2001年、21世紀の記念すべき初釣り。納竿釣行でカレイの釣れた境水道へ向かった。前週釣れたカレイを捌いたところ、まだ産卵までには少し時間がありそうだったからである。相棒は同じく今回が初釣りとなる一本釣り師氏。
サイズは問わないが、初釣りなので1枚でも釣れてくれれば・・・そんな気持ちで神戸を出発した。
道中、米子道でチラチラと雪が降ったものの、渋滞もなく未明に現地到着。
北からの風が強く、車外に出るには勇気がいる。みぞれや雪も絶え間なく降っている。カレイは夜が明けてからだが、このあたりは夜明け前にスズキが出ることがあり、少しだけユムシも用意している。
「ボチボチ行こか・・・」
覚悟を決めて防寒着を着て外に出るが、やはりヒューヒューと冷たい風が吹いている。車に近いところに私、少し離れたところに1本氏が釣り座を構えた。
急いでスズキ用の仕掛けをセットし、ユムシを餌に3本の竿を出す。そして、逃げるように再び車の中へ。少し仮眠を取り(Zzz..)、空が白み始めた頃に外に出た。
仕掛けを回収したところ、ユムシはかじられた形跡もなく全てそのままの形で戻ってきた。どうやらフグはいないようである。
夜が明けてからはカレイ狙い。マムシとコガネムシを付けて3本の竿で左右に投げ分ける。まだ引き潮が速く、干潮の潮止まりまでには少し時間があるので体力温存モードだ。潮の干満の差が小さい日本海の釣り場と言えど、潮の止まる前と動き始めにアタリが集中するのは他の水道筋とかわらない。
午前8時、潮が緩くなり、仕掛けが落ち着くようになった。
ちょうどその頃、一本氏が重そうにリールを巻いているのが目に入る。そして抜き上げたのは35cmはありそうなイシガレイ。これが21世紀最初に見るカレイである。
「やっと釣れた♪」
ここ数ヶ月、近場のカレイ狙いで不調続きだった一本氏だけに、喜びを隠し切れないようである。
さあ、時合だ。竿を追加し、全ての仕掛けに新鮮な餌を刺していっせいに投入、21世紀カレイのアタリを待つ。20分程は止まっていた潮も僅かに逆に流れだした。
その時、カケアガリになじんでいた竿のうちの一本にアタリ。サーッと大きな糸フケが出たのである。
「来た、来た」
見守っていると、今度は反対にグーッと竿先を持ち込んだ。ひと呼吸おいて、大アワセ。グーンという重量感が竿全体にのしかかった。バレないように一定の速度でリーリング。手前に寄って来るにしたがって、ますます重みが増してくる。底へ潜ろうとする力はなかなかのものであるが、イシガレイにしては動きが鈍重である。
足元で姿を現したのは・・・マコガレイ、しかもなかなかの型である。そのまま竿をためてゴボー抜き。暴れるカレイにメジャーをあてると43cm。驚くべきはその身のぶ厚さである。実にウマそう・・・♪
これを見て更に気合の入った一本氏。その後もバッジ級(30cm以上)のカレイを連発。うっぷんを思う存分晴らしているという感じだ。
この頃、境水道のどこかで竿を出しているはずのM1号氏にTEL、釣況を伝える。あちらはあまり芳しくなく、弓ヶ浜あたりへ転進を考えられていたとの事。カレイが釣れているので、気が向いたら来てください、と言って電話を切る。
1時間後、M1号氏が到着。隣に並んで竿を出される。そして程なく32cmのイシガレイをゲット。初釣りで3人にカレイが釣れるとは・・・こんな縁起のいいことはない。今年も仲間に恵まれ、いい釣りが楽しめそうだ。
その後も一本氏は順調にカレイを追加。終わってみれば一本氏にカレイが6枚、そのうち30cm以上が4枚、M1号氏はカレイ2枚。私のほうはセイゴクラスが数匹(リリース)釣れたのみで、カレイは1枚だけであった。
夕方になるとみぞれが降りだし、更に気温も下がってきたので納竿とし、M1号氏に挨拶をして帰途についた。
<続報>
翌週の13日、初釣りのうじメール氏が同場所で釣り、33cmのカレイをゲットした。(下の写真)

