宮城県牡鹿半島 U

平成13年4月14〜16日 ばんち


「潮は良くないけど、この週しかないですね。」
今回の同行者である、サーフスキッパーズのお湯氏と電話で牡鹿行きの計画を立てていたのは2月上旬だった。本当はその前後の週、潮の大きい日を選んで釣行したかったのだが、仕事や協会の大会の都合もあり、小潮まわりの4月14〜16日を選ばざるを得なかった。早速、仙台行きのバーゲンチケットを手配し、2カ月以上先の好天を祈った。

初日
仙台空港近くのレンタカー屋で、先に送っておいた荷物一式を積み込み、一路牡鹿半島へ。初日の釣り場である狐崎漁港には正午に到着。
早速、予め連絡しておいた地元漁師さんの船に乗り込み、沖堤防を目指す。沖堤防とはいえ、漁港を出てすぐの2分程で到着。実際には地続きなのだが、重い荷物をしょって昇り降りするにはちょっとキツイ山の下にある。
波止先端にお湯氏、少しさがったところに私が陣取りそれぞれ竿出し。ここでは、最近、50センチ・オーバーのアイナメとソイが上がったと聞いている。数年前にここを訪れた時も、夕方の時合にアイナメの51センチを仕留めている。港には牡蠣剥き場があり、秋には港内に大型のアイナメやマコガレイが集まってくるようだ。また、沖堤防の周辺にもシモリが点在しており、根魚の魚影は特に濃いという。今日は半日勝負、しかも下げ潮を釣ることになるので、根魚に期待、というわけだ。
さて、内外に投げ分けてアタリを待つものの、たまにヒトデがかかってくるぐらいで、肝心の魚からのシグナルはない。やはり潮が悪すぎるのか・・・。
午後6時まで粘るが、小型のアイナメが釣れたのみ。渡波港近くの津田釣り具店に立ち寄ったあと、やはりこんな時はこれしかない!と、2人で焼肉をタラフク食ったあと、ゆっくりとサウナに入って疲れを癒した。

2日目
午前4時半に起床。牡鹿半島東端近くの鮎川港へ向かう。6時過ぎに港に到着。前もって予約しておいた海上タクシー(クルーザー?)に乗り込むと、沖に見える網地島めざして約10分間のクルージングだ。
ここ網地島と隣の田代島、そして金華山近辺は船からのカレイ釣りで有名である。型のいいカレイが数釣れるとあって、ファンは多いそうだ。しかし、陸からの釣りもそれに負けず劣らず、好釣り場が多い。波止から地磯から、大型のアイナメや、カレイはイシ、マコとも狙えるようである。
定期船の発着する波止で降ろしてもらい、今度は私が先端付近、お湯氏が10メートル程戻ったところで荷をほどく。
波止外向きは強烈な向かい風のため竿が出せず、全て港内向きとする。水深はそこそこあるが、ヒトデが滅法多い。しばらくして、少し風がやんできたので外向きに竿を集中する。
すぐに「コンコン」というアタリがあり、マコガレイの25センチが登場。続けて、泣きポンクラスのアイナメ。そしてようやく、近投の竿にアイナメの32センチが来る。一方のお湯氏はヒトデの猛攻に手を焼いているようだ。波止に他の釣り人がいないので、2人でできるだけ広く探るものの、その後全くアタリなし。午後3時の納竿時、最後に上げた竿にやはり同型のアイナメが付いていた。
午後4時10分発の定期船で鮎川港に戻る。まだ日没まで1時間強あるので、港口北側の波止でアイナメを狙う。ここも大型のアイナメが釣れることで有名である。ここでは、すぐに中型アイナメがポツポツと釣れるが、東の空に濃い雲が現れたかと思うと雨が降り出し、やがて雷が鳴り出したので急いで納竿。命からがら車に戻った。

最終日
本日も午前4時半起床。さすがに3日目となると起き出すのがつらい。このあたりは本州でもかなり東にあるので、宿を出るとあたりはすっかり明るくなっている。天気は最高、風も穏やかだ。
今日は帰りの便の時間から逆算して、午後2時半納竿、半日勝負である。潮としては朝8時から下げ始めて、最後まで下げ潮を釣ることになる。干満の差も最も小さく、カレイ釣りには不利な条件なのだが・・・。
港まではすぐ近くの距離であり、5時半には第1投。朝のうちがチャンス!と、青イソメ、マムシ、コガネムシ、餌はタップリ残っているので、新鮮なものを選んで針に刺す。隣で投げるお湯氏のほうも気合十分のようだ。
遠近投げ分けて、縦のラインを広く探る。5分に一度は仕掛けを動かさないと大型ヒトデの餌食となり、決してカレイは釣れない。それほどヒトデは多い。フグの多い関西の釣り場で釣っているのとたいして変わらない手返しが必要である。開始早々、近投で基礎の際狙いの竿にアタリ。アイナメの34センチが登場する。水温はかなり低いが、少しは魚の食い気はあるようだ。
ゴールデンタイムの午前8時を過ぎても、カレイのアタリはなし。お湯氏もヒトデの猛攻に手を焼いている様子。

午前9時、活きのいい餌をタップリと付けて投入、糸ふけを取って三脚に立てかけた直後の竿に待望のアタリ! 「グーン」と竿先が引き込まれた。少し待って竿を手に取り、糸フケをとって大アワセ!!
かなりの重量感を感じながら、慎重にリーリングする。時折、グッグッと力強く引き込む。
「大型のアイナメだろうか?それにしては浮いてこないが・・・」。全く姿を見せないまま足元の真下まで寄ってきた。そしてなんとか浮かせると、ひと目で50センチ・オーバーとわかる大きなマコガレイが下針に食っている。お湯氏は作業中のようなので、水面下で泳ぎ回るカレイをセルフサービスでタモ入れ。
そして無事ランディングしたカレイだが、大暴れしてタモの中で針が外れてしまった。針を見ると軸太の***サーフがなんと、グニャリと曲がってしまっているではないか。まだまだ水温は低いのだが、すっかり体力を回復しているようで、肉厚マコガレイの背筋?力は相当なものである。
異変に気づいて様子を見にきたお湯氏だが、今が時合、とすぐさま釣り座に戻って打ち返しを再開したようだ。

それからも、納竿ぎりぎりまで粘り強く釣るが、魚からのシグナルはそれっきりなかった。そして、最後の最後に期待に応えてくれた東北の海に別れを告げて仙台に向かった。



釣果:
マコガレイ  54cm
アイナメ 34 32 31cm