ワガノワバレエ学校公演 (Aプログラム)

サイト内検索 01年一覧表に戻る 表紙に戻る

01年7月8日(日)

イズミティ21(仙台市泉文化創造センター)

 

前半がパ・ド・ドゥ+小品集,後半が「人形の精」全1幕2場

前半は,「十代の男の子にパ・ド・ドゥは難しいわよねえ」と同情したくなる出演者もいましたが,立派な片手リフトを見せる男子生徒もおり,また,いかにもワガノワスタイルの女子生徒も見られて,ほほー,と感心。
ヤコブソンやゴレイゾフスキーの珍しい作品も見られましたし,毎回見せられて閉口していた,垢抜けない衣装の『せむしの仔馬(フレスコ)』がなかったのもよかったわ。

「人形の精」は,上級生も下級生も総登場で,装置もなかなか本格的。学校公演向きの作品で,楽しめました。

ただ・・・いつも思うのですが・・・自分が習っているわけでも,子どもが習っているわけでもない観客専門の身としては,ワガノワといえども,結局は発表会なのよねえ。
何年か後のキーロフやレニングラード国立のプリマがいるかもしれない,と思えなければ,また,地元の会館の公演ということで所要経費が安くなければ,見にいかなかったとは思います。

 

『パヴロワとチェケッティ』 振付:ジョン・ノイマイヤー

エカテリーナ・コンダウーロワ(8年生) ワジム・デニツキー(教師)

たぶん,初見。ノイマイヤーは,プティパのクラシックを大切なものだと思っているのだろうなあ・・・と感じました。
エカテリーナ・コンダウーロワは,ワガノワ風の繊細な踊り。デニツキー先生もステキ。

 

『コッペリア』よりパ・ド・ドゥ 振付:フョードル・ロプホフ

ダリア・スホルコーワ(8年生) マキシム・ジュージン(8年生)

スホルトコーワは,小柄でキュ−ト。
ジュージンは・・・サポートに苦労していたようです。

 

『トロイカ』 振付:レオニード・ヤコブソン

ナターリア・パルフョーワ(8年生) クセニヤ・シロジャン(8年生)アナスターシャ・シロジャン(8年生) アレクセイ・エルマコフ(8年生)

トロイカの御者がスピードを出しすぎて娘たちは雪の上に放り出される。彼は,娘たちを口説くが,諦めて,また乗せて走り出す,という筋だそうです。初見。
あらまあ,音楽が「春の祭典」だわ・・・と驚いているうちに終わってしまいました(笑)。

 

『パリの炎』よりパ・ド・ドゥ 振付:ワシリー・ワイノーネン

ナターリア・ゴンチャローワ(8年生) アントン・チュマーノフ(8年生)

ゴンチャローワは軽快。
チュマーノフは,この作品を踊るには,現時点では,技術が不足。

 

『ビバ・ラ・アカデミア』 振付:アレクサンドル・サポゴフ

初級生徒たち

音楽は,グラズノフ。
小さな子たちが皆で出てきて踊る,ほほえましい作品。さすがワガノワの生徒で,見事ではありました。

 

『パピヨン』 振付:マリー・タリオーニ

イリーナ・プロコフィーエワ(8年生) ウラジミール・イズノフ(8年生)

今回の出演者の中で,一番印象的でした。
プロコフィーエワは,ほっそりとした長身で優美。これぞワガノワ,という感じの動き。ジゼルなどが似合いそう。
イズノフも,ノーブルな動きで,サポートも上手でした。(ただ,メイクが「?」で,ハンサムかどうかが不明・・・)
何年か後のキーロフ公演で再会できることを期待したいです♪

 

『コンソレーション』 振付:カシヤン・ゴレイゾフスキー

ゲテパン・パパワ(8年生) アレクサンドル・ネフ(8年生)

リストの音楽による,流麗な動きのモダン作品。初見。正統派の,雰囲気のある恋の場。
パパワは,つぶらな瞳,黒い髪の,たいへん美しいバレリーナ。アスィルムラトワに似ている感じ。
ネフは,片手で背中を支えるリフトなども,きちんとこなしていました。

 

オペラ『イワン・スサーニン』より『クラコビャック』 振付:アレクセイ・ロプホフ

エカテリーナ・ペチナ(8年生) アルチョム・ヤチメニコフ(8年生)

グリンカのオペラの中のバレエシーンらしいです。初見。
多数の生徒が出演できたのはよかったのでしょうが,ううむ・・・あまり印象に残る作品ではなかったです。

 

『人形の精』

演出振付:コンスタンチン・セルゲーエフ(セルゲイ・レガットとニコライ・レガットの振付から着想を得て)

人形の精:エレーナ・エフチェーワ(8年生) ピエロ:アレクサンドル・ネフ(8年生),チャ・シェゴロフ(8年生)

1場では,人形店に,いろいろなお客さんが来て,棚とか奥から出されたゼンマイしかけの人形が次々と踊ります。
親子連れでの「親」は上級生が,「子」は下級生が踊ります。なるほど,学校公演にふさわしい作品。お父さんやおじいさんの役の,上級男子生徒たちの演技に感心。

2場は,店を閉めるときに忘れられ,閉じ込められた少年店員(江戸時代の「丁稚」とか戦前の「小僧さん」のような感じでしょうか。)の前に,次々と人形たちが現れて踊る,という内容。
コールドつきのお人形もいて,まずまず見応えがありました。

中心となる,ピンク(というより桃色)の人形と2人の白いピエロのパ・ド・ドゥを踊ったエフチェーワは,小柄ですが,堂々としていました。ただですね・・・常ににこにこしているのは立派なのですが,(ごめんなさいね)「作り笑い」に見えるんですけどー。
2人のピエロは・・・すみません・・・あまり面白くなかったわ。

この2人とは別の赤と白の縦縞のピエロが,見事な跳躍だったので,名前が不明なのが残念。(顔も白塗りだったしー。)

そうそう,日本人としては「なんじゃ,こりゃ」と言わざるを得ない,摩訶不思議な衣装と音楽・振付の「日本人形の踊り」は,一番美人の生徒(「コンソレーション」のパパワのような気がする。)が踊っていたので,許すことにしました(笑)。

フィナーレは,音楽に合わせて,観客が皆で手拍子♪
そういえば,途中もフェッテの度に手拍子が出ていたのですが,まあ,『コッペリア』や『パリの炎』でしたから,盛り上ってよかったのではないでしょうか。

(01.11.11)

サイト内検索 上に戻る 01年一覧表に戻る 表紙に戻る

04.01.01から