507XX / 2nd Jacket

1952年、それまで1ポケットだった506XX(通称1st Jacket)を改良し、507XX(2nd Jacket)が誕生。デビュー当時は皮パッチだったが、'50年代中頃(1954頃)から紙パッチに変更され、1962年までの10年間生産された。セカンドジャケットはバランスのとれた完成度の高いデザインと、数々のオールドリーバイス特有のディーテイルから、特に人気が高いデニムジャケットだ。
LEVI'S 507XX
LEVI'S 507XX

セカンドが生産されたのはちょうどジェームスディーンが活躍した時代、古きよき時代のアメリカの雰囲気が伝わってくる。外観上の最大の特徴である左右にバランスよく配置されたでかいポケットといい、ビンテージの匂いぷんぷんのセンタープリーツといい、セカンドは俺の長年の憧れだった。


まずはおなじみのRed Tabから。俺のセカンドのRed Tabは"R"マーク付きのBigEで、白いLEVI'Sロゴのステッチが両面にある。俺はセカンドは全てこれと同じタブだと思っているんだけど、もしかするとバリエーションがあるかもしれない...
Red Tab
Red Tab

俺の持っている557のTabもほとんど同じデザインだけど、心なしかセカンドのタブはシャープさに欠ける。古いからその分擦れちまったのカモ。買った時はタブが丸まってたけど、水洗いして乾かすと、写真のように伸びた(^^;


フラップの裏地はファースト同様、薄手のデニム(8-10オンス程度?)が使われる。伸縮率の違いのためか、フラップはくるくるりんと反り返ってくるのだが、これはファーストにも共通して認められる特徴。(写真は洗濯して乾かした直後だったので、あまり反り返っていないけど...) しかし本家リーバイスから最近復刻されている70507XX/70506XXは、同じオンスの生地をフラップの両面に使っているため、いくら着倒してもこの特徴は現れない。

セカンドの胸ポケットには、ファーストで認められるリベット補強が無い。寂しい気がするけど、実用上何の問題も無いし、あったとしてもフラップでいつも隠れて見えない。
507XX Flap
Flap

ちなみに俺はジージャンを着るとき、フラップにボタンは掛けない。ファーストも、セカンドも、サードでも、フラップにボタンは掛けない。あんまり深い意味はないのだけれど、とにかくフラップは自由にしてあげる派(^^)
カールするのは胸ポケットのフラップだけではなくて、襟もくるくるとカールする。ファーストもセカンドも右襟は下、左襟は上の方向にカールする。俺が想像するに、501XXがねじれるのと同じで、生地が縮む際にねじれを生じるんぢゃないかな。この特徴は注意深く見てないと気づかないから、知らない人も結構いるかもしれないね。
507XX Collar
Collar

フロントのプリーツ脇にはビンテージリーバイス特有のセルビッジが顔を覗かせる。RedLineは色褪せて薄くなってるけど、これがまたいい雰囲気を醸し出してたまらん。プリーツを止めているステッチは擦り切れてしまっているところもあり、得意の半返し縫いで繕った。何事もメンテナンスが大切。

ボタンの留め具は鉛色をしている。たぶん錆び止めを施した鉄だと思う。
507XX Selvidge
Selvidge Seam

左がセカンドの右袖の写真で右がファーストの右袖の写真。ファーストとセカンドではボタンとホールの位置関係が逆。デニムジャケットに限らず、ほとんどの上着はセカンドと同じ位置にボタンがついている。俺の毎日来ているワイシャツだって例に漏れず。だから初めてファーストに袖を通した時、その不自然さに少し戸惑った。気になって他のファーストもチェックして見たら、俺のファーストと同じ位置にボタンが付いていた。ドーナツボタンの大戦モデルも、俺のファーストと同じ位置だった。どうやらこれもファースト特有のディテイルのようだけど、年代によって異なるのかもしれない。

507XX 506XX
Comparision of Button Location / 507XX (Left), 506XX (Right)


507XXにはシンチバックがついていない。その代わりに、ウエスト調節用のサイドボタンが付けられている。このディーテイルは3代目557以降、現在の現行サードモデルにまで継続されている。俺は個人的にシンチバックの方が断然カッコいいと思うけど、より実用的なのはこのサイドボタンの方だろうね。


日本では手に入らなかったセカンドだが、出張先のアメリカでやっと入手(^^)。大きなほつれやダメージはほとんど無く、なかなかの色落ち。俺は個人的にセカンドのデザインが一番バランスがとれてて、かっこいいと思う。胸のポケットはサードより大きくて、意外と機能的。
LEVI'S 507XX

フリーマーケットでたくさんの古着を目にして思ったんだけど、ファーストとセカンドは色の落ち方がサードモデルとはちと違う。557も着込めばメリハリのついたいい縦落ちになるけど、風合いが異なる。557はなんとなく上品な感じがするのだ、うまく言えないけど...

きっとサードモデルあたりから染め方を含めて、デニムのクオリティが上がったんじゃないかな。俺はどちらの色落ちも好きなんだけどね。今度はもう少し色の濃いデッドに近い2ndが欲しいな、紙パッチがついたやつ。 ...無理だろーけど(--;