海賊(レニングラード国立バレエ)

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05年1月29日(土)

東京文化会館

 

音楽: A.アダン, C.プーニ, L.ドリーブ, R.ドリゴ, P.オリデンブルグスキー
編曲: E.コルンブリト

台本: A.サン・ジョルジュ, J.マジリエ   改訂台本: Y.スロニムスキー

演出・振付: M.プティパ   演出: P.グーセフ   改訂演出: N.ボヤルチコフ

美術: S.ヴィルサラーゼ

指揮: アンドレイ・アニハーノフ   管弦楽: レニングラード国立歌劇場管弦楽団

    1月29日   1月30日
メドーラ イリーナ・ペレン オリガ・ステパノワ
コンラッド マラト・シェミウノフ アルチョム・プハチョフ
アリ ファルフ・ルジマトフ
ギュリナーラ タチアナ・ミリツェワ アナスタシア・ロマチェンコワ
アフメット ミハイル・シヴァコフ アントン・プローム
セイード・パシャ アレクセイ・マラーホフ
ビルバンド アンドレイ・クリギン アントン・チェスノコフ
フォルバン ナタリア・オシポワ
クラシック・トリオ エレーナ・エフセーエワ,アリョーナ・ヴィジェニナ,マリア・リヒテル イリーナ・コシュレワ,タチアナ・ミリツェワ,エレーナ・フィルソワ
アルジェリアの踊り アンナ・ノヴォショーロワ エレーナ・モストヴァヤ
パレスチナの踊り エカテリーナ・ガルネツ アリョーナ・ヴィジェニナ
ピチカート ユリア・アヴェロチキナ,ヴィクトリア・シシコワ マリア・リヒテル,アレクサンドラ・ラスツカヤ
二人の踊り オリガ・ポリョフコ,ユリア・カミロワ オリガ・ポリョフコ,ユリア・カミロワ

 

この日は舞台上でルジマトフが脚を傷める,というアクシデントがありました。
なにが起きたのかはわかりませんでしたが,なにかが起きたことはわかりましたので,その結果,2幕の後半からはかなり上の空で舞台を見ることに・・・。

というわけで,まずルジマトフの件から参りますー。

 

1幕は最近の彼のアリらしく峻厳なかっこよさでした。
マントがピンクのバスタオルから茶色くて「マント」と呼ぶに十分な分量の薄茶の布に変わっていて,とっても嬉しかったです〜。ハーレムパンツのボロボロ度が増していて,あら,新調したのかしら〜,という辺りもチェックしたり,髪も『ジゼル』のときはちょっと長すぎだと思ったけれど,アリはこれくらいのほうがいいかも〜,と思ったり,いつもどおり,らんらん♪

2幕パ・ド・トロワのアダージオが始まったときは,「うん? 体調悪いのかな?」と思いました。ほんの少し動いただけなのに,息が上がっているように見えたから。
でも,アダージオ全体としては,「頭上リフトしつつルルベする」得意技も見せていたし,それはもう美しかったです。
毎回繰り返すことですが,まー,なんだってこんなに美しいんでしょー,と感嘆。

さらに,ヴァリアシオンは,「あ,逆だった。今日は調子いいらしいわ♪」と思えるできでありました。
なんていうのかな・・・最近はポーズや動きの美しさに重点が移っていて,キレとか迫力はかなり薄れていたのが,この日はそういうモノがかなりあったのね。そして,かつての(私を10年以上続いた恋に陥れた頃の)彼のアリを際立たせていた「抑えた中から迸る激情」みたいなものも感じられて,しかもその頃よりきちんとコントロールされた踊りで・・・「うわ,ファルフったらどうしちゃったの?」なんて思いました。

ところが,「好事魔多し」とでも言えばよいのでしょうかね,コーダ前半で完全に失速。これは後から振り返って推測したことですが・・・たぶん,最初の跳躍でアクシデントが起きたんじゃないのかな,全然踊れなくなってしまった感じでした。それなりには動いていたから,わからない方もあったかもしれませんが・・・。

