京都府 丹後半島の五目釣り

No.1 平成13年5月5日  ばんち
No.2 平成13年5月12日 ばんち


5月5日:
GW後半。帰省先から、その日の夕方より丹後半島で夜釣りをしているはずの会長の携帯電話に電話をかける。
「マダイや〜、釣れとるデ〜♪」
いきなり、である。淡路のO氏と2人で、50〜60センチのマダイを5匹釣っているという。

翌日の午後、関西に帰省中のK副会長・伝説N氏そして私の3人を乗せた車は丹後半島へ向かう渋滞の中にいた。
レンタカーを仕立てて一人で向かった先発隊の一本T氏から、既に現場に到着し、釣査を開始しているとの連絡が入る。
折りしもGW。宮津方面はものすごい渋滞である。そして、釣り場に到着した頃には、予定より1時間半遅れの午後7時半、あたりはすっかり暗くなっていた。

浜に降り立ち、釣り場を一望すると一本氏を含めて先客は4人。まだ何も釣れてないとのこと。狭い浜だが、間になんとか3人入れてもらって各自急いで準備にかかる。

昨晩は8時頃からアタリが出だしたらしい。回遊時間はさほど変わらないだろう。私はK氏と地元釣り師の間に入れてもらって竿を出す。真っ暗な浜に、緑色の竿先ライトの光が点々と浮かびあがり、満天の星空と相まって幻想的な光景を創り出している。
餌取りはまだ、ほとんどいない。
すぐさま、K氏が連続でチャリコを上げる。

9時頃、チロリを付けて遠投、そして三脚に立てかけた直後の竿に強烈なアタリ。緩めたばかりのドラグが唸りだした。
「来た!」
ドラグを締めて大アワセ。BXの竿が胴からひん曲がり、グングン締め込まれる。これは大型のマダイだと確信。慎重に巻き取る。
「来たでぇ〜!」
隣のK氏に声をかけた時、突然、フッと軽くなった。痛恨のバラシである。
「あ〜あ」
仕掛けを回収すると、ビッグサーフの針先が曲がってしまっていた。どうやら口元の硬いところに浅くかかっていたようである。
「糸の出が止まるまで、待たなアカンでぇ」
K氏のおっしゃる通りである。
『最初にバラすと最後まで釣れない』というジンクスがまたまた頭をよぎる。
しかし、ほんとにまだ始まったばかりである。別の魚が回遊してくるのを期待して打ち返す。
次のアタリは30分後。ドラグが軽やかに鳴った。今度は十分待ってからアワセる。
巻き始めると、時折クイックイッと締め込むが、どうやら大物ではなさそうだ。
波に乗せて浜にずり上げたマダイは41センチ。塩焼きにはちょうどいいサイズだ。そろそろ回遊タイム、と一同気合が入る。

だが、意外にも次に静寂を破ったのは、浜の端近くで釣っている伝説氏の声だった。
「マコや〜、40あるで〜!」
どうやら、40センチ・オーバーのマコガレイを釣ったらしい。エサはやはりチロリとの事である。

私のほうは、やはりバラシたのがまずかったのか、アタリが遠い。0時前に、誘いをかけた直後に餌に飛びついてきた28センチのアコウを最後に餌取りもいなくなった。
伝説氏は60センチ強のスズキを追加した様子。
隣で釣っていたK氏は、「しばらく寝てくる」と言って仕掛けを上げて車に戻った。反対側の地元釣り氏も一時退散のようだ。

ペースを落として打ち返していたところ、3時頃にドラグが「ジャー」と短く鳴った。十分に待ってから軽くアワセてリーリングすると、先ほどよりも更に軽い。
チャリコか?と思ったが、波打ち際に姿を現したのはキス。それも27センチとまずまずのサイズ。
朝まずめに最後の期待をかけるが、マダイやスズキは不発。唯一、スズキ狙いの青イソメを房掛けにして遠投した竿に37センチのイシガレイが釣れた。これを最後に午前7時納竿、丹後半島をあとにした。



5月12日:
先週のバラシのリベンジを果たすべく、再度丹後半島へ向かった。今回は、りさるあ氏も参戦するということで、またまた賑やかになりそうな気配である。
先週と違って渋滞もなく、釣り場には夕方まだ明るいうちに到着。

