この映画は、1938年に公開された映画です。
実際には日本映画なのですが、主演等は中国人が
勤めています。時代背景として、1937年の廬溝橋
事件を発端として、日中間が全面的な戦争状態に
陥ろうとする中で製作されたものであり、製作者の
真意が何処にあったかは別として、実際には日本の
立場から、その行為の正当性を述べようとしたもので
あると思われます。
ストーリーについては残念ながら私も未見であり詳細は
不明ですが、戦火に追われる中国人の農民夫婦とそれ
を暖かく保護する日本軍というその手の映画にありがち
なパターンのストーリーであったようです。
この映画は製作中には初の日中親善映画として大きく
取り上げられ、主演女優たちの来日(撮影は屋外ロケを
中国で、スタジオシーンは日本で行われました)に際し
ては盛大な歓迎会が開かれたようです。
しかしその映画の興行成績はまったく振るわなかった
ようです。当時の状況から考えると、中国人から見た時
には当然日本人に助けられる映画などが受けるはずも
なく、日本側から見ても中国語のドキュメンタリー風の
映画などには魅力を感じなかったという状況だった
ようです。
主演:白光、徐聴、李明、李飛宇、仲秋芳
監督:鈴木重吉、張迷生(補導)
製作:東和商事 1938年作品
当時の映画雑誌の広告より 左は「映画之友」1938年3月号
右は「スタア」1938年4月上旬号より
「スタア」誌は誌面でも監督の鈴木重吉の「東洋平和の道を完
成して」というレポートと「東京の撮影」という題で、白光他出演
者の撮影レポートが掲載されています。
映画の1シーンから左は徐聴、右は白光
来日時の 歓迎の光景(中央が仲秋芳)
来日時に配布された?ブロマイド(サイン入り)
左 徐聴 右 白光
同じく 左から 李明 李飛宇 仲秋芳