SEKOUBA BAMBINO DIABATE



◇バックミュージシャン
 TOUNKARA MAKA
 マカ・トゥンカラ (ン・ゴニ)
 KOUYATE KABA
 カバ・クヤテ (パーカッション)
 SOUMANO IBRAHIMA
 イブラヒマ・スマノ
 (ギター、バラフォン)

2005年のアフリカン・フェスタで、セクバ・バンビーノ・ジャバテが来日した。
有名なグリオの家系に生まれ、天性の歌唱力に恵まれた彼は、10代の頃、ギニア伝説のバンド、ベンベヤ・ジャズにヴォーカリストとして参加し、その若さゆえ「バンビーノ」という愛称がついた。
ベンベヤ・ジャズを抜けてソロになってからも、コンスタントに活躍をしている実力派。

「バンビーノ」というニックネーム通り、いつまでも若いイメージがあったセクバも既に40代にさしかかり、落ち着きと威厳を感じさせる堂々としたステージングを見せてくれた。
今回は大掛かりなバンド形式ではなく、ン・ゴニ、バラフォンを含めたアコースティック楽器中心の編成での来日であり、ポップな曲は排し、のっけから正統派グリオの歌を聞かせる渋い選曲。
いやいや、セクバは本当に歌が上手い。
体に隅々にメロディと言葉が凝縮されていて、それらが自然に溶け出してくるかのように流麗な歌いっぷりに、安心してグリオの定番フレーズに酔える幸せを久しぶりに感じた。
観客席のギニア大使(?)など特定の人に対しての、これでもかという程こってりとした誉め歌攻勢に、皆がお札を大盤振る舞いするのは、こうしたステージでは御馴染の光景。
手に持ちきれない程の千円札を握りしめながら歌う姿は、これぞグリオの真骨頂で、見ていてなんとも嬉しくなってしまった。

2日目のステージでは、ご当地での大ヒット曲「カ・スマ・マン」を披露し、ギニアなどの西アフリカ人を中心に会場は大変な盛り上がり、終了後はアンコールの声が響き渡った。
アンコールに答えて再登場した時には、多くのアフリカ人たちが「わー」っとばかりにステージに殺到し、セクバを取り囲んでダンス、ダンスに写真、写真、写真、写真・・・。
いったい、ここは東京かコナクリか、という熱狂の中、ステージは幕を閉じた。

バマコで聴いた時は、お布施もらいまくりのライブで、ワールドワイドに活躍するミュージシャンというよりも、地元マリンケのお偉いさん御用達の「おらが歌手」という匂いがぷんぷんしていた。
現地の人たちにとっては、グリオのライブは音楽を楽しむというより、自分のことを誉めてもらう為の場なので、誉めてもらって何ぼの世界。
周囲にはお構いなく、歌っている歌手につかつかと近寄っては名前を耳打ちをして、お金を渡して写真撮影。そして、その曲には途中に必ず指定された人の誉め歌が入る。
曲はそれぞれ違っても、途中に定番の誉め誉めのフレーズが入ってくるので、どれも似たような調子なので言葉が判ったとしても音的には退屈なもので、ステージ構成はないに等しく、いつになったら終わるのかと思う程長いものだから、この日は体力に負けて途中でリタイアしてしまった。

お金を払って、グリオに誉めちぎられては溜飲を下げるという彼らのメンタリティーは、なかなか理解し難いけれど、ある種判りやすくもあり、微笑ましくもある。

15年ほど前は、セクバ・クラスのアーティストの来日もしばしばあって、身近に聴くことができるありがたい状況だったけれど、ワールドミュージックのブームが終息してしまった今、毎年決まって来日するいくつかのミュージシャンを除くと、日本でアフリカもののライブを聴く機会は、この「アフリカン・フェスタ」と「東京の夏音楽祭」くらいだろうか。
そんな寂しい状況の中でも、ジャンベ人気の持続や、「アフリカン・フェスタ」などアフリカもののイベントへ訪れるが増えていることから、じわじわと潜在的なアフリカファンが増えてきていると信じたい。
このあたりで、WOMAD復活といくと嬉しいのだけれど。
カセット天国

SINKAN

CD
SONO
CDS8932

2002

「SINKAN」のジャケットのセクバは、気合一杯にスタイリッシュに決めていて、なかなか男前・・・ていうか、頭が釘だ。

ワールドワイドなセールスを意識したのか、ラップ、リンガラまでいろいろな曲がある。
フランス語で歌うラップには、「セクバ、お前もか」という気もするけれど、それだけ器用にこなせる力量があるのだろう。
ラップなど極端なアレンジの曲以外は、キャッチーなメロデイに洗練された女性コーラスが絡み、音数が多く、ポップで都会的な香りを極限まで押し進めた、いわゆるギニアの「コナクリサウンド」満載。
それでも、途中にはしっかりとグリオの定番フレーズをはさんでくるあたりはなかなかしたたかだ。

SINKAN

MALI K7

2002/06
BAMAKO

上記、CDリリースされた力作の現地カセット版。

KASSA

SONIA STORE

1996/12
BAMAKO

1996年の終わりに、下の「BONYA」と同時期に発売され、共にカセット屋の店頭を華々しく飾っていたのを思い出す。
この頃になると、バマコのカセットの質もまあまあ良くなっていて、だいぶ安心して買えるようになってきた。


BONYA

SAMASSA

1996/12
BAMAKO

「KASSA」と同時期に発売された作品。
「SAMASSA」はバマコの中心部にあるカセット屋さんで、「SAMASSA RECORD」として製作もしている様子。
90年代には、店の中は文字通りカセットで溢れていて、絞るのが大変な程だったが、2002年は何故かカセット棚はがらーんとしていた。
いつも店先にいるマダムには「こういうのが欲しい」と言えば、売り子の少年に街中を探させたり、「明日帰る」と挨拶に行くとただでカセットをくれたりと、よくしてもらった。
ああ、懐かしい。

HOMAGE AU SYLINATIONAL
DE GUINEA

SUPER SELECTION

1996/1
KONAKRY

 

SEKOUBA BAMBINO DIABATE

SUPER SELECTION

1992/03
BAMAKO

初めてのバマコで、訳もわからずにあれこれ購入した中の一本。
タイトルが名前になっているので、多分これが、ベンベヤ・ジャズを抜けてソロとして初めてリリースしたカセットではないだろうか。
名前の後ろにベンベヤとついているのは、「ベンベヤ・ジャズいたセクバさんですよ」という説明のようだ。
バマコでも、グリオものを中心にギニアのポップスは好んで聴かれている。
マリンケ、バンバラ、スースーなどの個々の民族にそれぞれ伝わる数百年前から続くグリオの文化があり、その点において後から引かれた国境はさほど関係ないだろうとも思うが、実際はギニア人、マリ人というそれぞれの国民意識も大いにある訳で、マリンケの誰々、バンバラの誰々というアイデンティティと、国民としてのアイデンティティを上手く使い分けて生活をしているのだろうと思われる。このあたり、日本人には判りづらい部分だ。

LE DESTIN

SUPER SELECTION

1992/03
BAMAKO

1990年代初頭に最大のヒットとなった「カ・スマン・マ」を含むアルバム。
この曲は西アフリカではかなりなヒットだったようで、随分後になってもラジオで良くかかっていた。
世界的なワールドミュージックのブレイク時期は短かくて、1990年代に入ってからは、世界的な大ヒットを飛ばすアフリカのミュージシャンはほとんど出ていないような気がする。
このような西アフリカ限定大ヒット曲は結構あって、どれもとっても良い曲なんだけどね。