まずはこの方、李麗華小姐です。日中戦争中から上海で活躍した、大スタ
ーにして大歌手です。戦後の一時期を除いて常に第一線で活躍
しましたが、その割に知名度が低いのは、常に周センの2番手であったこと、白光
のような強烈な個性を持たなかったことが、災いしたのかもしれません。
しかしその実力は中国歌手として多分最初のLPをアメリカで出している事からも
窺い知れます。

このLPは多分アメリカのメジャーなレコード会社から初めて出た中国歌謡のLPです。
一般に葛蘭の「葛蘭之歌 HONGKONG’S GRACE CHANG](1961)がもっとも
古いと考えられていますが、このレコードのほうが古く、多分1957年の
リリースだと思われます。
米国 キャピトル:T10087  1957?
キャピトルはこういう世界の音楽を集めたシリーズを
結構出しているようです。


これは このレコードの裏面です。これを見ていただくおおわかりになるように、この
レコードは李麗華ともう一人董佩佩小姐が片面ずつわけあう形になっています。

董佩佩小姐もまた古い時代曲の名手であります。彼女の活躍した時期
は1940年代後半から50年代だと思われます。
「小周セン」とよばれとくに民謡風の歌曲がうまかったといわれています。
このレコードでも「天涯歌女」をうたっています。これ自体は周センとは似ていない
ですが、その他の曲では雰囲気のよく出ているものもあります。
このレコードにも「小周セン」董佩佩と漢字で!書いてあり,英語では
GOLDEN VOICEとかかれています