506XX / 1st Jacket

ビンテージ デニムジャケットの王様、506XX。'30年代から'50年代前半(1952年)まで作られたそのデニムジャケットは、当時の作業着としての普及と、50年を超える歳月の経過からその残存数が極めて少なく、まさにビンテージの王道。

'40s LEVI'S 506XX

ファーストとセカンドは、ポケットの数が違うくらいと思われがちだけど、結構細かいところで違いがある。BigEの片側ロゴステッチ、アルミボタン、リベット補強ポケット、シンチバックなど、ファーストは所有する満足感に満ち溢れている。程度やサイズに妥協せず、探し続けててほんとに良かった...

Red Tabは当然BigEなんだけど、LEVI'Sのロゴステッチは正面の片側のみ。これは1950年頃までのRed Tabに見られる特徴で、商標を示す"R"マークも入っていない。

Red Tabはファーストの特徴である胸ポケットの脇にあるんだけど、この位置は製品によって多少異なる模様。俺のRed Tabは比較的上の方に取り付けられているけど、フリーマーケットで見てるとフラップの下当たりに位置するジャケットも見受けられた。Red Tabの取り付け位置と年代はあまり関係無さそう...

ファーストは、胸ポケットのふちまでリベットで補強される。実際の効果のほどはよく分からんが、これがまたイイ。俺のファーストのリベットは錆びてないけど、ちょびっとだけ変色して結構いい味が出てきてる。

あと写真ではちょっと分かりにくいけど、フラップは表と裏のデニム生地が異なっている。表の生地よりも裏地の方が薄く、着ていると自然にフラップがくるくるとカールする。これはファーストに限らず、俺の持っているセカンドとサード(557のみ)にも見られる特徴。だけど557のフラップはくるくるとカールしていないんだよね、.なんでだろ?


ファーストのボタン(写真左)はアルミニウムでできており、俺のジャケットのボタンも表面が薄黄色に酸化してる。セカンドのボタン(写真右)も外見上ほぼ同じデザインだけど、クローム製のため艶のある銀色(ちょっと赤っぽく見える所は、鉄の錆び)。ファーストのボタンの方がいい味が出ていてカッコいい。

506XX 507XX
506XX Aluminum Button Face (Left)
507XX Chrome-plated Button Face (Right)


ボタンの芯にはCopper(銅)らしき金属が使われている。ファーストを実際に手にいれるまで、実はこのディーテイルには気が付かなかった。ファーストは全てCopperの芯材が使われているかどうか、是非とも確認したいところ。セカンドの材質はよく分からないけど、ねずみ色してるからきっと錆び止め処理(亜鉛メッキ)した鉄かじゃないかな。

ボタンの裏も、セカンドとは異なった風合いを見せる。ファーストのボタン裏にはCopperと思われる銅色をした留め具が使われており、またこれがいい味を醸し出している。


506XX Copper Button Body, Rivet

下の写真は右腕の袖の部分だけど、セカンド、サードジャケットとはボタンが反対側に付いている。なんか掛けづらい位置なんだけど、コレもファーストのディテイルの一つと思われる。気になってネットサーフィンで他のファーストの写真をチェックしたら、俺のファーストと同様ボタンとホールがセカンドとは逆側に位置してた。

袖のリベット補強はセカンドにも見られる共通のディテール。 胸のかんぬき留めのステッチは、引っ張られたりして切れやすい。ちなみにこれはオリジナルのステッチ。


ファースト特有のディーテイルの一つ、シンチバックル(バックストラップ)。ウェスト部分を絞る為のもので、ベルトはちゃんとリベットで固定されている。501XXも1940年頃まではシンチバックルが付いていたようだけど、ファーストジャケットと組み合わせるとさぞかしカッコいいだろうね。程度の悪いものの中にはシンチがちぎれて取れていたものも結構ある。引っかかったりして邪魔だということで切落とされることもあったらしい。


Cinch buckle

バックルはバックルの端部をカシメてベルトに取付けられている。バックルにはメーカ名等も刻印されておらず、材質が鉄らしいことを除いて詳細は不明。シートなんかを傷つけにくい形状のバックルは、戦後(1946-1952頃)のモデルということになる。


長年の夢、ファーストジャケットを手に入れたのは、ジーンズの故郷、カリフォルニアのフリーマーケット。パサディナで月に一度開催される、ローズボウルフリーマーケットだ。ローズボウルフリーマーケットはアメリカでもっとも大きなフリーマーケットのひとつで、日本からもバイヤーが数多く訪れる。

ヴィンテージファーストを手に入れて思うんだけど、本物っていいね。本当に欲しいと思う人は、絶対に手に入れるべき。満足度はセカンドの比ではないよ。でも程度とサイズには絶対に妥協しないほうがいい。ただサイズは重要で、自分の納得できるものを探すべきだと思う。