白鳥の湖 (国立サンクトペテルブルク・アカデミー・バレエ)
00年11月5日(日)
イズミティ21
音楽: P.チャイコフスキー
振付: M.プティパ, L.イワノフ
オデット: ユーリャ・プロシャンコワ オディール: ナタリア・バシカツェワ
ジークフリート王子: キリル・ミャスニコフ
ロットバルト: アレクセイ・パンセーシン 道化: アンドレイ・イワノフ
たぶん,初めて見たバレエ団。
往年のキーロフのプリンシパル,アスコルド・マカロフが芸術監督をしていて,通称マカロフ・バレエと呼ばれているそうで,キーロフ,マールイの弟分のカンパニーらしいです。
演出は,キーロフが上演しているセルゲーエフ版を基本に,カンパニーの人数と旅興行の制約で調整した感じでした。
で,かなり人数が少ないバレエ団らしく,その“調整”の内容がすごかったですー。
なにしろ,1幕に王妃が出てこないのよ。
それはもうびっくりしました。王子登場→ワルツ→パ・ド・トロワ→家庭教師と道化→乾杯して皆が去る→王子のソロ と進んで,あっという間に湖畔の場面になってしまう。
1幕で道化を踊っていたイワノフは,体型が少々まるまっちいので若干たじろぎましたが,躍動感と愛嬌があってよかったです。ゴムまりみたいでかわいいわ〜♪ と舞踏会も楽しみにしていたら,出てこないの。不審に思っていたら,あらまあ,ハンガリーのソリストで登場しましたわ。
その代わり,この場面にはちゃんと王妃がいました。で,道化はいませんから,王子は花束を王妃に返す,という・・・。(笑)
あ,たしか,ナポリの踊りもなかったです。花嫁候補は6人そろっていたのですが,どうも1人は早替わりでマズルカにも出ていたように思われる・・・。
オデットとオディールは別のバレリーナが踊りました。
感銘を受けるほどではないものの,それぞれ役にあっていてよかったです。でも,まあ,両方魅力的に踊り分けられるバレリーナが在籍していないのかもしれませんねー。
王子は,レニングラード国立のミャスニコフが客演。東京で見るときほど気合は入っていないようにも見えましたが,周りとの力関係もあるのでしょうか,風格が際立っていました。
コール・ドはきれいでした。さすがはロシアのバレエ団で,皆さん手足が長くて身体の線がほっそりと美しい。上体の動きは柔らかくて,ワルツの腕の動きにはうっとり〜。
ただ,足音が大きくて・・・。このホールは,足音が大きく聞こえる構造だとは思うのですが,それにしてもすごかった。ミャスニコフもパ・ド・トロワの女性もかなりだし,白鳥たちは,なんというか・・・なんとも形容し難い・・・。(泣)
(この直後に来日したキーロフ・バレエも非常に足音が大きかったです。ペテルブルクのトウ・シューズ製造業者は,いったいどういう商品を生産しているのか???)
まあ,それなりには楽しみました。
チケットはお安いし,交通費はかからなかったし,ダンサーのやりくりなども興味深かったですし。
これで足音さえなけえばねえ・・・。(嘆息)
(03.5.14)