B・A・L・L・E・T・S (スターダンサーズ・バレエ団)

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01年11月24日(土)

東京文化会館

 

BORDER LAND

振付・音楽構成:鈴木稔

舞台装置:山口賢一  照明:足立恒  衣装:小山恵美

「ボーダーランド」とは,「国境に接する地方」で,「どちらともいえない状態」という意味でも使われるのだそうです。で,鈴木さんの文章(解説というか,作者の言葉というか)によると,「今様々な問題を抱えた私達の真の境界線は,身体であるのだと私は思います。」というコトでした・・・ううむ・・・?
部構成なのですが,それぞれ独立した作品に見えました。それをつなぐのが「ボーダーランド=身体」だということなのでしょうかね・・・ううむ・・・??

まあ,その辺は置いとくことにして(笑),いろいろなコンテンポラリーを見せてもらえる作品で,特に第3部の「DIALOGUE」は,とっても,とっても,よかったです♪

鈴木さんのコンテンポラリーは,かっこいいけど,フォーサイスのマネみたいだなー,という印象を持っていたのですが,今回の作品を見て,認識を改めました。マネではなくて,フォーサイスの影響を受けた自らの作風と言うべきなのよね,きっと。(素人が僭越ですみませんー。)

 

1 SYMPHONIC METAMORPHOSIS

音楽:パウル・ヒンデミット

第1楽章
小平浩子  厚木三杏  岸川まや  丸山香織  上之恵民
本田真理子  新井千佳  厚木彩  白椛祐子  平井有紀
アーロン・ワトキン  李波  JOEY

第2楽章
小山恵美  西島千博
アーロン・ワトキン  李波  JOEY
小平浩子  厚木三杏  岸川まや  丸山香織  上之恵民
本田真理子  新井千佳  厚木彩  平井有紀
橋口晋策  友杉洋之  小濱孝夫

第3楽章
天木真那美  疋田智久
柴田みよ子  大岡直美  鈴木果枝  猪俣陽子
宮井和子  福島昌美  岩崎祥子  村田容子

第4楽章
小山恵美
西島千博  アーロン・ワトキン  李波  JOEY
小平浩子  厚木三杏  岸川まや  丸山香織  上之恵民
本田真理子  新井千佳  厚木彩  白椛祐子  平井有紀
橋口晋策  友杉洋之  小濱孝夫

舞台を広く使った黒いセットの中,黄緑,桃色,橙色,白などの蛍光色の衣装で,大勢のダンサーが踊りまくる,楽しいコンテンポラリー・バレエ女性は,ポアントでした。

楽章の音楽なので,それぞれの場面にちょっとずつ変化があって,全体としては盛り上っていくので,楽しめました。最後,オケピットをふさいだ舞台前面に,ダンサーが押し寄せる(?)ところが圧巻。

 

2 GATE

音楽:BLAST HEAD

小山恵美  岸川まや  木下佳子  新井千佳  宮井和子  岩崎祥子  天木真那美
東秀昭  疋田智久  タマシュ・モリッチ  オリビエ・フォール
橋口晋策  友杉洋之  小濱孝夫

これは,より新しい感じの,コンテンポラリー・ダンス。男女とも黒いダンスシューズに長袖のシャツ,コットン(?)パンツ。透ける金属の板(たぶん網目状)が舞台を取り囲んでいて,ダンサーが動かします。

全体に,くねくね,まったりした動き(笑)が中心で,私は,あまり得手ではありませんー。
最後のほうは,割合テンポアップした動きになるのですが,フランクフルト・バレエからのゲスト,スキンヘッドのタマシュ・モリッチさんという方が,「それでも,私はまったり動く」という踊りを見せて,少々不気味で印象的でした。

 

3 DIALOGUE

音楽:デビット・ダーリング

福島昌美  新田知洋

すばらしかったです〜。
ああ,もう,とってもうっとりしました〜♪

真っ暗な舞台の床を円状に取り囲む青い豆電球(?)・・・ひそやかな感じのメロディー・・・天井の一つだけのスポットライトが舞台を照らすと,一組の男女の姿が現れる・・・右手をそっと差し出して,相手を求めるような,でも,触れるのを恐れるような動き・・・また,舞台は暗闇に・・・再び明るくなって・・・という感じの場面が続いて,詩情あふれる,美しいダンスでした。
照明の使い方が上手で,舞台上のダンサーの位置によって,表現に陰翳がつくのが,とても効果的。

福島さんは,大きな役を踊るのを初めて見たのですが,なるほどロビンスの「牧神の午後」でデビューしたというのが納得できる,瑞々しくて,叙情的なバレリーナ。
新田さんは,「スタダンのソリストの人」という認識しかなかったのですが,こんなに雰囲気のある方だったとは・・・振付の重要なポイントである右手の動きがちょっと硬いかなー,という気はしましたが,ステキでした〜。

 

ナ・フローレスタ

振付:ナチョ・ドゥアト

音楽:エトール・ビラロポス,ワグナー・ティソ  装置:ウォルター・ノッブ  照明:ニコラス・フィシュテル

須永リエ  厚木三杏  小山久美  木下佳子  白椛祐子
西島千博  オリビエ・フォール  李波  新田知洋  アーロン・ワトキン

アマゾンの熱帯雨林の美しさを称える作品だそうです。
背景幕だけのセットと暗めの照明,渋い色調の簡素な衣装が美しかったです。

男女人ずつのダンサーが,集団になったり,パ・ド・ドゥやパ・ド・トロワになったりしながら踊る,ストーリーのないダンスですが,それぞれの場面にドラマを感じさせるものがありました。

ただ,全体として,バレエ団初演だからでしょうか,今一つなじんでいないかな,という感じも・・・雰囲気はあるのですが,こちらに迫ってくるスピード感というか迫力のようなものがもう少しほしいかなあ,と・・・。
座付きの鈴木さんの作品を踊るときのなじみ方と比べてはいかん,というコトでしょうかね? 

 

ということで,当初のお目当ての「ナ・フローリスタ」以上に,「DIALOGUE」に感激した公演でした。

なお,今回は,Tokyo dance Squareさんの登録メンバーチケットプレゼントに当選して,見にいくことができました。TDSさんとバレエ団に感謝するとともに,「DIALOGUE」再演の際には,自分のお金で見にいくことを,心に誓いました。
ですから,ぜひ,ぜひ,再演してくださいね〜♪

(01.11.29)

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