だが、浜に出てみてア然・・・。北西の風が強く、沖は白波が立ち、浜にはかなり大きな波が打ち寄せている。まるで冬の日本海を見ているようだ。それに、かなりの量の海草が海面を漂っている。これでは釣りになるかどうか微妙なところである。
移動の2文字が頭に浮かんだが、この様子ではこの辺どこでも大体同じ感じだろうということと、りさるあ氏とここで待ち合わせをしていることもあって思いとどまった。
唯一の救いは天気予報。これによると、明日朝までに徐々に風も波も収まるだろうということである。朝マズメにチャンスがあるかもしれない・・・

ゆっくり準備にとりかかっていると、どこかで見たことのある人物が車を降りてこちらにやってくる。その人物は・・・同じクラブのF氏であった。彼は山陰方面をHGにしているだけあって、先週の釣果を聞いて、たまらずやって来たらしい。少し離れたところで彼も準備を始めた。

3本の竿を出して、全て遠投。そして波に叩かれないように、また、漂う海草に道糸がかからないように垂直に近い角度で三脚に立てかけてアタリを待つ。
全て1本針仕掛けなのだが、回収するたびに団子状になって上がってくる。相当、底荒れも激しいようである。
「これでは魚は釣れんやろなぁ・・・」
半ばあきらめ気味でりさるあ氏の到着を待っていると、携帯が鳴った。
声の主は意外や意外、釣り太郎氏であった。今、駐車場に到着したとのこと。少し話しをしたあと、F氏の更に向こう側へ歩いて行った。

日が落ちてからは、地元釣り師も2人加わり、狭い浜はやはり賑やかになった。しかしアタリは・・・誰にもない。おまけに道糸が海草の束にかかり、巻き上げ時に付いてきて、これが無茶苦茶重い。すぐに腕がパンパンになる。たまにアナゴが掛かってくるが、これにはお帰り願う。
このままではとても朝まで体力が持たない、と省エネモードで海況が変わるのを待つことにする。

午後9時頃、りさるあ氏が到着。浜は更に賑やかになった。
波は少しマシになってきたものの、ウネリはまだ残っており、油断はできない。相変わらず、海草も大量に流れてくる。
夜半を過ぎても状況は変わらず、とうとうりさるあ氏は車に戻ってお休みモードに入ってしまった。
海草を巻き上げると道糸の損傷が激しいことから、竿数を1本に減らして様子を見る。とにかく待つしかないのだ。

午前4時前になると、ウネリによる波の間隔が長くなり、海草がかからなくなった。ちょうど、りさるあ氏も戦線に復帰したようだ。東の空が少し白み始めた。

さぁ、これから、とユムシを付けて4本の竿を遠投と中投に投げ分け、アタリを待つ。
「ジーッ、ジーッ」
ドラグが滑り、中投していた竿が叩かれた。
リーリングしながら浜の傾斜をかけおりると、海中の相手は横走りを始めた。この引きは多分・・・
「来ましたか?」
隣で釣っているりさるあ氏がカメラを持って駆けつけてくれた。
寄せる波に乗せてなんとかランディング。やはりスズキだ。80センチ。そのまま、りさるあ氏のカメラでパチリ。

綺麗な魚体のスズキをクーラーに入れていると、今度は遠投の竿が引き込まれ、ドラグが「ジーーーッ」と長く鳴った。こちらは何か魚が乗っているものの、あまり締め込まない。ドラグの音を聞いて、F氏が様子を見にきた。
波打ち際で姿を現したのは、なんとマコガレイ。ユムシを小さな口一杯に頬張っている。メジャーをあてると37.5センチ。

りさるあ氏のところまで行って写真を撮ってもらい、釣り座に戻っていると、今度はまた、中投の竿が激しく叩かれている。これもスズキか?
アワセると、グングンと頭を振るような感触。スズキのような横走りはしない。マダイだろうか?
ワクワクしながら浜をかけおりていくと、茶色っぽい魚が波打ち際に現れた。アコウか?それにしては細長いが・・・
足元まで寄せて確認すると、それはなんとアイナメであった。しかも、関西では大型の部類に入る45センチ。30分程の間に3連発!まるでこの時間を待っていたかのような食いだ。
「時合やあー」
一同、気合を入れて打ち返す。
しかし、その後は夜が明けきるまでに、18−20センチのキスが2匹釣れたのみ。

浅い釣り場での大物は夜釣りオンリーということで、7時に納竿。若狭方面にキスを拾いに行くというりさるあ氏、そしてその晩の第2ラウンド?のために仮眠しに行くというF氏と別れて帰途についた。
リベンジは来年に持ち越しだ。



釣果:

5月5日 5月12日
マダイ 41cm
イシガレイ 37cm
キス 27cm
スズキ 80cm
マコガレイ 37.5cm
アイナメ 45cm