01年7月20日(祝)
ティアラ江東(江東区公会堂)
作曲:S.プロコフィエフ
台本・構成・演出:中島伸欣 振付:石井清子
美術:堀尾幸男 衣装:堀尾幸男,加納豊美 照明:足立恒
指揮:福田一雄 演奏:東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団
シンデレラ:志賀育恵 王子:黄凱(ホワンカイ)
継母:山本秀典 姉:鈴木眞紀子 妹:加藤浩子 父:青田しげる
仙女:津金澤千枝美
春:中村真理子 夏:高木糸子 秋:荒木美保 冬:佐藤靖美 大地の精:佐藤雄基
王様:金井利久 道化:穴吹淳
現代的なシンデレラの物語で,たいへん,たいへん,楽しかったです♪
台本・演出の中島さんに,熱い拍手とブラヴォーを!!!
志賀さんのシンデレラは,元気で明るく,てきぱき,しゃきしゃきとした人柄。
家事の手際もよく,はたきの使い方やモップを使うときの腰の入れ方が,アシュトン版のシンデレラとは大違い。現代に生まれたらきっと,底値ノートをつけたり,針金ハンガーでネクタイかけを作ったりしているに違いありません。
お城から3通の招待状が届くと「1通は,私あてのはず」とお義母さんに迫って,自分の権利を主張するし,3幕で,王子がガラスの靴を手がかりに家まで来ると,なんと,自分からもう片方の靴を差し出す。
いやあ,すばらしい♪♪
そう。自分の求めるものは,自分で行動して,手に入れなくては!!
もし私に小学生の娘がいたら,アシュトン版よりこちらを見せたほうが,教育上よさそうだわ,と強く思ったことでした。
一方で,舞踏会でのシンデレラと王子のパ・ド・ドゥは,『ロミジュリ』ばりに,たいへんロマンティックに見せてくれました。
王子は,マラーホフ風の(?)白のフリルのブラウスと白のタイツで登場します。黄さんは,明るい茶髪に染めた,なかなかのハンサムなので,これがたいそう似合うのですが,舞踏会にしては粗末な衣装ではないか,と最初は思ったのでした。
が,この場面の,派手なリフトのあるパ・ド・ドゥを見て納得。新国立のロイヤル仕様の豪華で重そうな衣装では,ああいう踊りはできますまい。
そのほか,舞台上,妖精たちや時計の精の持つ幕の後ろでシンデレラが変身するという演出も,なるほどーでしたし,シンデレラが舞踏会に行けないように,お義母さんが長持(?)の中の白いドレスにコーヒーをかけて,ごていねいに足でフミフミしているところ,お義姉さんたちのほかにも6人も花嫁候補がいて,入れ代わり立ち代わり王子に売込みを図る様子や,これに対して逃げ腰の王子,王子よりも花嫁選びに熱心で,シンデレラを探す旅にも同行し一番後ろからよたよたとついていく「のんきな父さん」風の王様,などなど,とても楽しめる舞台でした。
有名なダンサーが出ていなくても,男性ダンサーのレベルに(失礼ながら)質・量とも不足があっても,また,振付けが平凡でも(悪くはない),これだけ楽しませてもらえるんだなー,と感心しました。
ほんとうに,見に行ってよかったです♪♪♪
(01.11.11)
04.01.01から