白鳥の湖(レニングラード国立バレエ)

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05年1月10日(土)

東京国際フォーラム ホールA

 

作曲: P.チャイコフスキー

台本: V.ベギチェフ, V.ゲルツェル
振付: M.プティパ/L.イワノフ  改訂演出: N.ボヤルチコフ

美術: V.オクネフ  衣装: I.プレス

オデット/オディール: スヴェトラーナ・ザハロワ     ジークフリート: イーゴリ・ゼレンスキー

ロットバルト: マラト・シェミウノフ     王妃: ズヴェズダナ・マルチナ     家庭教師:アンドレイ・ブレグバーゼ

パ・ド・トロワ: オクサーナ・クチュルク, アンナ・フォーキナ, ロマン・ミハリョフ

大きい白鳥: エレーナ・エフセーエワ, タチアナ・ミリツェワ, アリョーナ・ヴィジェニナ, マリーナ・バルエワ

小さい白鳥: マリア・リヒテル, アンゲリーナ・アルテミエワ, アレクサンドラ・ラツスカヤ, エレーナ・ニキフォロワ 

スペイン: アンナ・ノヴォショーロワ, ユリア・カミロワ, ミハイル・シヴァコフ, アントン・チェスノコフ

ハンガリー: ナタリア・オシポワ, ミハイル・ヴェンシコフ

マズルカ: エレーナ・モストヴァヤ, ヴィクトリア・エフィーモワ, マリーナ・フィラトワ, エレーナ・フィルソワ, アンドレイ・クリギン, ヴィタリー・リャブコフ, ヤン・スミルノフ, アレクサンドル・オマール

2羽の白鳥: アリョーナ・ヴィヂェニナ, タチアナ・ミリツェワ

 

3日連続『白鳥の湖』の最終日。

かなり驚いたのですが・・・コール・ドがあまりきれいに見えませんでした。
1人ひとりの身体の使い方(肩から腕の辺りの動かし方?)は,牧や新国立に比べて美しいのですが,動きのタイミングとか腕を上げる角度がおとといと昨日見たものに比べるとかなり不揃いな感じで・・・結局,『白鳥』3連戦(←戦うなよ)の各コール・ド・バレエに「一長一短でなんかうっとりできなかったなー」感の残る結果となりました。
(今日に関しては,席が悪かったのだろーか?)

 

さて,主役についてですが・・・

うーーーん・・・なんか・・・特に楽しくもなかったし,感動の類もなかったですね。
悪くはないのですが,それどころか,ザハロワはそりゃもう見事だったと思うのですが,昨日やおとといみたいな「すごいっ」とか「わはは」とか「おおっ」とか「ヘ?」とか「いいねえ♪」がなかった。

今日の公演こそが正統派の『白鳥の湖』であり,世界でも最高レベルの主演者だということはわかるのですが・・・「きれいでした」のひと言で感想が終わってしまう気分で帰ってきました。
前日のヴィシニョーワ/コルプの毒気に当てられたのが悪かったのでしょう,たぶん。

 

ザハロワのオデットは華奢で儚げでたおやかで哀しげで,王女の気品があって,美しかったです。
マーフィーやヴィシニョーワに比べて抑制の効いた踊り方(たぶん,本来あるべきオデットの踊り方)で,その中から必要十分な情感が伝わってきました。

オディールは前に見たとき(4年前かな?)よりずっとオディールらしく=妖艶な誘惑者らしくなっていて,とてもよかったです。まあ,マールイに客演するのに,しかもパートナーがキーロフのダンサーなのに,なんだってグリゴローヴィチ版のヴァリアシオンを踊るかねえ,とは思いましたけどー。

 

ゼレンスキーに関しては,絶賛はしかねます。
若い頃より笑顔が自然だし,手の動きなんかずっと美しくなっていると思います。以前のような,胸のすくような豪快な跳躍ができる体調には戻らないのかもしれないし,リフトもできない状態なのだろうと思いますが,故障と折り合いをつけながら上手に踊っていることに敬意を表したい,と。

ただ,私は彼のファンではないから「見られただけで嬉しい」とは思えないし,以前の踊りを知っているから,率直に言って「見るのが切ない」という気分になりました。

これは,彼の演技が物足りなかったせいもあると思います。
踊りが若いころのようでなくても,表現に見るべきものがあれば,見られてよかったわ〜,になったと思うのですが・・・表現面では若いころと同じ,憂いも愛も情熱も感じられない,エレガントなだけの王子様で,心に響くものがありませんでした。残念。(コルプの名演を見た直後というタイミングが悪かったのだとは思うが

 

その他のダンサーについては,特に印象に残るほどのことは・・・。うーむ,やっぱり前日の疲れが出ている気がしますね。

そうそう,シェミウノフのロットバルトは迫力が増していてよかったと思います。
それから,彼の長身はそれだけですごい効果を生むのだなー,と。舞踏会でザハロワをリフトしたときの高さは,それだけで「おおっ,すごい」と思えるものでありました。

(05.05.1)

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チャイコフスキー:白鳥の湖
ボストン交響楽団 チャイコフスキー 小澤征爾

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小澤征爾指揮による全曲らしいです。
バレエ作品の演奏順とは一致しないみたい。

白鳥の湖
ピョートル チャイコフスキー Peter I. Tschaikowsky
Lisbeth Zwerger 池田 香代子

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「音楽と朗読のCD付き絵本だそうです。
どんな感じなのでしょうね〜?

 

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