後半のピルエットは「気迫で回ってのけた」感じであらぬ方向を向いて終わりましたし,その後の舞台上での動きもおかしかったです。きれいではありましたが,(そう思って見てしまうせいもあるのか)とてもしんどそうだし,汗の量や呼吸の荒さも尋常ではない。

2幕の最後,目覚めたコンラッドの合図で舞台に駆けつける場面と続いてのカーテンコール,3幕冒頭でギュリナーラを逃がすところにも登場せず,マールイのコール・ドのダンサーたちやシェミウノフ@コンラッドが代行していましたし・・・うううううううむ,絶対なんかあったんだわ,どこか怪我したのかもしれない,たいしたことないといいけど・・・と思っていたら,最後のシーンやカーテンコールには登場。(実のところ,出てきたことに驚いた)
でも,その動きや表情はやはり本来の彼には見えませんでしたから,ますます心配にもなりました。

だって,翌日も舞台があるんですもん。
大丈夫なのかしら? もちろん踊ってほしいけれど,無理はしてほしくないとも思うし,でも彼以外のダンサーのアリは見たくない(というか,見ても絶対満足できない)のは間違いないし・・・。

 

で,どうなったかは,翌日の舞台の感想(↓)をお読みいただくこととして,この日の舞台の話に戻りますが・・・よい舞台だったと思います。

まず,メドーラのペレンがよかった。
全体として表情がにこやかになっていたし,奴隷市場での怯えやコンラッドとのラブラブぶりなど,ちゃんと場面にふさわしい表情を見せていたので安心しました。(って,当たり前のことかもしれませんが,彼女の場合,この方面が最大の問題点だという印象なので・・・)

踊りは,最初の娘たちのシーンは「いきいきした様子を出そうとして少々雑になっているのでは?」と思いましたし,グラン・パ・ド・トロワは特に印象的というほどでもなかったですが(まあ,この辺は見る側がかなり上の空だった可能性もありますわね),花園のシーンがとってもよかったわ〜。

美しいプロポーションとかわいいけれどちょっとツンとしたお顔立ち,伸びやかで柔らかでありながらクールビューティの雰囲気もあり,チュチュで踊るシーン(バレエらしいバレエ)を美しく見せるという意味では,彼女こそがこのバレエ団の第一人者だということを,改めて感じました。

 

ミリツェワ@ギュリナーラは軽やかな踊りでチャーミング。なんと形容したらいいかわからないのですが,独特の色気もあって魅力的。
今回初めて思ったのですが,もしかして彼女って「たおやか」系ではなく「はつらつ」系なのかな? 花園のシーンでの脚を大きく回す動き(?)など,クチュルクか? というスピード感で,意外な発見でありました。

 

シェミウノフのコンラッドは,たいへんかっこよかったです。
大柄で舞台映えしますし,華もありますよね。2年前の「首領の跡目を継いだばかり」の初々しいかわいらしさもよかったのですが,今回は,ルジマトフとクリギンというはるか年長の部下を従えるにふさわしい器量の大きさと凄みが感じられましたし,演技も上達。

ただ,踊りは物足りないですなー。見ているときも「もうちょっと・・・」と思いましたが,翌日にプハチョフで見たら,「うーむ,どうやら,振付自体簡単にしてあるらしい。それであの程度であったか・・・」と。
それを補うだけの存在感はあったし,キャラクテールのダンサーらしいからしかたないとも思いますが,まだ若いのですから,もしかするとなんとかなるのではないか,と期待したい気もします。(せっかくハンサムなのに,メイクの役専門なんてもったいないよねえ)

 

シヴァコフのアフメット@奴隷商人は,わはは,全然似合っていませんでしたー。でも,一生懸命芝居しているのがかわいいから許しちゃう。
なんかねー,フリーターが奴隷販売店でバイトしているうちに店長に抜擢されて張り切っているみたい。とっても商売熱心だから業績も上がるけれど,そのセールストークは本部のマニュアルどおり,という趣。

踊りは悪くはなかったですが,うーむ,音楽のテンポがゆっくり〜にしてあって・・・音楽の緩急などほとんど気にならない私が気付くくらいのテンポで踊るというのはやはり踊れていないということなのではないか,という疑いが・・・。どうなんでしょ?
あ,でも,昨夏ガラで見たときに比べると,格段に安定していたと思いました。

