鳥取県境水道〜納竿編

平成12年12月29日 ばんち
写真提供:りさるあ氏


2000年、いや20世紀の記念すべき納竿釣行。昨年の年末の同時期にカレイが好調だった鳥取県の賀露港(鳥取港)へ向かった。今回のメンバーはクラブのM会長、りさるあ氏、伝説の釣り師、私の4名である。
現地には6時前に到着。一番船が出る午前8時までにはまだかなり時間があるので、一同車の中で仮眠。明るくなり始めた7時頃に外に出て、一文字方向を観察する。東からの風が強く、時折波止には大きな波飛沫が上がっている。
「こりゃ、アカンかなあ・・・」予報では波高3mのち2m、8時までに荒れが収まってくれれば・・・と淡い期待を抱いていたのだが。
あきらめぎみに海を見つめる一同に対して、渡船屋の船長氏は冷静かつ自信に満ちた態度でこう告げた。
「人は大丈夫やけど、荷物はみんな流されるやろナァ」
おいおい、そんなところに上がれるかいな。(うち2名、一文字で荷物を流された経験あり)
一文字がだめなら地方から、とひととおり見て回るが、雨と強風のなかではどうも気が進まない。(投げ釣りは気合!ではなかったでしょうか?)
結局、好ポイントは空いてないだろうが、全天候型の境水道に転進を決定。国道9号線を西進して水道筋に到着した頃には10時をまわっていた。白灯の手前で伝説氏を降ろし、対岸の島根県側に向かう。さすがに年末とあってポツポツと先客の姿があるが、強い東風のため水道筋には白波が立ち、いかにも釣りにくそうだ。
普段はあまり、ここで釣る!と言わない会長であるが、この日はビビビッと来るものがあったのか、なべや別館裏でー
「ここでやるわ」
と車を降りた。残るはりさるあ氏と私。移動にもかなり疲れていることもあり、会長の釣り座から200m程中海に寄ったところで車を止めた。
強風の中、4本の竿を出す。程なく携帯電話が鳴る。会長からである。もしや・・・
「イシガレイの40オーバーが釣れたぞー!竿が真横になったし、スズキか思たけどなあ」
さすが会長!開始30分、これでぐっすりと眠れることでしょう。
一方の私とりさるあ氏は根掛かりの多発にギブアップ。昼過ぎには早々と場所換えをすることで話がまとまった。行き先はオカズ確保確実のポイント。流れは速いが、風による影響は少ないように思えた。
りさるあ氏と並んで二人で竿を出す。他に釣り人はいない。
マムシとユ虫を付けて3本の竿を出し終え、荷物を整理していると遠投の竿に激しいアタリ。連続して竿先を叩いている。
「アイナメか?」
竿を手にとって大きくアワセると、ズッシリと重い。引きからしてアイナメではなさそうだ。
「何か来ましたか?」りさるあ氏がカメラを手に近寄って来られる。
力糸をリールに巻き込んでもオモリが浮いてこない。足元でようやく姿を見せたのはまずまずのイシガレイ35cm。抜き上げてそのままりさるあ氏のカメラに向かって、ハイ、チーズ。カレイから針を外していると別の竿に小さなアタリ。こちらは27cmのマコガレイだ。さぁ、時合と更に気合を入れて打ち返す。が、残念ながらこれ以降日暮れまでアタリなし。
転進を余儀なくされながらも、20世紀最後の納竿釣行でカレイの姿を見ることができ、ラッキーな一日だった。



釣果:
イシガレイ 35センチ
マコガレイ 27センチ