿の時間となり、この幸運を与えてくれた島根の海に感謝の気持ちを残して、検寸会場へと向かった。
*当釣行記は「週間釣りサンデー」に寄稿したものに一部加筆をおこなったものです。
釣果:
スズキ 102.1cm マゴチ 53cm キス 27.1〜19cm 6匹 (実寸) |