 

クリギン@ビルバントは,うーん・・・少々やりすぎなのではないでしょうかねえ。
アフメットを戦利品にアジトに戻った(というふりをしている)直後の踊りなんか,「あのー,なぜに悪鬼のような表情ですごまなければならないのでしょーか?」という感じ。私は以前は,彼の濃さ,くどさを楽しんでいたのですが,今回は,「なんかウソっぽいなー。やだなー」と思ってしまいました。

でも,彼の演技プラン全体はよいと思います。
1幕の奴隷市場でコンラッドが多額の金を費やしてでもメドーラを救い出そうとしているときに,はっきりと不満な様子を見せて,2幕での反逆の伏線を作っているところなど,感心しました。

 

コール・ドはよかったです〜。
女性陣の夢の花園もきれいでしたし(←何回見ても,ああいう挿入のしかたをする演出は不審だが),なにより,2幕での海賊たちのダンス♪♪ 男性ダンサーにとっては,『白鳥』や『眠り』で上品にワルツなんか踊っているよりこういうほうが楽しいのであろうなー,と思ってしまうノリのよさと迫力で,たいへん楽しませてもらいました。

あ,それから,パレスチナの踊り(ガルネツ?)の美貌と悲壮感がとってもよかったです〜。
なんとかこの場を逃れたいと腕をふり絞る動きに切迫感と絶望と,そしてそういうふうに踊ってはますます男たちを煽ってしまうであろう色香があって・・・とても引き込まれました。

・・・というわけで・・・もちろん,ルジマトフの心配がありましたから,脳天気に楽しんだわけではないですが・・・でも,やっぱり楽しかったわ〜。

 

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海賊(レニングラード国立バレエ)

05年1月30日(日)

東京文化会館

 

そして,ルジマトフは大丈夫なのかな〜? と不安を感じながらの翌日の公演ですが・・・ルジマトフはやはり大丈夫ではなかったですが,もちろんすてきだったし,全体としてはよい舞台だったと思います。

 

ステパノワが主演するのは初めて見たのですが,登場シーンの連続する跳躍の大きさには感嘆しました。その辺の男性ダンサーよりよっぽど力強さがあるような感じを受けましたし,この人が主役だ,というのが瞬時に観客にわかるだろうなー,とも思いました。
彼女はあまり華のあるバレリーナではないと思いますが,それに替わる脚の強さ(それとも腰の強さ?)があるのですね♪ 娘たちが円陣を作ってジャンプするシーンなんて,前にいるロマチェンコワを追い越さないよう苦労しているみたいでしたわ〜。

ダブルを入れても軸がずれないフェッテの安定も見事でしたし,夢の花園でのパ・ド・シュバル(でいいのかな? 片脚ポアントで立って,上げた脚を前に蹴り出しながら進む技)の余裕とタメもすごかった。
バストが豊かで上半身がしっかりしているせいなのか,頭が小さいと言いかねるせいなのか,上半身が優美に見えないのが惜しい,という感じはしましたが,なにをやっても安定していて,うん,安心して楽しめるというのはよいですわ〜。

演技もよかったです。海岸で兵士たちに囲まれるシーンのドラマ,奴隷市場できっと周りを見据えるときの存在感,コンラッドとのラブシーンでのコケティッシュと言いたいほどの色気のふりまきかた,ラストシーンでのコンラッドへの「べたー」という密着・・・等々。

全体として,海賊たちが稼ぎに行っている間留守を任せるのになんの不安もないし,情が深くて夫には心から尽くすだろう,という「海賊の女房の理想」に見えるなー,と思いました。

 

ギュリナーラはロマチェンコワだったのですが,うーーん,私は彼女の踊りは好きではないなぁ。腕の動きがきれいに見えない・・・。

奴隷のパ・ド・ドゥのアダージオで「嫌そう」を通して笑顔を見せなかったことなど,役作りはよいと思いました。顔を隠すためのベールが踊り始めてすぐに外れてしまったのを,「パシャが顔を覗き込もうとする場面で顔を隠す」という形でかぶり直した機転も「♪」でした。(踊りだしたらまた外れてしまったけどー。そういえば,前日のミリツェワもベールが外れてしまったんですよね。髪が乱れずかつ踊っても保てるようにかぶるのって難しいんでしょうねー)

3幕でアフメットをパシャに讒訴する芝居も「なにを意図しているのか」が伝わってきてよかったと思います。(ミリツェワの場合は,シヴァコフ=若い男に手を出しているように見えてしまったので・・・)

 

コンラッドのプハチョフは,とーってもすてきでした〜。
おととし見たときも,よいなー,と思いましたが,今回はいっそうよかったです。背は高いほうだし,プロポーションはいいし,所作はノーブルだし,サポートも演技も上手だったと思うし,なにより踊りがきれい。

ルジマトフの負傷のためパ・ド・トロワでの跳躍部分は彼が踊ったのですが,さすがにこれには「ちがーーーーーうっっ」と言いたくなりました。
でも,それはこっちの刷り込みのせいですし,なにより,アリではなくコンラッドとして跳んでいるわけですものね。恋と財宝を得て得意の絶頂にいる人にふさわしい,高さと大きさのある跳躍で,よかったと思います。

そして,アジトでの勇壮なソロの中に織り込まれたアラベスクの美しさには,「おおおおっ」でしたわ〜。すぱっと決まるのよ,すぱっと。私好みのキレキレなの〜♪♪(あの踊りはまた見たいなー,何度でも見たいなー)

ただ,ちょっと地味だし(まあ,コンラッドというのは主役の割に地味なことが多いけどー),手の差し出し方などがエレガントすぎて海賊の首領にしては「線が細い」感じがあるなー,と思って見ていたのですが・・・最後のビルバントとの決闘シーンで派手な跳躍(ええと・・・剣を繰り出す勢いで上半身を前に倒して,両足を後ろに跳ね上げる?)を見せてくれたので,きゃああ,かっこいい〜♪ と熱狂してしまいましたよ。
うん,とてもよかったです。好きです。

 

さて,プハチョフは「予想以上によかった」のですが,「予想を裏切ってよかった」のがアフメットを踊ったプロームでした。
「くるくる巻き毛にびっくり目の坊やに奴隷商人やらせてどうするんじゃい」なんて思っていたのですが,ものすごくはまっていて,いやいや,たいへん失礼いたしましたー。

ムチの使い方などはシヴァコフ同様「修行中」だし,「かっこいい」より「かわいい」系なのもシヴァコフと同じなのですが,彼の場合は,下衆な感じがちゃんと出ていたし,いかにも楽しそうな笑顔が「好きだからやっている=女を売買するのが天職」に見えるのがすばらしいですー。

踊りも,「上手だが全然ノーブルでない」のがよかったです。彼の踊りは少し癖があるようで,以前王子役で見たときには違和感があったのですが,こういう役ならそれもよいですよね。
全体として役に合っていて,とてもよかったと思います。

 

ビルバントを踊ったチェスノコフはですねー,ヘアスタイル(黒髪巻毛)やメイクまでクリギンに似ていて・・・あのー,同じ路線でやっていてはクリギンに勝てないのは明らかなのではないでしょーか? と忠告したくなりました。(いや,バレエは勝ち負けではないですが,でもねえ)

主要な役が日によって変わる中で両日とも出演だったマラーホフのパシャですが・・・すてきでしたわ〜。
長い指に光る石をたくさんつけて,優雅な仕草で女を品定めするシーンも魅力的だし,ビルバンドに刃を向ける1幕の幕切れも迫力がありました。そして,ギュリナーラには優しい笑顔なのよね〜。アリの女房になんかなるより,そのまま暮らしていたほうが絶対幸せになれると思うんだけどー???

 

・・・というわけで,アリの話ですが・・・。(←ちょっと話の展開に無理が?)

右脚の肉離れだったそうで,↑にも書いたように,パ・ド・トロワでのソロの部分のうち大きく跳ぶ部分はプハチョフが踊り,ルジマトフが踊ったところもかなり振付を変えていました。

アダージオも一部プハチョフがリフトをしたところもあったのですが,いつもに増して美しいポーズを連発してくれましたから,不満もなく,うっとりとしましたし,脚の問題については,ほとんど忘れていました。
そして,プハチョフが替わってリフトをするのを見た瞬間には,ものすごく感動しました。なににどういうふうに感動したのかは自分でもわからないのですが,とにかく心を揺さぶられたのです。

3人で拍手に応えたあとルジマトフが上手に去り,下手側にいたプハチョフが上手に移って主演2人でまたレベランスを見せ,通常なら下手のベンチに腰を下ろすコンラッドも上手の袖に入っていくのを見たとき,私には次に見るものがなになのかわかった気がしました。
今日のヴァリアシオンはルジマトフでなくプハチョフが踊るのだ・・・と。

果たして笑顔のプハチョフが登場し,上手前から下手奥への後ろ向きで連続する跳躍を見せたのですが・・・後半はルジマトフが登場して踊り継いだので,そりゃもうびっくりしました。コーダも2人で分担して踊っていて・・・。
なるほどー,その手があったか。

 

ええとですね・・・この場面でのルジマトフの踊りはあまりよくなかったと思います。
きれいではありましたが,うーん・・・あまりアリらしくなかったと言えばいいのかな・・・いつもこのパ・ド・トロワで彼が見せてくれる精神性とか官能性のようなものが感じられなかったです。オーラがなかったと言ってもいいかもしれません。
「よいものを見せよう」という誠意は感じられましたが,私が彼に求めているのはそういうものではないので・・・。(いや,そういうものがあって悪いわけではないですが)

まあ,こっちの心理状態(どきどきモードというか,はらはらモードというか)もあったかもしれないし,大きな跳躍ができないので回転系の技が中心で,彼の回転の形自体は,そもそもさほど私の好みではない,という要因もあったような気はしますが。

そして,踊り以上にこの日問題だったのは,走れなかったことだと思います。
体調の問題と関係なくパ・ド・ドゥの振付を勝手に変えて踊るダンサーはたくさんいるし,ルジマトフだって,日によって違うことをするから,そちらは許容範囲かなー,と思いますし,芝居は前日以上に雰囲気が出ていてかっこよかったとは思うのですが,冒頭やコンラッドの危急のシーンで歩いて登場するアリというのは決定的にマズイだろう,と思うわけです。

ですから,私としてはもちろんルジマトフ以外のダンサーが出演したら悲しかったと思いますし,あとになって振り返れば貴重な思い出になる舞台だと思いますが(ひらたく言えば,老後の思い出話が一つ増えた♪),バレエ公演のあり方としては,彼はこの日は休演してバレエ団でこの役を持ち役にしているダンサー(シヴァコフ?)が出演すべきだったのではないか,と思ったりもします。

でも,とにかくこの役に関しては,ほかのダンサーじゃダメなのよ。踊れなくても(←というのは言いすぎかもしれないが),走れなくても,ルジマトフでなくちゃダメ。
最近の彼より高く跳ぶプハチョフを見て「ちがーーーーーうっっ」と思った瞬間に,そのことを深く深く再認識しました。

そして,ルジマトフのファンだけでなく観客の多くが「ルジマトフの『海賊』」を見にきているわけですし,事情を知らなければ,たぶん「若いころのようには踊れないけれどさすがの存在感だったわね〜」(あるいは「さすがの存在感だったけれど若いころのようには踊れないわね〜」であっても,要は同じことです)と納得してしまうくらいには充分に「ルジマトフの『海賊』」であったと思います。

一番心配だった「無理しちゃってこのあと大丈夫なのかしら?」も,3月初旬には復帰してマリインスキーの舞台で『シェヘラザード』を踊ったそうで,ひと安心。(安心してみると,人騒がせで困ったスターですなー,という気もしてきますねえ。いや,こっちが勝手に騒いだのではありますが)

まあ,そういうわけで・・・結論としては,「踊ってくれてありがとう,ファルフ♪」という舞台だったのでありました。 

(05.03.12)

 

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